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会社、学生、社会、3つの観点からみる日本の新卒採用

著者:GMCブランド戦略室

「弊社は人を大切にしています。」この言葉がほとんどの会社でアピールされています。
「人事担当者が良い人で惹かれた」
「この人と一緒にこの会社で働きたいと思った」
就活体験記では、このような成功体験記が綴られています。
そして就活を終えた学生は、内定を獲得して9カ月ほど経って入社します。

実際、現代の若者の離職率はどうでしょうか。
“三年で三割が辞める“という言葉はいまや当たり前のようになってきました。
この三割の学生の中には、上記で挙げたような就活成功者もいるでしょう。
なぜそのような状況が改善されないのでしょうか?

今回は会社、学生、また日本の社会という3つの観点から考察をしていきます。

会社の説明責任と学生の甘え

新卒が早々と辞めていく理由のひとつが、会社に入ってからのギャップです。
「思っていたのと違った」とよく社会人1年目から声があがります。
しかし「自分のやりたいと思っていたことができない」と嘆く学生は、甘えがあるのです。
社会人1年目から、やりたいことなんてできるわけがない。基本ができていないのに、応用問題を解くことは不可能に近いのと一緒なのです。

しかし、会社にも説明責任があります。
会社に入ってからわかることのほうが大半ではありますが、賃金体系・福利厚生・休暇についてなど、社員が働く上で基本的なことは事前に提示すべきです。
絶対的な目的があって入社した学生は別ですが、今のご時世そのような熱い心を持った学生は残念ながら少ないのです。

重要なところで学生(社員を含む)と会社の齟齬を埋めていくことが、社員が長続きをする秘訣なのではないのでしょうか。
学生も嘘をつくのだから、会社から多くを語らなくてもいいだろうと考えている部分もあるかもしれないですが。そのことについては、日本の社会という観点から述べていくことにしましょう。

日本の社会が生み出す“働く”ことに対する固定観念

“働いている奴は一人前、働いてない奴は半人前”
そのような意識が、多くの日本人が持っているのではないでしょうか。
内定が決まった瞬間「これでニートにならなくて済む」と感じた学生も多いことでしょう。
それは同時に、「社会に翻弄されている」とも感じられます。
働かなくてはいけないという一種の脅迫観念が、会社選びの余裕をなくしているという見方もできます。

もうひとつの問題が、昨今話題になっている新卒一括採用問題です。
上記で述べた学生が感じるギャップも新卒一括採用から引き起こされる問題のひとつです。
会社の利益を長期的に生み出す人材を獲得したいのであれば、長期的に人材確保の計画を立てる必要があります。
学生も実際会社に出向く機会を作るなどをして、時間をかけて仕事選びを行い、会社も時間をかけて人材確保を行うのです。

いまの大学4年間のカリキュラムでは、到底実現は難しいでしょう。
いっそのこと、大学卒業後の2年間は仕事探しの期間と設定するのも手かもしれないですね。
もちろん、会社もそのようなことに時間を割く余裕がないという問題もあります。
国から、会社から、学生から、3つのアプローチからこの問題について取り組んでいく必要があるでしょう。
答えのない問題に取り組むのは難しいことです。
しかし、ヤフーなど一部企業では新卒一括採用を撤廃している動きもあります。
解決に向けた抜本的改革を、今踏む出すべき時ではないのでしょうか。

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