インバウンドマーケティングとオウンドメディアの関係性は?
検索エンジンをめぐる環境が大きく変化し、マーケティングの手法もまた大きな転換を迫られる現代。マーケティングに関する最近の議論で必ずといっていいほど出てくる「インバウンドマーケティング」。
今回は、この概念についてより正しく理解するために重要な「オウンドメディア」を取り上げ、両者の特徴や関係性についてご紹介します。
オウンドメディアとは何か?
オウンドメディア(Owned Media)とは、自社が所有(オウン)するメディアのこと。Webサイトやブログ、ツイッターやインスタグラムなどのSNSアカウントなども含まれます。一般的には、企業が運営しているインターネット上の雑誌(Webマガジン)やブログのことを指すことが多いようです。
2010年代の前半にSNSが急激に普及し、多くの消費者が使い始めたことで、SNSをマーケティングに活用しようとする動きが出てきました。その延長上として、よりコンテンツが充実しSEO対策も施した、よりビジネス的で有用なウェブサイトが作られるようになったわけです。
オウンドメディアは、その名の通り自社で運営するものですから、表現に制限がなく、企業が自ら内容をコントロールすることができます。メディア自体が資産として永続的に利用できるのも大きなメリットといえるでしょう。また、メディアユーザーとのコミュニケーションの中で、時間をかけて顧客を獲得することができ、運営コストが安く済むのも重要なポイントです。
とはいえ、継続的な運用が必要で、しかも成果が出るまでに時間がかかること、また成果が得られる保証がないことが注意点として挙げられます。オウンドメディアとは、長期的な施策であることを押さえておく必要があります。
インバウンドマーケティングとは何か?
オウンドメディアと似た意味の用語として、インバウンドマーケティング(Inbound Marketing)があります。これは、Webサイトやブログ、SNSなどから発信されるコンテンツに関心を持ってもらうことで、消費者自身の方から企業の側へのアプローチを促すマーケティングの手法のことを指します。消費者にとって価値がある情報を積極的に発信しますが、消費者を追いかけることはせず、あくまで消費者の方から自発的にこちら側へと近寄ってもらうことを意図するのが特徴です。「内側に向かった(インバウンド)」と名前が付いているのはそのためです。
インバウンドマーケティングでは、メディアさえ立ち上げれば、情報を自由に発信することができます。例えば、マスメディア広告を打つことと比較すると、大幅なコスト削減が可能です。また、今すぐに商品やサービスを購入する準備ができていない、いわゆる「見込み客」をも取り込むことができるのもインバウンドマーケティングの特徴です。ターゲットとしない消費者を取り込むことができるのもメリットといえるでしょう。
ただし、企業から消費者に直接的に働きかけないため、発信する情報に消費者が気づいたり、効果となってあらわれるまでに時間がかかったりと、長期的な戦略であることには注意する必要があります。
インバウンドマーケティングとオウンドメディアの関係性とは
インバウンドマーケティングは、メディアを通じて情報を提供する過程で消費者との間に信頼関係を獲得し、いずれは顧客となってもらうことを目指す手法です。つまり、Webマガジンや電子書籍、ブログといったオウンドメディアは、インバウンドマーケティングの施策の一部として欠かせないツールであり、多くの場合、その中心的な役割を果たす存在として位置づけることができるでしょう。
インバウンドマーケティングを実践する上で欠かせないのが、価値のあるコンテンツです。その意味で、オウンドメディアを充実させることが、インバウンドマーケティング成功の鍵を握っているという言い方もできるでしょう。長期的な戦略となるだけに、早期の導入が求められます。
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