企業ブランディングに活用したい!インスタグラムマーケティングについて〔第2回〕
Instagram(インスタグラム)を活用した、企業ブランディングについて考える本コラム。
第1回は、インスタグラムの特徴、なぜいまインスタグラムに注目が集まっているのか、企業ブランディングに活用する上での課題などをお伝えしました。
そして第2回では、実際にインスタグラムを活用するとしたら、何をどうすれば良いのか。
ランキング上位の企業アカウントを参考に学んでいきましょう。
企業ブランディングに優れたアカウントランキング
まずは全体の順位を見てみましょう。どんな企業・ジャンルのアカウントが人気なのでしょうか。
フォロワーの多い企業アカウント1~10位
※順位、企業名、ジャンルの順に掲載しています
1位 任天堂 (ゲーム)
2位 KENZO(アパレル)
3位 Honda(自動車)
4位 日産(自動車)
5位 東京ディズニーリゾート(テーマパーク)
6位 WEBSTA, formerly WEBSTAGRAM(Webサービス)
7位 A BATHING APE® OFFICIAL(アパレル)
8位 Harajuku Japan(ファッション情報サイト)
9位 VOGUE JAPAN(ファッション誌)
10位 toyotausa(自動車)
参照:User Local『Instagram 人気ランキング』(2016年3月18日時点)
10位までの企業アカウントは以上のとおりです。
高額商品を提供する際の企業ブランディング
すでに多くのユーザーから認知されている企業といえば、任天堂、Honda、日産、toyotausa(TOYOTA)がおなじみですね。
自動車など客単価の高い商品は、その商品がユーザーにどのような価値を与えられるのか示さねばなりません。
自動車に対する価値は人によって様々ですが、高額な自動車に求めるものは「カッコイイ」というビジュアルイメージと、それを手に入れることで一種の満足感を与える『所有欲』を満たすことではないでしょうか。そのためか、Honda、日産はいずれも美しい自動車の写真に絞って投稿しています。
但し、TOYOTAだけは工場の様子やカーレースの会場、景色や人物単体の写真を投稿しています。日本最大の自動車メーカーとして、技術力の高さや親しみやすさを意識しているのかもしれません。
このように、ユーザーの所有欲を刺激する高額商品を提供している企業は、商品のビジュアルイメージにこだわって投稿してみましょう。
無形サービスの企業ブランディング
次に5位の東京ディズニーリゾートです。
4位までは商品の提供先をこだわらない、世界的に有名な企業アカウントが占めていますが、こちらはサービスの提供エリアを東京に絞っています。それにも関わらず、5位にランクインするほどの人気ぶりです。
東京ディズニーリゾートはよく知られた企業のテーマパークですが、自動車とは異なり単価が安く、ターゲットは女性・子どもに絞られます。そして何より、『夢の国』というイメージを壊さないホスピタリティの高さが最大の売りです。
しかし、それは無形のサービスであるため、パーク内の施設やお土産などの商品写真を投稿しても伝えることは出来ません。
アカウントを見てみると、パーク内のキャラクターに焦点を当てて世界観を表現したり、美しい景色やアトラクションの臨場感を魅せる写真を投稿するなど、工夫がなされています。
プロのカメラマンが撮影したような写真はとてもセンスがよく、ユーザーに「きれい!」「行ってみたい!」といったアクションを促しています。
このように、無形サービスを提供する企業は、そのサービスを受けることでどんな世界を体験できるのか、景色や物を使って表現すると良いでしょう。
企業ブランディングのポイントは“ユーザーのニーズに答えているか”
最後に、ファッション関連のアカウントに注目して見てみましょう。
KENZO、A BATHING APE、VOGUE JAPAN。いずれも知っている人は知っている、知らない人は知らないといったアカウントです。
KENZO、A BATHING APEは世界的に知られたブランドですが、VOGUE JAPANは日本人女性をターゲットとしたファッション誌。なぜここまで人気があるのでしょうか。
VOGUE JAPANは米国発、世界20カ国で発行されている有名なファッション誌です。それだけに取り扱う写真も、世界のトップフォトグラファーが撮影したトップモデル達がずらり。非常に強力なコンテンツであることが分かります。
しかし、人気の理由はそれだけではないように感じられます。
そもそもインスタグラムを利用するユーザーは、世界中の人と繋がりたい、世界の人々が注目している最新情報を知りたいといった、流行に貪欲なユーザー。そこへ世界の一流モデルやファッション情報を発信すれば、食いつかないはずがありません。
VOGUE JAPANに限らず、国内の多くのファッション関連企業は、インスタグラム、Facebook、Twitter、LINE、WEARなど数々のソーシャルメディアやアプリを網羅し、高いブランディング効果を得ているといわれています。
従って、ファッション関連企業とソーシャルメディアは愛称が良く、商品やサービスの質云々は考えずに、まず始めてみることがおすすめです。たとえ自社が著名なファッションブランドや媒体でなくとも、ユーザーが求める情報をピンポイントで発信することで、たくさんのフォロワーを獲得できるかもしれません。
以上、各アカウントを参考に、インスタグラムの企業ブランディングついてお伝えしました。
様々な方法や可能性があるとはいえ、インスタグラムはあくまで一時的な情報発信にすぎません。より長く、より身近にブランドイメージを感じてもらうためには、インスタグラムに加えて直接的な訴求ができる施策も考えていくべきでしょう。
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