書籍出版で「シニア世代の働き方」を啓蒙し、ブランディングに成功したコンサルティング会社

働き方改革への取り組みとして、シニア層の活用が進められています。人々の寿命、健康を取り巻く環境が日々変化している中で、企業がより発展していくためにはシニア人材の活用が不可欠です。今回はシニアの活躍について社会的意義の啓蒙とその方法を書籍化して成功した事例をご紹介します。
シニア世代の働き方を考え、事業の本質も伝えていきたい
働く意欲と能力のあるシニア層がいつまでも働くことのできる社会を構築すること。これは今の日本の切迫した課題となっています。
「株式会社CN総合コンサルティング」はかねてよりこのテーマに取り組み、問題を解決していました。同社の代表取締役社長中原千明氏は、人材開発および人事マネジメントに関し幅広い見識を持つだけでなく自らがシニア人材を活用し、業績を上げていたのです。
中原氏はその経験と強い思いを書籍出版という形にし、シニア世代を活用する「社会的なメリット」を訴えようと考えました。自社にとっては当たり前のサービスであっても、書籍という方法で言語化して多くの人に知ってもらうことによって、社会問題の解決に繋がり、それが自社の大きな発展に寄与する可能性を感じたのです。
シニア人材を雇用する「メリット」ばかりではなく「デメリット」にも言及
書籍制作段階で工夫したことは『シニア人材という希望』というポジティブなタイトルで前向きさを出したこと。とはいえ、シニアを雇用するメリットばかりを書いたのかというとそうではなく、デメリットもはっきり書いた上で、「それでもシニア人材を雇用するメリット」を説きました。
流通では、ビジネス書の販売好調店や同社の顧客母数の多いエリアへ集中的に配本。日本経済新聞3段1/8広告を複数回実行することで、ビジネスマンの脳裏に深く刻まれることになりました。
出版後、新規のコンサルティング案件が増加
結果、本業であるコンサルティング案件が新規で増加の一途をたどっています。「書籍」を出版することで事業の本質と「真の強み」を伝えることができたのです。
また、シニア人材や経営者というジャストターゲットだけではなく、定年前の早い段階から自身の将来を考えることに加え、シニア人材をマネジメントする観点を持つことの重要性について一般の読者にも啓蒙できました。
どのような業種でもブランディングは重要です。書籍は一冊で数多くの情報を伝えられるため、自分たちの強みや商材について理解を得るには最適なツールとなるのです。