「オワハラ」じゃ中小企業の採用活動は終わらない!内定辞退を防ぐには?

短期決戦で悩む企業の採用方法に批判が
2016年新卒採用の選考がいよいよスタートします。
日本経済団体連合会(経団連)は、「採用選考に関する指針」を変更し、選考開始を8月からとしました。
採用のための広報活動はすでに3月から解禁されており、多くの企業が説明会やインターンシップにより学生を囲い込む動きが見られましたね。
これまでよりも短期間で採用活動を終えなければならない、ということになりますが、そのプレッシャーは学生に限らず企業も同じです。
そのため、企業が内々定を与えた学生を内定辞退させないようにすることについて、「オワハラ(就活終われハラスメント)」という言葉が流行しています。
学生から聞く「オワハラ」の内容としては、以下のものが挙げられます。
・現在受けているすべての会社を今この場で辞退すれば「内々定を出す」と言った交換条件を突き付けられた
・「うちの内々定でもう就職活動は終了だよね?」「もう他の企業の選考は受けないよね?」と言った強制的な終了確認
・頻繁に会社の関係者や内定者を交えた食事会や会社のイベントに参加させられ、辞退しにくい関係作りをされる
人気企業とは言えない中小企業ともなれば、多くの内々定をもらっている学生に、入社したいと決断させることは難しくなります。そのために、内定辞退させない手段として上記の交渉を行っているのです。
このような採用活動を行う企業は以前からありましたが、年々活動期間が短くなっていくことに焦る学生からの批判が高まり、近年話題となっているようです。
学生が入社したくなる採用活動
一方で、インターンシップや選考過程、内定通知を工夫することで学生を取り込もうとする企業も増えています。
インターンシップであれば、業務を通じて社員からフィードバックをもらうことで自身を見つめなおすきっかけを掴み、その社員が属する企業そのものに対して好意的な印象を持つ学生もいます。
選考過程で合宿や交流会を行い、社員や同期生とコミュニケーションをとる機会を設けたり、
内定通知書に寄せ書きを添える、といった感動的な演出により学生の心を掴む方法もあります。
また、自社の理念や事業領域についてより理解のある学生を求めている企業は、
社史や周年史を出版することで、全国の優秀な学生からの認知を得ています。
さらに説明会で書籍を配布し、採用過程で自社について学生からより本質的な意見を引き出すといった方法を取っています。
最終的に学生が企業を選択するポイントは、そこで働く「人」であり、その人たちが働く環境・仕事において得られる喜びや、自身の能力が発揮できるかどうかを重視しているようです。
ですから、企業側も自社の社員や環境、事業内容をしっかりと見せる必要があるわけですが、
説明会や限られた選考過程で伝えることは難しく、書籍にまとめて出版する、という採用方法も選ばれているのです。
いずれにしても、「オワハラ」という圧迫的な内定通知よりも、ポジティブな印象を与える上記のような工夫が、採用活動や内定後も学生と良好な関係を築くために必要なのではないでしょうか。
焦った行動をし風評被害を受けてしまってからでは、学生からの信頼を取り戻すことは困難です。
採用活動が短期戦であっても、自社は「学生が成長できる会社なのか」を冷静に考えてみてください。
【参考】
HRプロ「第28回 3月の解禁日前に何をし、8月選考開始に向けてどう動くか」
NHKオンライン「横行する“オワハラ”悩む学生と企業」
幻冬舎メディアコンサルティング
右田 千穂
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