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黒字化対策を知る! 赤字を黒字に転換させるためのステップを徹底解説

著者:幻冬舎メディアコンサルティング 編集局・部長 伊藤英紀

企業経営には波があるものです。会社を取り巻く環境の変化で、それまで黒字だった事業が、赤字に転落することは珍しくありません。あるいは起業して日が浅く、赤字が続いているということもあるでしょう。いずれにしても、赤字が続けば企業経営は成り立ちません。早急に黒字化への転換を目指し、経営改善に取り組む必要があります。

黒字化とは?

「黒字」や「赤字」いう言葉は、ビジネスパーソン、特に経営にかかわる人なら当然知っていると思います。黒字とは、収入や収益が支出や費用を上回って剰余が生じている状態、または剰余そのものです。赤字とは、支出や費用が収入や収益を上回り超過した状態、または超過額そのものを指します。赤字状態が続くと経営破綻につながりますので、黒字転換を図らなければなりません。黒字化とは、マイナス収支(赤字)からプラス収支(黒字)に転換することです。

黒字化するためには?

企業が赤字になる原因はさまざまですが、大別すると外部環境と内部環境の2つに分けられます。前者は、市場、顧客、競合他社、為替、株式、金融機関などが関連し、後者は、商品力、営業力、生産、人材、財務などが関連します。これらのうち何かしら(複数の場合も少なくありません)に問題があり、それに起因して、売り上げが減少したり、コストが増大するなどして赤字に陥るのです。

黒字化するためには、主に3つの改善に取り組む必要があります。「売り上げを増やす」「仕入れなどの原価を削減する」「経費を減らす」です。

しかし、売り上げが増えたものの利益が出ないとか、原価や経費を減らしたけれど赤字から脱却できない、ということもあります。なぜ、売り上げを伸ばしても利益が出ないのでしょうか。それは、売り上げと利益は、比例関係にはないからです。不思議に感じるかもしれませんが、売り上げは増えたものの、利益は減ることもあるのです。

赤字から黒字化へ転換するための重要なカギを握るのが、「限界利益」の管理です。限界利益とは「限界利益=売り上げ-変動費(原価)」で算出されます。「粗利益」と言い換えてもかまいません(厳密には異なりますが)。変動費とは、売り上げに比例して増減するもので、代表的なのは商品を仕入れた代金や材料費、外注費などです。

限界利益は、会社にとって重要な利益の源泉となるものです。限界利益が多いほど固定費(売り上げとは関係なく発生する家賃や人件費など)を賄う原資が多く、利益が出やすい会社だといえます。つまり、経営を黒字にするには、固定費よりも限界利益が多くなればいいのです。

「黒字=限界利益>固定費」 「赤字=限界利益<固定費」

ということです。

限界利益と似た言葉に「限界利益率」があります。これは売上高に対する限界利益の比率のことです。「限界利益率=限界利益÷売上高」となります。限界利益率が高い会社ほど、売り上げの増加がそのまま利益の増加となります。逆に、限界利益率の低い会社は、売り上げが増加してもなかなか利益が増加しません。

黒字化する方法

赤字を黒字化する方法として、大まかに次のようなステップを踏みます。

まず現状把握です。赤字は、売り上げよりも支出が上回っている状態ですから、対策としては売り上げを増やすか、支出を抑えるかの2つしかありません。どちらにせよ会社の「収支分岐点(収支分岐点売上高)」を把握することが大事になります。収支分岐点売上高とは、収入と支出が均衡する売上高のことです。つまり、赤字にならないために最低限必要な売上高ということです。「収支分岐点売上高=(固定費+必要利益<借入元金返済額など>)/限界利益率」で計算できます。

売上高を増やすためには、新規顧客の開拓や既存顧客への販売数量アップなど多くの営業努力が必要ですが、その際に留意したいのが先ほどの「限界利益率」です。たとえば、商品Aと商品Bの2種類を販売しているとします。それぞれの限界利益率が次のようになっているとしましょう。

商品A商品B
売上高1000万円2000万円
変動費400万円1200万円
限界利益600万円800万円
限界利益率60%40%

商品AとBを比べると、Bの売上高はAの2倍ありますが、変動費の違いで、限界利益率はBのほうが低くなっています。したがって、黒字化のために売り上げを伸ばし利益を増やしたい場合は、Aの売上高を伸ばすほうが効率的といえます。

黒字化のためには、売り上げを増やす一方で、支出を抑えることが大切になります。つまりは経費削減です。経費には変動費と固定費がありますが、それぞれについて細かくチェックし、一つひとつを見直して減らしていくことが大事です。たとえば、原料の仕入れについて納入業者と交渉して値下げで切れば、変動費を引き下げられます。そのほか、不良在庫の削減や、生産ロスの減少などさまざまなコスト削減策が利益増につながります。

売り上げアップも経費削減も全社一丸となって取り組むことが大事です。会社として黒字化に向けた目標設定、具体的な施策を設けたら、社員全体を巻き込んで、「P・D・C・A」サイクルで回していきましょう。PDCAのサイクルを回していくことが、黒字化の目標を単なる目標で終わらせることなく、黒字化を実現するための大事なポイントになります。

なお、売り上げをアップして黒字化につなげる施策として、「本」を活用する方法も効果的です。企業出版は「営業先の新規開拓」「集客強化」といった点で非常に強く、広告としての機能もあります。本来、企業出版と広告は別ものですが、結果的に企業出版は広告以上の効果を発揮するケースも少なくありません。

広告の場合、視聴者や読者はたまたま目に入った広告を見るという「受動的」な行動になり、それも数秒から長くて数分程度です。一方、書籍との出合いは、書店に自ら足を運んで主体的に探すという「能動的」な行動であり、読了するのに通常は数時間かかります。経営の黒字化を目指し売上高を増やす施策として、書籍の活用も検討する価値が十分にあるといえます。

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