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リブランディングとは? 成功の秘訣を徹底解剖

著者:幻冬舎メディアコンサルティング 編集局・部長 伊藤英紀

ビジネスの世界では近年、「リブランディング」という言葉が注目されています。しかし、直訳から大枠の意味は連想できても、正確に理解している人は少ないのではないでしょうか。本項では、リブランディングの意味や目的、その方法について解説します。

リブランディングとは?

リブランディングとは、「ブランディング」に「再び」を意味する英語の「re」がついた言葉で、ブランドを再生、再構築することをいいます。

会社の既存ブランドが、社会や顧客の購買傾向の変化に伴って時代にそぐわなくなってきた場合、ブランドを見直して再生する必要がありますが、リブランディングとは単なる再生ではなく、ブランドが培ってきた歴史の上に、新たな歴史を付加するという性質を持ちます。間違ったリブランディングを行うと、新しい顧客はもとより、これまでの大切な顧客も失いかねないので慎重に進めることが重要です。

リブランディングの目的

どんな企業にもブランドは存在します。高級ブランドや有名ブランドだけがブランドではありません。B to B企業や中小企業も例外ではなく、あらゆる企業のあらゆる商品・サービスにおいて、ユーザーや顧客に対して伝えるべき魅力があるはずです。

一方で、ブランドは時代とともに陳腐化してしまいます。したがって長年培ってきたブランドも、適切なタイミングでリブランディングすることが必要です。有名ブランドや老舗ブランドが支持され続けるのは、基本的なブランドイメージは変えることなく、商品やサービス、アピール方法を時代に適合させているからです。中長期的な観点で、ブランドを維持・成長させていくためにも、リブランディングは不可欠といえます。

リブランディングのメリット

リブランディングには、新たなブランドを立ち上げるのに比べて、既存のブランド資産を活用できというメリットがあります。ゼロの状態からブランドを認知させるには大きな資金や労力が必要になりますが、それらを大幅に節約できます。

ブランドは企業にとって大事な資産です。いまは低迷しているとしても、安易に廃止するのではなく、できる限り有効活用するべきです。リブランディングでブランドを再生し、中長期的視点で育てていけば、次の時代に向けて強い武器になります。

リブランディングのタイミング

企業がリブランディングに踏み切るタイミングはいつでしょうか。それは企業のブランド戦略と、市場との間でミスマッチが起こっているときです。ミスマッチにはさまざまなものがありますが、市場環境の変化が代表的です。長い間受け容れられていた商品やサービスが、だんだん受け入れられなくなることがあります。原因はいろいろで、競合ブランドの台頭や新技術の登場で相対的に価値が陳腐化するほか、新ジャンルの登場で一つの市場そのものが衰退することもあります。

ユーザーや顧客の価値観も時代とともに変わっていきます。年齢や社会構造の変化で、好みだったブランドの魅力が衰えて見えることは珍しくありません。こうした場合にはブランドが提供する価値やポジションを見直す必要があります。

リブランディングの進め方

リブランディングを行う際には、まず現在のブランドの置かれている状況や問題点を正確に把握・理解する必要があります。そのために、現在のブランドイメージ、業界での立ち位置などを分析します。3C分析やSWOT分析などのフレームワークを活用し、「自社の現在の市場でのポジショニング」「競合会社のポジショニング」「自社の強みと弱み」「差別化の方向性」などを評価します。

評価の結果、たとえば商品やサービスが顧客に支持されなくなっている場合、ポジショニングの変更を検討します。若者向けだった商品を、中高年層にターゲットを変えたり、業務用商品を一般消費者向けにアレンジすることも考えられます。一方、商品やサービスに問題がない場合は、ロゴやデザインを変更するだけで十分な効果が得られることもあります。人気を博すデザインは時代によって変わります。

リブランディングの手法として、「本」の出版も検討の余地があります。書籍という媒体の最大の特徴は、社会的な信頼性の高さです。誰でも簡単に発信できるWEB情報と異なり、出版社や編集者、校閲者といったプロの手を通じ、その責任のもとで制作されるため、情報源としての信頼性が高く、リブランディングにおいても有力な手法となり得ます。

企業がブランディングの一環として目的をもって行う「企業出版」が具体的な手法になりますが、「営業先の新規開拓」「人材採用」「集客強化」「企業の認知度アップ」「商品・サービスの認知度アップ」「競合他社との差別化」など、企業の抱えるさまざまな課題の解決に絶大な効果を発揮します。自社のリブランディングを検討している企業は、「企業出版」による「書籍ブランディング」も一つの方法として検討してみてはいかがでしょうか。

リブランディングの成功事例

以下ではリブランディングに成功した企業の例をいくつか見ていきましょう。

成功事例①虎屋
老舗企業のリブランディングの成功例として有名なのが、和菓子の虎屋(とらや)です。室町時代から続く日本を代表する老舗ブランドの一つですが、パリへの出店やカフェ「TORAYA AN STAND」の展開など、時代に合わせて常に新しいことに挑戦し続けています。

成功事例②祇園辻利
1860年創業の京都の老舗茶屋です。商品の包装を、折り紙をモチーフとしたパッケージにリニューアルし、また過剰包装ではないエコデザインを採用するなど現代にマッチしたパッケージとなっています。2011年度のグッドデザイン賞を受賞し、大きな話題を呼びました。

成功事例③湖池屋
ポテトチップスの老舗メーカー湖池屋は、2016年の新社長就任を機に原点に立ち返るとともに、リブランディングを実施しました。それを象徴する商品として2017年に新発売したのが「KOIKEYA PRIDE POTATO」です。従来のポテトチップスとは一線を画した商品パッケージを採用するなどして大ヒット。リブランディングで大きな成功を収め、社内活性化にもつながりました。

このほか、リブランディングの成功事例としては、エリエール、メニコン、ダイワハウス、ヤンマー、ニコンなどが有名です。

まとめ

リブランディングを成功させるのは決して簡単なことではありません。一定の資金や労力がかかるほか、失敗のリスクもあります。しかし、現在のブランディングに問題があると感じているならば、真っ先に検討すべき事項のひとつです。企業出版の活用など、書籍制作に一定期間はかかるものの即効性のある手法もありますので、具体的な検討に着手することをおすすめします。

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