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コラム

社史制作の費用はいくらかかる?

著者:幻冬舎メディアコンサルティング 編集局・部長 伊藤英紀
社史・周年史・記念誌制作

創立記念や、商品・サービス誕生の周年など、重要な節目を祝して制作する社史は、企業の過去から現在までの歩みを振り返り整理するだけでなく、企業のこれからを占う上でも大きな意義を持っています。しかし制作するにあたっては、「どのくらいの人員を割り当てて、どのくらいの時間と費用をかけて作るものなのだろうか」「かけた労力に見合った効果は得られるのだろうか」「具体的にどういった流れで進めていけばいいのだろうか」といった疑問が次々と浮かんできます。そこで本稿では、社史の制作目的や工程、費用、メリットなど、社史に関するさまざまな疑問にお答えしていきます。

1.社史制作の目的

社史は会社のこれまでの歩みを可視化する重要な刊行物です。近年では大企業にとどまらず、中小企業や、設立間もないベンチャー企業でも、社史を編纂する傾向が増えてきました。社史を編纂する主な目的としては、以下が挙げられます。

①自社ブランディングの一環
②顧客や取引先との関係構築
③社員の意識向上や愛社心育成
④貴重な資料や写真などの保存

社員、顧客、取引先など、社内外の絆を強めるのが社史の主な役割です。これまで自社を支えてくれたことへの感謝とともに、「今後もお願いいたします」という気持ちを社史へ込めることで、関わる人たちとの信頼関係をより深めることができます。

2.社史の制作期間

社史の制作期間は、短くてもおよそ1年、長ければ3年程度かかるのが一般的です。会社の思いと歩みを詰め込んだ巨編になるので、手間ひまはたくさんかける覚悟をしておきましょう。節目に合わせて社史を発行するなら、時間を逆算して着手開始時期を決めることが肝要です。社内で社史に載せるコンテンツを話し合い、資料を集め、構成案を練るまでの時間が大部分を占めます。出版社の中には、社史制作の目的とゴールを整理し、構成案を練る部分から一緒に取り組んでくれるところもありますので、「社史制作を考えている」という段階でまずは相談してみる手もあります。

内容の方向性が決まったら、あとは出版社や社史制作会社に委ねるのが基本です。取材の時間を設け、ライターが原稿を作成します。並行で、社史に挿入する写真やイラストの加工調整、全体のレイアウトやデザイン作業も制作会社主導で進められていきます。社史のボリュームによりますが、これらの作業には数ヵ月以上の時間が必要と想定しておきましょう。原稿が校了し、印刷所へ依頼して製本されるまでの期間は1ヶ月ほどが相場となっています。

3.社史制作の工程

社史制作にあたっての全体の流れは以下のようになります。

①準備

社史制作は準備期間が特に重要となります。「どんなテーマ・内容の社史にしたいか」「社史を通して読み手に何を伝えたいか」「制作にあたって社内外の対応を誰に任せるか」「どういったスケジュールを組み、いつまでに完成させるか」などを決めましょう。また、社史の制作を委託する出版社や制作会社についても合わせて検討していきましょう。前述のとおり、出版社によっては上記の「どんなテーマ・内容の社史にしたいか」といった部分から専門的な見地でアドバイスしてくれるところもありますので、まずは相談という手もあります。

社史制作会社と連絡を取り合う担当者はひとりで問題ありませんが、資料を集めたり社内外との調整を行ったりする担当者は複数人必要です。最低でも3人から5人ほど、社史制作チームを結成しておくといいでしょう。

②企画

社史の大まかな枠組みが決まったら、具体的に企画を詰めていきましょう。社史に盛り込む定番のコンテンツは下記のとおりです。

・年表、沿革
・代表者の挨拶やメッセージ
・自社商品やサービスの紹介
・OB・OG・代表者などへのインタビューや手記
・社員・取引先からの寄稿

これだけを見ると「社史ってなんだか堅苦しくて社風に合わなそうだし、いらないんじゃない?」と感じる方もいますが、カジュアルな見た目でユニークな内容の「社史っぽくない社史」も多くつくられているのが昨今の特徴です。

企画段階では経営陣や制作チームのモチベーションが高まっていたとしても、時間とともに少しずつ制作への意気込みはスピードを緩めていき、チームも本業務に押されがちで作業を先延ばしになってしまいがちです。そこでポイントとして、定期的な報告の機会を設けて進捗度合いと完成イメージを社内全体で共有し、社史づくりそのものを人事評価に組み入れるようにしましょう。こうすることでモチベーションダウンを回避できます。 また、この段階もしくはもっと早い段階で出版社や制作会社に相談し、出版社・制作会社に音頭をとってもらうことで、よりスムーズに制作を進めることができます。

