経営者向け

9割の経営者が見落としているマーケティングの罠

顧客の購買意欲を刺激するマーケティング戦略を練るには、どのような点に着目すればよいでしょうか? マーケティングの手法は時代とともに変化しており、近年では顧客のベネフィットにアプローチすることが重要視されています。

今回は、従来型の自社製品のメリットを訴求する手法との違いを紹介したうえで、どのように顧客にベネフィットを伝えるのが効果的なのかについて解説します。そして、その際に陥りがちなマーケティングの罠についても紹介します。

顧客のベネフィットを考えずに自社の優位性ばかり語ってしまう

紙媒体のチラシにせよWebページにせよ、顧客が最も関心を抱いているのは商品やサービスが顧客にとってどのようなベネフィットをもたらすかということです。

ベネフィットは直訳すると「利益」「恩恵」といった意味になりますが、しばしばメリットと混同しがちです。両者の違いを表すと以下のようになります。

メリット・・・商品の特徴、スペック、強み

ベネフィット・・・メリットによって得られる顧客にとっての利益

例えば、スマートフォンを例に挙げると、CPUの性能やメモリ容量などがメリット、スマートフォンを使用した際の生産性向上やコミュニケーションの活性化が顧客のベネフィットということになります。

従来のマーケティングは、メリット(自社商品の強み)をいかに訴求するかに重きが置かれていましたが、近年は、さまざまな業界で多くの企業がクオリティの高い商品を作り出すことができるようになったため、メリットだけでは他社との差別化が難しくなっています。

結果として重要視されているのが顧客のベネフィットに訴える、ということです。

自社の商品の優位性を「どのように」伝えるかを軽視していないか?

では、ベネフィットをどのように伝えればよいのでしょうか?

ベネフィットを顧客に伝えるには、以下の3つの手順で考えれば効果的です。

①顧客のニーズや問題、望む物(望むであろう物)をあぶりだすこと

顧客のニーズや問題点を知ることはもちろんですが、顕在化していない顧客ニーズに訴えることができれば同業他社の一歩先を行くことができます。そのうえで、自社のサービスや商品がどのように顧客の欲求にこたえられるかを落とし込みます。

②共感できるキャッチコピーやストーリーを作ること

特に、ニーズや問題を認識していない顧客に対して、欲求や認識に気づいてもらうことが必要です。そのために、ポイントとなるのが「共感」です。訴えかけるキャッチコピーやストーリーを顧客が「自分のこと」として認識してもらえるように意識することで、広告への興味・食いつきが大きく変わります。

③欲求を満たすベネフィットを伝えること

そして、顧客がもたらされるであろうベネフィットを具体的に洗い出します。さまざまな顧客のタイプや属性、ニーズの種類別にベネフィットを考えると、顧客に伝わりやすくなります。

魅力ある商品があって、ターゲットもしっかり把握していても、伝え方を間違っては何の意味もない

魅力ある商品があり、その商品を必要とする顧客がどのような層かを把握している場合でも、伝え方を間違っては意味がありません。それこそが陥りがちなマーケティングの罠の正体です。

ポイントは3つあります。

①基本的な説明を省略してしまう

業界やサービスの最も基本となる部分は、つい知っていて当然だと推測してしまうものです。しかし、利用者である顧客は、商品やサービスに関して通常は素人です。一方、サービスを提供する側はその道のプロです。そのギャップを理解できていなければ、顧客に伝わらない説明になってしまいます。社内や業界内でしか用いられていない専門用語の使用にも注意しましょう。

②独りよがりなコピーになってしまう

ベネフィットに訴えるということは顧客の感情をいかに動かすかということです。そのためにカギとなるのは上述の通り「共感」です。顧客の課題や悩みの解決からスタートしなければ、コピーは独りよがりになってしまいがちです。

③余計な情報を伝えてしまい、伝えたいことがぼやけてしまう

ベネフィットを理解していても、刺さる宣伝を意識するあまり顧客の「共感」にうまくアプローチできないケースも多々あります。大手企業のCM等で炎上してしまうケースでも、ベネフィットを伝えてはいるもののその他の余計な情報が消費者の反感を買っているケースが多々見られます。

面白みのない、いわゆる「刺さらない」マーケティングも問題ですが、同時に不快に思う人がいないかを意識することも重要です。

まとめ

近年では、メリットの訴求で顧客の購買意欲を刺激することは非常に難しくなっており、ベネフィットに対して訴えかけることがマーケティングのポイントとなっています。そのためには、顧客の現在、および将来のニーズを洗い出し、共感を呼び込むコピーやストーリーを作成する必要があります。

また、せっかくベネフィットを理解していても、伝え方の拙さによりマーケティングに失敗してしまうケースもあります。実は、分かりやすく的確に伝えることこそが、9割の経営者が見落としているマーケティングの罠でもあります。ぜひ、自社の状況やサービスに置き換えて、顧客のベネフィットについて考えてみてください。

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