広告規制で集患に悩むクリニック…「書籍出版」の活用が有効である理由
医療業界では、広告に対する規制が厳しくなり、PRの方法が狭まっています。そのような状況下で、改めて「本当に患者が求めていること」に目を向けてみると、書籍出版を活用したPR戦略が有力な選択肢としてあがってきます。
広告だけではなく、医院のホームページも規制対象に
医療に関する広告は「医療法6条」で厳しく規制されています。「絶対効きます」「必ず治ります」などは書けません。また、「国内No.1」などの誇大広告や、体験談やビフォー&アフター写真もNGです。ここ数年で、効果実績のある宣伝活動はすべてといっていいほど禁止されてきました。この規制は広告だけでなく、医院のホームページにも適用されているため、集患に頭を悩ます医院は少なくありません。
集患の抜本的な改善策を求めた結果、「書籍出版」という解に辿り着いたのが眼科医療におけるエキスパートが数多く所属する「中京グループ」のサポート企業、「株式会社中京メディカル」です。
同社がまず立ち返ったのが、「そもそも、人々はどのように病院を選んでいるのだろうか?」という本質的な問いでした。メディケア生命保険が実施した「病院選び・医者選びに関する調査2019」によると、受診する病院を選択する際のポイントとして、「病院の評判」(62.6%)が最も高く、次いで「近所、行きやすさ」(50.0%)、「医師の評判」(39.8%)、「医師・スタッフの対応の丁寧さ」(31.8%)となりました。
病院や医師の「評判」こそが受診を決める際のポイントになるということです。しかし、これを直接的に伝える体験談などの広告手法は法律で規制されています。そこで、評判の源泉となるものは何かを考えたとき、それはやはり医師自らの考えや強み、技術などを実直に伝えていくことが重要であり、そのための確実な手法として「書籍出版」という解が浮かび上がりました。
「書籍」の出版は、医師や医院のブランディングに有効
現在、同社では白内障についての書籍を数冊出版しており反響を得ています。制作段階での工夫としては、「約8万件の白内障手術を執刀してきた、日本トップクラスの白内障専門医が、手術の種類やその適性、多種多様なレンズの種類まで紹介している」ことを訴求。「よく見える目」を手に入れたい人に対し、情報を余すところなく解説する本に仕上げました。
白内障といってもその人の症状の進行度や近視、遠視、乱視といった目の状態により、手術法やレンズも違います。またそれだけでなく、生活スタイルや目の使い方に合った「よく見える」とはどういうことなのかは患者にしかわかりません。だからこそ正しい知識を持ち、医師ときめ細かく相談しながら最適な手術法とレンズを選ばなければ、自分の望む視力を取り戻すことはできないことを伝えました。
書籍出版を活用したブランディングで、安定した「集患」を実現
正しい情報を正しい人たちへ届けるために、編集戦略と併せて流通戦略も抜かりなくおこないました。通常ならば、書店において『医学書』のコーナーに置かれるものですが、あえて、一般の『家庭の医学』のコーナーに置きました。その結果、多くの一般の人々が目にするようになり大きな反響を呼びました。さらに、白内障についての大規模プロモーションを書店内で図ってもらうことでロングセラー書籍としての位置づけを獲得。認知度向上で、健康誌などでも多数取り上げられ、NHKのプロデューサーの目に留まり、番組制作につながりました。
このように、医師が正しい情報を発信して患者から共感を得ること。そうすることが集患につながり、実績が増え、ひいてはさらなる「評判」の醸成につながるのです。