③素材収集

企画が一通りまとまったら、コンテンツに紐づいた資料を各方面から集めましょう。社内報、新聞や雑誌の掲載記事、ウェブサイト、ニュースリリース、営業報告書、写真スクラップなど、なるべくたくさん集めることが大切です。取材する人物もこの段階で絞って、あらかじめ一声かけておきましょう。

④取材・撮影・原稿作成・デザイン作成

具体的なコンテンツの作成にかかります。基本は出版社・制作会社に委ね、段取りとスケジュールを調整しながら進めていきましょう。 ここでのポイントは、希望や疑問があったら出版社・制作会社へきちんと伝えることです。出版社・制作会社とのちょっとしたイメージの差が、社史の品質に大きな差となって出てきてしまいます。早い段階でこのギャップを埋めておくようにしましょう。「これは言うほどのことでもないかな」という細かいところも共有していくことで、よりよい社史はできあがります。あとで修正を加えようとすると追加費用が発生するケースもあるので、イメージ共有はしっかりと行うことが肝心です。

⑤校正・入稿・製本

いよいよ最終段階です。出版社・制作会社から校正紙(ゲラ)の状態で届くので、最終的なチェックを数回にわたって行います。事実関係の正誤や年月、氏名などに間違いがないか念入りに確認しましょう。最終OKとなったら校了です。その後1ヶ月前後の時間をかけて社史が印刷・製本されます。

4.社史費用

費用は「ハード」の費用と「ソフト」の費用に分かれます。ハードの費用は、印刷や製本、用紙代といった社史の外面部分になります。ソフトの費用は原稿作成や写真撮影、デザインや編集など、社史コンテンツの制作にかかる手数料です。ハードは発行部数やページ数、社史のサイズなどで費用が変わり、ソフト部門はライターの取材頻度や写真の撮影回数、デザイナーや編集者の仕事量に応じて変わることになります。

トータルの費用は社史のボリュームによってさまざまですが、例えば1000部程度の発行として、600万円から1500万円程度が相場となっています。 また、書店に流通させることで輸送費などの費用はさらにかかりますが、自社ブランディングとしての効果がより高まります。

5.社史制作のメリット

社史を制作することの代表的なメリットをご紹介します。

①社員のモチベーションが上がる

「自社の本がつくられる」という経緯と結果は、会社の一員として頑張ってきた社員たちにとって大きな価値をもたらします。自社のここまでの道程、OB・OG・代表者の想い、理念やビジョンなどを改めて知ることで、社員のモチベーションが大きく向上することでしょう。企業コンプライアンスの意識を高めるうえでも、大きな役割を担ってくれます。「この会社の一員になれてよかった」と社員に感じてもらう社史を制作することで、これらのメリットがより一層期待できます。

②共感した求職者や取引先との新しい縁ができる

自社ブランディングのツールとしても活躍してくれる社史は、採用活動や広報活動にも大いに貢献します。書店に流通させたことで「新しい仲間が増えた」「新しいお客さまとの出会いにつながった」というケースもたくさん報告されています。書店だけでなく、会社の窓口や、各採用イベントや商品展示会などで配布することで、より多くの企業・人々との新しい縁をつくることができます。

③関係者との絆が一層深まる

社史には感謝のメッセージが込められています。顧客や取引先など、関係者に読んでもらうことで、感謝の気持ちが伝わり、絆がより深まり、読み手の「これからもこの会社を大切に応援していこう」という気持ちを高めます。

④自社の積み上げてきた実績が整理継承される

社史編纂によって会社の生い立ちが洗い直されることで、自社の実績を再評価するとともに、次の世代へと継承させることができます。また、整理していく中で発掘された貴重な資料や写真が、自社だけでなく社外にとっても大きな価値を示すケースもあります。ある地域に根付いた歴史の深い会社は、社史編纂の際に昔の貴重な写真が見つかり、地域の資料館へと寄贈され、学問的資料として継承されることとなりました。社史の制作によって、資料館にも社名を残すことができたという、社史のメリットが大いに感じられる好例です。

6.事例

最後に事例として、100年の歴史を持つ木工家具メーカー、飛騨産業をご紹介しましょう。過去には60億円の売り上げをほこっていた同社は、バブル崩壊を機に厳しい状況へとさらされることになりました。事業の立て直しを託され社長となった岡田贊三氏は、「社員に改めて、ビジョンを理解してほしい」という思いで社史出版を決意します。完成した『よみがえる飛騨の匠』はビジネス書としての評価も高く、流通させた書店でも注目を集めました。その後も社史の反響は大きく、TV『カンブリア宮殿』の取材や、講演依頼なども殺到することとなり、同社をさらに飛躍させる一因となりました。 このように社史は、社内外に大きな影響を及ぼす、自社にしかつくることのできない唯一無二の作品です。当初の想定以上の効果が見込めるものですので、自社の節目に際して制作を検討してみてはいかがでしょうか。

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