人事面や営業にも影響を与えた!「後藤ブランド株式会社」後藤晴伸氏に聞く、書籍出版後のリアルな変化とは vol.4 | 企業出版ダントツNo.1の幻冬舎メディアコンサルティング
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人事面や営業にも影響を与えた!「後藤ブランド株式会社」後藤晴伸氏に聞く、書籍出版後のリアルな変化とは vol.4

著者:GMCブランド戦略室

弊社主催の書籍マーケティングWEBセミナーでは、2020年9月よりクライアント(著者)をゲストとしてお招きし、出版の効果を「本音」で語っていただく特別編を開催しております。本稿はその書き起こしvol.4です(vol.3はこちら)。ゲストは、2016年に『ウェブマーケティングという茶番』、2020年に『増補改訂版 ウェブマーケティングという茶番』を出版した後藤ブランド株式会社の後藤晴伸氏。聞き手は、株式会社幻冬舎メディアコンサルティング取締役・営業局長の佐藤大記です。

ゲスト講師
後藤晴伸

後藤晴伸

https://www.goto-brand.com/

後藤ブランド株式会社代表取締役。青山学院大学国際政治経済学部を卒業後、凸版印刷株式会社入社。電通・電通テック担当として、大手企業の紙媒体を中心とした広告制作を担当。 大手インターネット広告代理店、株式会社セプテーニへ転職し、SEMコンサルタントとして数十社のリスティング広告の運用を担当。その後取締役としてウェブマーケティング会社の立ち上げに参画。孫請け、ひ孫請けとしてウェブマーケティングに携わる中、業界特有の構造への疑問が強くなり、2014年に独立し、後藤ブランド株式会社を設立。 経営改善にまで踏み込んだ提案力、クライアント企業への遠慮のない物言いで、数々の中小企業の売上増に貢献。現在は後藤ブランド株式会社代表取締役。2016年に「ウェブマーケティングという茶番」、2020年3月に増刷改訂版を出版。

※本稿は2020年9月11日にオンラインで開催した『本を作って、顧客をふやす~「書籍マーケティング」WEBセミナー ~クライアント(著者)がゲストで初登場!出版の効果を「本音」で語る特別編』の模様をテキスト化したものです。

同業者から予想外の反応!専門の子会社を立ち上げることに

後藤:出版によって想定していなかった展開もありました。僕はこの本で広告業界やマーケティング業界のことを結構好き放題に言ってしまっているのですが、なぜか同業の方からご相談いただく機会が増えたんです。本来、後藤ブランドは直接のクライアントさんの依頼しか受けないというスタンスだったので最初のうちは断っていたのですが、あまりにもノウハウが足りてないとかWEBマーケティングがちゃんとできるリソースがないといった相談をもちかけられることが増えたので、2018年に「株式会社グランデッツァ」という制作会社や大手広告代理店を陰で支える子会社を作ってしまいました。非常にご依頼が多く、3期目に入るところですが順調に伸びています。本を出すことによって考えてもいなかったビジネスチャンスに気づかされたケースですよね。本の威力をかなり実感しています。

テーマを深堀することの怖さと良さ

佐藤:書籍のテーマや内容に関しては、私たちも営業をさせていただくなかで「集客につなげたい」「ブランディングをしたい」とか、いろいろなリクエストをいただきます。通常の経営者の方ですと、自社のサービスのノウハウなど、オリジナリティのあるものを一つにまとめるといったことがほとんどです。でも今回の『ウェブマーケティングという茶番』はノウハウというより問題提起ですよね。この1テーマを深堀しようという選択をしたのはなぜなんでしょうか。

後藤:結構ストレートに言ってしまいますと、Web業界ではかなりのノウハウ本が出ていて、でも出したところで2、3年後には使えなくなっちゃうんですよ。進化とともにトレンドも変わりますから。せっかく出したとしても数年で使えなくなるのはもったいないなと思ったので、業界の普遍的な問題について掘り下げていくほうがいいんじゃないかと。多分それは通年的な課題だから2、3年で変わるようなことはないと思うので。

