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正しく身に付けておきたい「うつ病」の知識

2017年度ユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされた「うつヌケ」という言葉。
KADOKAWAから出版され、18万部のヒットを記録した書籍のタイトルなのですが、そもそも「うつ(病)」という言葉が広く世間に浸透し、社会的問題となっていなければ、これほどに注目されることはなかったかもしれません。

日本人の100人に3~7人の割合で経験しているといわれる、うつ病。このワードを聞いて、うつ病にかかった・かかっている家族や友人、職場の同僚など、身近な人を思い浮かべるでしょうか。それとも、周囲にはそのような人が見当たらず、縁遠いものだと思うでしょうか。

本コラムでは、うつ病とはそもそもどのような病気であるのか、起きる原因や症状などを解説します。また、うつ病を患った場合、一般的にどのような保障を受けることができるのかなども紹介していきます。



「うつ病」は心の病気?

うつ病の発症原因は何か。結論から述べると、そのメカニズムは不明です。
脳内における神経伝達物質の働きの悪化、ストレスや病気による心身への負担、その人を取り巻く環境など、さまざまな要因が重なることで発症すると考えてられています。
「うつ病は脳の病気」と言う医師もいることから、その人の心の弱さや甘えなどと考えるのは誤りだということがわかります。
その人の持つ繊細さ、真面目さはうつ病を引き起こすさまざまな原因のうちの一つかもしれませんが、それだけを取り上げて弱い人だと一蹴してしまうのは愚かしいふるまいです。

うつ病を患った人は、自分を責めたり、嫌悪したりしてしまいます。周囲の人々は、その苦しみを甘えと切り捨てるのではなく、ほかの病気の患者に接するのと同じように、快方へ向けて寄り添っていきましょう。



どんな症状に見舞われる?

では、うつ病にかかると、どのような症状が現れるのでしょうか。
必ずこの症状が出るとは決していえませんが、精神的・身体的な面でそれぞれ、以下のような主だった症状がみられます。

《心に現れる症状》
・気分が落ち込む、特に朝の抑うつ気分が強い
・思考力・集中力の低下
・些細な決断ができない
・好きなこと・趣味をやる気になれない など

《体に現れる症状》
・眠れない、途中で目が覚める
・食欲の低下・増加
・ホルモン系の異常
・頭痛(頭に鍋をかぶったようなすっきりしない鈍い痛み)、頭重感
・肩、背中、四肢関節などさまざまな部位が痛む
・便秘 ・息苦しさ、窒息感 など

ここで挙げた症状は、ほかの病気の可能性が考えられるものばかりです。ゆえに自分自身や一般の人の判断だけでは、うつ病であるとはなかなかわかりません。
自分はうつ病かもしれないと不安を抱えて過ごし、重症となって命を落とす結果となってしまう前に、なるべく早い段階で病院に行くべきです。



どんな保障を受けられる?

うつ病を患った人の多くは、休職・退職をして療養に専念します。
治療には長い年月を要する場合もあり、長引くほど治療費も積み重なっていきます。独身であっても既婚であっても、その間の生活には不安がつきまとうでしょう。

1.健康保険の傷病手当金
金銭面の負担を軽減する主な保障としてまず挙げられるのは、「健康保険の傷病手当金」です。
この制度は、健康保険の被保険者、つまり会社員・公務員に適用されます。
手続きをすれば、病気・けがによる休暇の4日目以降から、給与の3分の2が受給されます。受給期間は、開始日から1年6か月です。
支給条件は以下の4つで、大きなハードルはないので、治療の妨げともなりかねない不安要素をできるかぎり除くためにも、遠慮なく申請すべきでしょう。

《支給の条件》
(a)業務外の事由による病気やケガの療養のための休業であること
(b)仕事に就くことができないこと
(c)連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったこと
(d)休業した期間について給与の支払いがないこと

傷病手当金は、条件さえクリアすればうつ病以外でも申請できるものなので、体調を崩したり、けがを負ったりした際には手続き方法など詳しく確認するとよいでしょう。

2.自立支援医療(精神通院医療)
次に紹介する「自立支援医療(精神通院医療)」は、うつ病(をはじめとする精神疾患)に特化した保障です。精神疾患での通院で発生する医療費を公費で負担するものです。
この制度には所得制限があり、住民税を23万5千円以上払っている人は原則利用不可となっています。
これを利用すると、治療で発生する通院治療費、投薬費、デイ・ケア費、訪問看護費などが、原則1割の負担で済みます。なおかつ、月額の医療費に上限金額が設定されていて、それを超えて請求されることもありません。
ただし、病院や診療所以外でのカウンセリングや、保険診療でない治療・投薬費用については対象外で、入院費用も対象には含まれていません。
所得などによる制限があったり、適用範囲が限られたりしていますが、治療の負担をぐっとおさえられる制度ですので、知っていて損はありません。

3.精神障害者保健福祉手帳
うつ病の治療が長期にわたり、日常生活や社会生活が困難となってしまった場合は、「精神障害者保健福祉手帳」を受け取ることができます。
この手帳を持っていると、治療以外の日常生活に必要な料金の割引などを受けられます。受けられる支援は、その人の住んでいる地域や等級(1級~3級まである)によって異なりますが、全国一律のサービスは以下の通りです。

《全国一律で受けられる支援》
・NHK受信料の減免
・所得税、住民税の控除
・相続税の控除
・自動車税・自動車取得税の軽減(手帳1級)
・生活福祉資金の貸付
・手帳所持者を事業者が雇用した際の、障害者雇用率へのカウント
・障害者職場適応訓練の実施 など

これらに加え、交通機関の運賃割引、公営住宅の優先入居などの支援を提供している自治体もあります。万が一自分・家族が患ったときのために、住んでいる自治体ではどのような支援を提供しているか、確認しておきましょう。

うつ病が決して珍しい病気ではなくなっている昨今。
自分自身が、家族が、社員がうつ病になったとき、できる限り冷静に対応し、保障の手続きなどをすすめたいものです。自覚なしに誤った対応をとってうつ病患者にプレッシャーなどを与えてしまい、治療を長引かせたり、自殺に追い込んでしまったりしないためにも、うつ病について改めて学んでみてはいかがでしょうか。

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