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「企業の不祥事事件」その防止策とは?

著者:GMCブランド戦略室

近年、企業の不祥事事件のニュースが止まることなく取り上げられています。
その度に消費者である私達は、驚きながらも、「またか・・・。」と常態化している現状に呆れるばかりです。

不祥事事件が発生してしまう理由はさまざまですが、そもそもなぜ、そういったことが行われ、大々的に取り上げられてしまうのでしょうか。

改めて背景を探りながら、企業はどのような防止策をとるべきであるのかを考察します。

 

 

不祥事事件の背景は、日本特有の利益主義にあり

企業の不祥事を防ぐための内部統制システムに関してまとめている、大塚和成 他著・『内部統制対応版企業コンプライアンス態勢のすべて』によると、

 

―― 日本の企業は戦後から高度成長期にかけて、右肩上がりの経済成長に伴って売り上げ、利益を伸ばしてきた。
しかし、1990年代のバブル崩壊後、今までの成長政策の矛盾があらわになり、民と官の癒着、
経営者や職員のモラルダウン、そしてそれらが引き起こす建設業界における談合や総会野党の闇勢力への利益供与、
食品業界での不当表示といったコンプライアンス違反事例が頻繁にマスメディアに登場するようになった。

こうした事件の背景には、えてして間違った利益第一主義(「儲かればすべて許される」)という日本企業が古くからもっていた体質が見受けられる。
この一つの表れとして、企業の役員の中に「法に触れることでも会社の利益になるのであれば行うことが会社のためである」とい考え方をもった人がいたことも否めない。

高度成長時代においては、社会や環境について多少の犠牲を払っても仕方がないと考えられていた部分は確かに存在した。 しかし、高度成長がおわり、バブルが崩壊し、低成長の時代、深刻なデフレの時代を迎えた。
こうした過程で経済成長ではなく、生活者や消費者、地域社会の視点に立って、本当の豊かさとは何かが問われる社会に変化した。

これにより、企業は環境や社会に対する配慮との折り合いをつけながら、収益をあげていくことを求められるようになった。 だからこそ、今日、不祥事を起こした企業はマスコミの厳しい報道にさらされ、一夜にして社会の信頼・信用を損失してしまうことになる。」(P18抜粋)

 

とあります。 つまり、高度経済成長期では、社会や環境に悪影響を与える行いも多少は黙認されていたものの、
犠牲を払っても大きな利益が見込めないデフレ時代においては、不祥事事件の防止策として、それらに配慮した社会的な企業活動を行うことが求められているのです。

 

効果的な防止策は、社員のモチベーションアップ!

では、こうした現状に対し各企業はどういった防止策を行っているのでしょうか。

多くの経営陣は若手社員の育成に着目し、社員個人と会社の方向性をすり合わせていくために
「自分の会社について知り、誇りをもってもらいたい。」「いま会社が存続していることは、
歴代の諸先輩方の努力があってこそ。これまでの軌跡を知ってもらいたい。」と考えているようです。
そのために、“創業者の教え”や“企業DNA”を振り返る運動、いわば創業者精神を振り返ることで愛社精神を生み出し、モチベーションに繋げようと、口頭や社内での勉強会、資料やクレドを作成し配布するなどの方法をとっています。

また、創業者精神を1冊の書籍にまとめて社員に配布する、“インナー書籍”の活用も効果的です。
上記のように単発的な勉強会やクレドを毎日復唱させるだけでは、社員にとっては「されている感」が強く、浸透させるのに時間がかかってしまいがちです。

しかし、書籍であれば、関係者からのインタビューで創業背景をより深堀して納得のできる展開にまとめたり、
社員参加型のヒアリング取材という方法で自社への誇りを醸成させるといった事が可能になります。
加えて、書籍を営業ツールとして活用したり、デスクに置いたりカバンに入れて持ち歩いたり、
常に身近に置いておくことができるのです。

以上のように、さまざまな企業が、多種多様な方法のなかで最適なものを見極め実施しています。
いずれにしても、押えておきたいポイントは、単なる会社の業績を示すのではなく、
代表の武勇伝をまとめるのではなく、営業として使えるノウハウを記すことや、
末端の社員が納得できるような会社の軌跡をまとめること。

これをきちんと把握しておき、自社に適した方法を検討してみてください。

 

幻冬舎メディアコンサルティング

安井 遥香

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