USPの作り方をステップごとに解説!
自社の製品やサービスの独自のウリをアピールすることで、売り上げを伸ばしている企業があります。こうしたマーケティング戦略のためには、USPというコンセプトを理解して活用することが必要です。そこで、USPの意味とUSPの作り方のステップについて、具体的な事例を挙げてご紹介します。
USPとは
USPとはユニーク・セリング・プロポジション(Unique Selling Proposition)の略で、他社にはないユニークな自社の利点や強みをアピールすることで、顧客をつかんで販売を増やすための概念です。
USPの典型的な例として挙げられるのが、「できたてほやほやのピザを30分で配達!30分以上かかったらピザは無料」をうたったドミノピザや、「お口でとろけて、手で溶けない」をうたったチョコレートのM&Mです。自社の製品やサービスを買うことでどのようなメリットが得られるかを提案しコミットすることで、「xxを買うなら○○がお得!」、また「xxなら~~のメリットがある○○がいいよね」と消費者に思わせるための戦術です。
USPを作るステップ
ではUSPは、どのように作れば良いのでしょうか。USPを作るためのステップをご紹介します。
1.メッセージを送る対象となる顧客の層を特定する
消費者のニーズや要望は多種多様ですから、万人受けするUSPを考えるのは困難です。しかし、ニッチな市場や特定のセグメントの客にアピールするUSPはメッセージが伝わりやすく、効果があります。また特定の層で高い効果が得られれば、その層から他の層への波及効果も期待できます。
2.消費者が抱えている問題やニーズは何かを特定する
ドミノピザの場合は、美味しくてもピザの配達が遅いのは嫌という不満、M&Mの場合は熱いとチョコレートが溶けて手が汚れるという不満が消費にあることに目をつけて、USPを作成しています。
市場にはあらゆる製品やサービスが氾濫していますが、消費者が何らかの不満をもつ点はどこかにあるはずです。この点を、他社の製品の調査やソーシャルネットワークの口コミなども参考にして、特定します。
3.自社の製品のアドバンテージや特徴、他社と違う点を考える
ステップ2で特定した消費者のニーズを満たすために、顧客に約束できるものを考えます。つまり、他社の製品ではなくあなたの製品を買う理由を考え、なければ新たに作ります。またUSPで利用するキャッチコピーとして、自社の製品を買って満足した顧客が、どんな言葉を使って友人に勧めたいかを考えます。
USPの作り方の例
もう少し具体的に、上記のステップをふんでUSPを打ち立てる例を紹介します。これは、既存の製品やサービスではなく、USPを考える過程で新たな付加価値を開発する例です。
A社は、スーツケースを製造販売しています。
まずステップ1で、メッセージを送る対象となる顧客の層を、出張が多いビジネスマンに特定しました。
次にステップ2で、特に海外出張では乗り継ぎ空港でスーツケースが見つからなかったり、宅配サービスを頼んだスーツケースが今どこにあるのか知りたいというニーズがあることに目をつけました。
そしてステップ3で、そのニーズに対応するためGPS付のスーツケースを開発し、「絶対に紛失しないスーツケース」というコンセプトをアピールする宣伝戦略で、顧客をつかんでいます。
USPとなるアピールポイント例
自社の製品やサービスによほどの特徴がなければUSPを作るのは難しいと考えるかもしれませんが、もう少し簡単に考えてみましょう。自社の製品やサービスには、アピールできる次のような特徴はないでしょうか。値段や機能だけでなく、便利に使えるといった利便性にも目を向けましょう。
- ネットショップに宅配サービスをつけられる
- 配達料を無料にできる
- 無利子で分割払い可能
- 同種の他製品よりも低カロリー
- アンチエイジング効果がある
- 1週間で効果が目に見える
- 値段が他社の同品質のものより安い
- 品質が他社の同じ値段のものより良い
- 他社の製品よりも操作が簡単
- 他社のサービスよりも迅速
- 満足できなかった場合の返金が保証できる
いずれの場合も、値段がいくら又は何%安いのか、何時間・何日などどれだけ迅速にできるのか、カロリーはどれだけ低いのか、どのように簡単に操作できるのかなど、数字を挙げて具体的に示すこと、またはっきり約束できるものであることが重要です。
その他にアピールできる利点として、xx年の実績、顧客数xxといった実績や受賞暦などを使うのも有効です。ただそれだけだとインパクトがないので、上記のポイントも組み合わせて使う必要があります。
現在アピールできるものがない場合は、上記を参考にして販売戦略をたてなおしたり、新製品や通常ない新しい付加価値をつけたサービスを開発してみてはいかがでしょうか。
USPは大企業だけのものではありません。例えば大企業は決定ルートが複雑で遅いのに対して、中小企業はスピーディーに対応できるという大きな利点があります。他社に対して差別化できる何らかのポイントを見つけるか、なければ新しく開発して自社のUSPを打ち出し、販売を大きく伸ばしましょう。
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