なぜ、ガラホは売れなかったのか
とくにガラケー時代が長かった30代~50代にとって、 スマホの文字入力はフリック入力を用いても、 面倒な作業になっているのではないでしょうか?
スマホには従来のガラケーと同じ入力方法のトグル入力機能もありますが、 ついつい文字を打たないですむLINEでのスタンプ機能に頼ってしまい、 ガラケーのボタン式の入力がなつかしいと思うことがしばしば。
「SNSとメールと電話とちょっとしたインターネットだけしか使わないしガラケーに戻したい」 と思いつつも、 ガラケーに対応したインターネットコンテンツは着々と閉鎖していき、 大手サイトのヤフーやツイッターも、ガラケーへのサービス提供を終了し、 今更ガラケーに戻ってもインターネットで不便を感じてしまうのが原状です。
またBCNが行ったスマホに対する不満調査によると 上位には「バッテリーの持ち」、「タッチ操作や文字入力」があることがわかります。
さて、そんな消費者に向けて新たに開発されたのがガラホです。
ガラホとはガラケーの中にスマートフォン用のOSを搭載した、 ガラケーとスマホの両方の性能を併せ持つモバイル端末です。 簡単にいうと、ボタン式の携帯電話の中身がスマートフォンになっています。
これで面倒だった文字入力がなくなり、ガラケーのように ボタン式でスマホを楽しむことができるようになりました。
バッテリーの面も改良されており、スマホと違って触っていない間は電池がほぼ減らず、 三日ほど充電しなくても使うことが可能です。 また短時間でフル充電可能で長時間使うことが出来ます。
そして、スマホのバッテリーは寿命を迎えると、キャリアショップ出して、 高い費用を払って取替えという手順をふまなければなりませんが ガラホのバッテリーは自分で交換することができます。 電池パックはアマゾンなどで安価に購入でき、電池交換のたびにショップに行く手間がかからなくなります。
しかし、嫌われてしまったガラホ…
あきらかにニーズにあったガラホ。 しかし販売後から現在までイマイチ人気が出ませんでした。
これには主に4つの原因が考えられます。
- ガラケーと比べて料金が高い
- スマホと比べて対応するアプリやゲームが圧倒的に少ない
- ガラケーと比べて本体が重い
- スマホと比べて画面が小さい
ガラホに興味を持ったユーザーのほとんどはガラケー愛好者でした。 ガラケー愛好者は「スマホに比べてガラケーは料金が安いから好きだ」という方が多く、 ガラケーと同じ外見でなのに、スマホと同じ料金プランであるガラホに反感を持ちました。
またスマホと同じ高い料金を支払ったところで、 ガラホではスマホと同じようにアプリやゲームを DLすることが出来ず、機能が制限されていることも嫌厭されました。
そのような悪い印象をもたれてしまいました。
ガラホにはスマホやガラケーにない優れた点がある!
- 文字が打ちやすい(誤字のストレスが減る)
- 電池が長持ち(仕事や災害時に困らない)
- 形状的に通話がしやすい
- LINE、twitter、instagram、フェイスブック対応(流行のSNSで不便しない)
- 対応アプリが増えている(ヤフー乗り換え案内、ねこあつめ、おそ松さん、パズドラetc)
長文のメールを急いで打つときはボタン式のガラホの方が速く対応できます。 フリック操作と違い、確実に文字を指で打てるので誤字も少なくなります。 電池の充電時間が短く、長持ちであり災害時にも安心です。
地震がたびたに起きる日本にとって何より優先したいのは 災害時の備えではないでしょうか。
また最近は対応するアプリも増えています。
しかしこのような情報は消費者や販売店のスタッフの元には届いておらず、 それが売り上げ低迷に反映されているように見受けられます。
せっかく良い機能がある商品だとしても正しい情報を消費者に伝えなくては、 必要としてもらえません。
さらには、デメリットしかない商品という誤った情報まで流されてしまいます。 それを回避するためにも新商品を出すときは、メリットや既存商品との違いを消費者目線でわかりやすく伝えて行く企業努力が必要です。
幻冬舎メディアコンサルティング
小沼 由佳
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