企業の”ストーリー”を発信するべき理由

書店には、企業名をタイトルに冠した書籍が多く並んでいます。
『住友銀行秘史』(講談社、2016年)
『サイゼリヤ おいしいから売れるのではない 売れているのがおいしい料理だ』(日本経済新聞出版社、2016年)
『タニタはこうして世界一になった 「タニタの社員食堂」誕生秘話を交えて』(講談社、2013年)
『スターバックス成功物語』(日経BP社、1998年)
『ドトールコーヒー「勝つか死ぬか」の創業記』(日本経済新聞出版社、2008年)
『21世紀のブランドを創る 「星乃珈琲店」誕生物語---超積極策によるドトール日レスグループの復活劇』(ダイヤモンド社、2014年)
それぞれ、企業の創業ストーリーや商品開発秘話をまとめた書籍です。
なぜ、こんなにも多くの書籍が出版されているのでしょうか。
企業の書籍が多く出版される2つの理由
それは第一に、企業の裏側や成功の理由を“知りたい”ニーズがあるからです。
9割の企業が10年以内に倒産するといわれる昨今。
長い歴史をもっている企業の秘訣を知りたいというニーズがあります。
第二に、企業の裏側や成功の理由を“知らしめたい”ニーズがあるからです。
書籍を出版する企業から見ると、企業の裏側やストーリーを発信するメリットがあります。
そのメリットを解説していきましょう。
企業ストーリーを発信するメリット①企業名の認知度を向上させることができる
たとえば書籍であれば、タイトルやサブタイトル、帯文に企業名を冠した書籍が書店に流通することで、
企業名の認知向上が実現します。
また、書籍がメディアに取り上げられたり、
書籍をきっかけにインタビューのオファーが舞い込んだりする可能性もあります。
企業ストーリーを発信するメリット②ファン化を促進することができる
創業ストーリーや商品開発秘話を発信することで、自社のことを深く知ってもらうことができます。
親近感が湧き、「この企業のサービスを利用しよう」と思ってもらえることもあるでしょう。
企業ストーリーを発信するメリット③社員教育に活用できる
社史を書籍化すると、社員教育ツールとして活用できます。
また、自社のストーリーが書籍になっていたり、公に発信されていたりすることが、
社員のモチベーションアップにもつながるでしょう。
事例①商品開発秘話をまとめて発信
『超熟 ヒットの理由』(幻冬舎MC、2008年)には、
敷島製パンが主力商品「超熟」を大ヒットに至らしめるまでのストーリーが描かれています。
商品開発秘話を発信することで、他社の商品との差別化を図った1冊です。
事例②創業から今までの社史をまとめて発信
『キンカンの本』(幻冬舎MC、2016年)には、
金冠堂の誕生から家庭の定番薬として親しまれるようになるまでの歴史が社史とからめて綴られています。
今や誰もが知る「キンカン」ですが、
創業期には顧客がたった一人しかいなかったことや、
戦時中には材料が手に入らず、販売ができなかった時期もあったことがわかります。
「山あり谷あり」の“谷”の部分をあえて公開することで、親近感の醸成に成功しています。
事例③お客様とのやり取りを小説化して発信
『はじまりのストーリー』(幻冬舎MC、2011年)では、
八芳園のウエディングプランナーとお客様とのやり取りが小説化されています。
ウエディングプランナーとお客様とのやり取りを発信することで、
ファン化を促進し、「この式場で挙式したい」と思わせる1冊となっています。
いかがでしたでしょうか。
物語を活用した“ストーリーブランディング”は、
読者に理解されやすく、心に残りやすいというメリットがあります。
自社の創業ストーリーや商品開発秘話、お客様とのやり取りを発信し、
ブランディングに役立てられてはいかがでしょうか。
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- 【事例】> 『超熟 ヒットの理由』
- 【事例】> 『キンカンの本』
- 【事例】> 『はじまりのストーリー』