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Airbnbが持つ不動産投資としての魅力は本物か?投資家を悩ます期待と不安

著者:GMCブランド戦略室

国家戦略特区の特例を活用した「民泊」スタート

「Airbnb」「民泊」――近年、注目を集めているキーワードです。 外国人観光客の急増に伴い、国家戦略特区の特例を活用した「民泊」が、東京・大田区と大阪府で今年2016年からスター路しています。

民泊とは、自宅やマンションの空き部屋に旅行客などを泊める仕組みで、米Airbnbのようなマッチング業者が日本でもすでに人気を集めており、国内での登録物件数は1万3000軒を超えているほどです。
日本国内での急激な民泊ニーズの伸びの背景には、訪日外国人旅行客の増加があります。

アベノミクスによる円安やビザの緩和、国土交通省による「ビジット・ジャパン事業」の結果、訪日旅行者が急増。
日本政府観光局(JUNTO)発表によると、2013年に1,000万人を超えた訪日旅行者数は、2014年には1,341万人を記録し、2015年には1,900万人を超える数字が予想されています。
今後オリンピックが開催される2020年に向けて、訪日者数2,000万人を超えると見込まれています。

インバウンドの期待が高まるその反面、ホテル不足が深刻化しており、客室稼働率は全国平均80%を常に超えるという、近年まれに見る最高水準です。
そのホテル不足による宿泊ニーズが、以前からの副業ブームとも重なり、Airbnbを利用して訪日旅行者を宿泊させる日本人が急増しているのです。

旅行する側の視点で見ると、Airbnbはアクセスが良いというだけで高額な宿泊費を請求する古くて狭いホテルと比べ、リーズナブルでアットホームな空間に泊まれるメリットがある制度ですが、部屋を提供する物件オーナー側から見ると、大きなビジネスチャンスと言うことができます。

訪日外国人推移
JUNTO発表 訪日外国人旅行者数の推移

 

Airbnbから考える不動産投資

Airbnbの投資としてのメリットはその”投資効率”です。投資用不動産として貸して家賃を得るよりも3倍程度の収入が得られることもあるようです。
また、旅行者向けということでアクセスが最重要視されるため、従来の居住用マンションとしてはほとんど魅力がない物件も、場合によっては超人気物件になる可能性があります。湯船があるかどうか、上品なデザインかどうかなどは重要ではなく、グループで日本に来た外国人が使いやすいかどうかが重要となるのです。

しかしAirbnbは、いざ始めるとなると、さまざまな不安がつきまとう投資です。

 「外国人旅行客の出入りに関して、近隣住民とのトラブルになることはないのか」
 「賃貸でAirbnb用の物件を借りたいけれど、物件オーナーの承認がもらえない」
 「Airbnbは旅館業法に反していて違法ではという意見もあるが、本当に問題ないのか」
 「英語などの外国語対応やおもてなしに自信がない」
 「本業があるため、問い合わせ対応、鍵の受け渡しや清掃を都度している時間がない」


――これらの不安はすなわちAirbnbのデメリットにつながります。
近隣住民との折衝、オーナーとの交渉、違法性、コミュニケーションや対応に要する労力――

これらのデメリットのうち、英語などの言語の問題、問合せ対応や清掃については代行業者が存在しますので解決が可能ですが、物件オーナーの承認、その他の入居者・近隣住民とのトラブル、旅館業法に関して強い不安を持つ投資家が多いようです。
不特定多数の旅行者が泊まることを不安に思う住人がいることは想像に難くありません。 あらかじめ民泊としての活用をさせない取り決めをした新築マンションを発売する企業も話題を呼びました。

このように、投資としての魅力を感じつつも、デメリットにとらわれて動き出せずにいる投資家が多数を占めているAirbnbですが、業界内で今後どのようなアプローチが登場するのでしょうか。
成功体験者の話が聞けるセミナーや、数字的根拠を盛り込んだ書籍のニーズは早くも盛り上がりを見せ始めています。
Airbnb・民泊は2016年の不動産投資業界注目のキーワードになるのではないでしょうか。

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