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今必要なのは顧客の未来を変えるブランディング戦略

著者:GMCブランド戦略室

ブランド戦略を立てていくうえで「消費者の目線に立って~~」とよく言われます。確かに、消費者からどう見えるか、実際にブランドに触れてどう感じたか(品質など)は重要なポイントですが、これらに加えて重視したいのがブランドを通じて得られる「顧客体験」です。顧客体験を見据えたブランド戦略は、価値ある商品も叶わないほど、消費者にとって魅力的に映ります。

そこで今回は、「顧客体験にどのような価値が秘められているのか」や「顧客体験ブランディング(=UXブランディング)の展望」について解説していきます。顧客の心を掴んで離さないブランディングを実現させるためにも、ぜひ参考にしてください。

顧客体験をマネジメントする時代

目まぐるしいITの発展により、生活の大部分がデジタル化された昨今。人気ブランドや有名ブランドなど、ポジティブな印象が強いブランドには、「高い顧客価値・顧客体験を提供している」という共通点が挙げられます。

顧客価値とは、消費者がブランド(商品)を通じて得られる満足や感動のこと。

例えば、一昔前に30,000円で買った掃除機Aが壊れ、30,000円で新品の掃除機Bを購入したとします。購入価格は同じでもAより軽くて掃除が楽、吸引力も前より強い!となれば、掃除機Bの顧客価値は掃除機Aに比べて高いものだと言えます。

しかし、掃除機Bの値段が80,000円だった場合はどうでしょうか? Aより軽くて吸引力に優れていたとしても、80,000円という費用に見合うメリットがなければ顧客価値は高いとは言えませんし、そもそも購入に至りません。

ここで重視されるのが「顧客体験(UX;ユーザーエクスペリエンス)」です。顧客体験とは、消費者がブランドを通じて得られるプラスの経験をいいます。上述の80,000円の掃除機を例に挙げる場合、

  • アレルゲンを除去することにより部屋の空気を清浄
  • クリーンな排気だから赤ちゃんやペットがいても安心
  • モーターの一新(静音化)により夜間の掃除機掛けが可能に
  • 本体の小型化や付属品(壁掛けアタッチメントなど)により収納方法が激変

といった、経験として得られるメリットをどれだけ与えられるかで消費者の購入意欲は左右されます。つまり、ブランド力とは、そのブランドを得ることで何を得て(=顧客価値)、どれほど良い経験ができるか(=顧客体験)にかかっていると言えるでしょう。近年はインターネット、SNSの浸透により顧客体験が重視される傾向が強く、顧客体験をどれほどマネジメントできるかでブランディングの命運が分かれると言っても過言ではありません。

モノからコトへ、売れるから売れたあとへ

今よりインターネットが普及していなかった時代では、マーケティングの要は「売れる」かどうかにありました。言い換えれば「製品力=ブランド力」で、短期的な戦略により不動のブランドが確立できた時代です。

インターネットを通じて簡単に情報収集&拡散、意見交換が行えるようになった現代、ひとつの顧客価値は顧客体験となって広がり、SNSをはじめ、様々な切り口からブランド価値が高められるきっかけとなります。売れるブランディングではなく、売れたあとにどのような経験を提供できるかといった点を重視した顧客体験ブランディングで、ブランド価値の形成につとめましょう。

イノベーションから生まれる新しいブランディング

高いブランド価値を高めて歴史という枠組みを築いていくには、イノベーションによる新しいブランディング、それにより得たブランド価値のさらなるブラッシュアップが欠かせません。

ブランド戦略を立てる際は、以下の要素を交えながら「どのような顧客体験を提供するか」に重きを置く必要があります。

・これまでにない経験(卓越性)

中身が透けて見える冷蔵庫、宙に浮く車、4D映画 など

・以前の状態には戻れないような経験(習慣化)

スマートフォン⇔ガラパゴス携帯、Wi-Fi⇔赤外線通信 など

・いつも新しい提案がある(期待醸成)

革新的な新製品が決まった時期に発表される、モデルチェンジ など

・多くの人が使っている(ネットワーク効果)

周知性や拡散力に優れている(SNS映えを重視) など

「従来品より優れた〇〇」と言われるよりも「〇〇で世界が変わります」と言われたほうが、手に取ってみたいと感じませんか?顧客体験を連想&与えられるブランディングでこれまでにない価値を提供し、ブランドイメージを一新していきましょう。

まとめ

顧客価値・顧客体験を正しく理解したブランディングで、唯一無二の経験を提供できるようつとめましょう。拡散力を秘めた「モノ」の背景には、人に勧めたくなるだけの「コト(顧客体験)」が隠れています。ブランドを通じて提供できる顧客体験を消費者の目線に立って捉え、ブランディングに活かしていきましょう。

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