佐藤:もともとその業界にいらっしゃる後藤さんが全体を俯瞰して見たときに、クライアントに対して正しい利益を提供できていないと感じたことを書こうと。

後藤:ただのノウハウ本で終わっても意味がないので、何らか発信したいという思いは強かったですね。いろいろ批判を浴びることも覚悟しつつ、話題になったほうがいいかなと思って、このテーマにしました。それで、このテーマでOKを出してくれた出版社が幻冬舎メディアコンサルティングさんだったというわけです。他の出版社は「ちょっとエッジが効きすぎているのでこれは……」という感じで若干のNGをもらって(笑)。

佐藤:そんなことがあったんですね。

後藤:多分、この内容で出しちゃうと政治的なものとか、色々な人に顔向けできないといった問題があるんでしょうね。でも、Amazonのレビューを見ていただくとよくわかる通り、同業の方をはじめ「よく言ってくれた!」っていう声が多いんですよ。あとは何度も言っているように人事面ですね。新卒でも中途でも「自分はちゃんとWEBマーケティングのスキルをあげていきたい」「でもクライアントに対して嘘をつくのは嫌だ」「ウェブという業界でしっかりと頑張っていきたい」という強い意志を持っている人々にとっては救済所のような存在にもなったんじゃないかなと。

佐藤:離職率の面でも全然違うものですか。

後藤:そうですね。そこは全然違います。モチベーション高く入ってきた子はやっぱり成長も早いです。あとはうちをステップにして独立起業している子も去年あたりからちらほら出てきていて。良いきっかけになっているかなあと思っています。

佐藤:先ほど「うちみたいな小さい会社に新卒で応募してくる子なんかいなかった」というお話がありましたが、業界のことをそこまでわかっていないはずなのに、関心を寄せて本を手にとってくれる大学生がいると。そういう面では、本が親御さんに好印象を与えるきっかけになったとかあるんでしょうか。

後藤:そこまでは聞けていません。ただ、ご両親に「ここで働きたいんだ」と説明する際にも、こういう考えを持ってこういうことをやっている社長の下で働くんだよというのは、本があればしっかり伝えられるのではないかなと思いますね。何もない得体の知れない会社よりは、しっかりとメディアに出て本も出している人間が社長を務めているという点では安心していただけるのではないかな、と。Web系の会社の人って表に出ないことが多いので、どうしても異色な感じに思われがちなんですよね。そこでも差別化になっているかなと思います。

ウェブと書籍の相性をどう考えるか?

佐藤:そうですね。親御さんの年代くらいだと本は高尚なものというイメージもあるでしょうし。その点でいくと書籍って「オールドメディア」じゃないですか。一方で、後藤さんの業界はこれからどんどん進化をしていく新しいメディア。まさに書籍とウェブは一見すると水と油のような感じなので「マッチしないんじゃないか」と思われている人もいるようです。ウェブと書籍の相性は、どうお考えですか。

後藤:結局、僕みたいなビジネスは「BtoB」の対法人向けの営業なんですね。法人の代表の方や決裁者の方がどういう年齢だろうとか、どういうターゲットだろうと考えると、絶対的に本を読んだり新聞を読んだりする年齢層がメインだと思うんです。そういう人たちに刺さればいい。若い子たちに支持される会社じゃなくて全然かまわないので、そういう意味ではオールドメディアである書籍をうまく使ってターゲットに届けるやり方はありかなと。

佐藤:なるほど。

後藤:Web屋だからWebだけでいいでしょという考え方はいらない。ターゲットはどこかって考えたときにWebだけじゃないアプローチはあっていいと思っています。本だけやればいいとかWebだけやればいいとかではなく、両方をうまく使って狙っているターゲットに刺すにはどうするべきかを考えるほうが重要なんじゃないでしょうか。

佐藤:確かにWebもマスというより、絞ったターゲティングにしていきますよね。書籍もまさに同じで、全網羅というよりはしかるべきターゲットに刺していくものです。そういう点では、テーマがぐっと絞れるので似ているかなあと思いました。

後藤:そうですね。本を手に取って読んでくださる方というのは、相当関心度も高い方でしょうし。

セミナー書き起こしはここまでです。当日のセミナーでは、この後、Q&Aコーナーに移行し、リアルタイム視聴者からの様々なご質問に対し、後藤氏より「本音」のご回答をいただきました。

「出版には費用がかかったと思いますが、後藤社長は費用対効果をどう考えていらっしゃいますか?」「書籍制作には時間を要すると思いますが、本業がある中でどのように制作を進めていくのでしょうか?」―――等々。

その内容は録画版ですべて視聴いただくことができます。

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