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出版コンサルタントとは? 無名でも本を出版するためのポイントを徹底解説

著者:幻冬舎メディアコンサルティング 編集局・部長 伊藤英紀

著名人ならまだしも、一般的には無名の状態から本の出版を目指すとなると、専門家である出版コンサルタントからのサポートが必要な場合がほとんどです。ただ、出版コンサルタントの世界は玉石混交で、費用ばかりとってほとんど何もしないような悪質なコンサルタントも存在しています。そんな「出版詐欺」に引っかからないためにも、出版コンサルタントと、出版業界のコンサルティングの実情について、知っておく必要があります。

出版コンサルタントとは?

自らの本を出版することに関心を持ち、ネット上で検索をかければ頻繁に登場するのが、「出版コンサルタント」「出版プロデューサー」「ブックコンサルタント」「出版コーディネーター」などという言葉です。

呼び名がたくさんあってややこしいですが、これらは出版社と著者との橋渡しをして、本を出すためのサポートしている企業または個人事業主を指しています。なお、この記事では呼び名を「出版コンサルタント」で統一して進めていきます。

改めて出版コンサルタントとは、書籍の出版を目指して総合的なコンサルティングを行う仕事です。一般にはなかなか接点のない出版業界ですが、その情報に精通し、業界内の幅広い人脈を生かして、本を出したい人と出版社との橋渡しをするのが出版コンサルタントの主な役割といえます。

出版コンサルタントと名乗って活動している人の多くは個人または個人に紐づいた会社であり、基本的にはその多くが「商業出版」を目指しています。一方で、出版社自身もコンサルティングサービスを行っていますが、それは「自費出版・企業出版」のサポートサービスであることがほとんどです。ここで商業出版と自費出版・企業出版の特徴をまとめておきます。

①商業出版
出版社が制作費を負担して書籍を出版する方法です。書籍の販売により利益を上げるのがゴールで、「何冊売れるか」が重要ですから、基本的に出版社は売り上げが見込める場合にしか出版を行いません。出版コンサルタントの仲介があっても、確実に本を出せるわけではありません。

②自費出版・企業出版
著者が制作費用を負担して書籍を出版する方法です。確実に本が出版でき、出版社によって書店に流通します。すでに社会的な信頼を得ている出版社であれば、騙されるようなこともありませんが、出版費用を中心にコストがかかります。

出版コンサルティングを受けるメリット

出版コンサルタントでも、出版社のコンサルティングサービスでも、「書籍を形にしていく」という点は同じであり、メリットやノウハウも似通っています。ここで、出版コンサルティングを受けるメリットをまとめておきます。

①「反響のある書籍」にするためのアドバイスを受けられる
せっかく書籍を出すのなら、「売れる本」にしたいと思う人は多いでしょう。ただ、書籍は年間7~8万タイトルも出版されており、その中で無名の新人がヒットを飛ばすのは簡単なことではありません。近年のトレンドに精通した出版のプロからのアドバイスにより、構成、タイトル、デザインなどあらゆる点を「反響あるもの」に磨いていけるのは、大きなメリットといえます。

②企画立案の手助けをしてくれる
独自の経験やノウハウ、伝えたい考えや思いはあっても、それを言語化できなければ企画ができません。出版コンサルタントは、「何を書けばいいかわからない」という状態からでも、ヒアリングを通じて著者の思いを言語化していき、書籍にまとめていくための手助けをしてくれます。

③時間と労力を短縮できる
書籍を形にするためには、文章を書く以外にも、編集、校正、デザインなど、たくさんの作業があります。さらに商業出版を目指すなら、企画書を作って出版社に営業にいき、企画を通さなければなりません。これらすべての業務や手配を自分一人で行おうとすると、大変な手間と時間がかかります。コンサルティングサービスを活用すれば、こうした作業をプロに任せることができます。

④専門のライターに依頼ができる
出版にあたっての大きな壁となりがちな原稿作成ですが、その出版コンサルタントが抱えている専門のライターに依頼することが可能です。別途費用が発生しますが、プロのライターが取材により書くべき内容を抽出し、質の高い原稿にまとめてくれます。

こうしたメリットが見込める一方で、デメリットを挙げるとするならやはりコスト面でしょう。

出版コンサルティングを受けるデメリット

出版コンサルティングの費用は、提供しているサービス内容や実績などによって大きな差があります。中には200万、300万円という費用をとっているコンサルタントもいます。それで確実に商業出版にたどり着くならまだしも、中には企画の売り込みだけで終わってしまうケースもありますから注意が必要です。

ちなみに出版社による自費出版・企業出版にかかるコンサルティング費用は、自費出版・企業出版の制作費や出版後のプロモーション費用などに含まれていることがほとんどです。有名な出版社から必ず書籍が出版できるという点をどのように評価するかで、費用に対する意識も違ってくるかもしれません。

なお、コストに関して「本が売れた印税で回収すればよい」と思う人もいるかもしれませんが、どれほど名うてのコンサルタントを雇ったとしても、無名の著者の書籍がいきなりベストセラーになる可能性は、正直高くはありません。出版そのもので利益を出すよりも、ブランディングや認知度の向上を目的として出版を検討するほうが、成果を上げやすいでしょう。

「実績」と「サポート範囲」で、有能なコンサルタントを見抜く

玉石混交の出版コンサルタントの中から、コストに勝る働きをしてくれる、有能な相手を見つけるにはどうすればいいでしょうか。

まず注目してほしいのは、実績です。これまで何冊の商業出版を手掛けてきて、代表作はどれくらい売れたのか。誰もがその名を知る出版社との取引実績は何社あるか。そうした点が、事実としてきちんと確認できるコンサルタントを探すべきです。ウェブサイトに、代表作の表紙写真や出版社名がしっかりと掲載されているかどうかをチェックしましょう。

中には商業出版が実現しなかった場合には、費用を全額返金するというコンサルタントもいますが、名も知れない小さな出版社から1000部に満たない冊数を出版しても「商業出版の実現」には違いなく、その際には当然費用は返ってはいません。より影響力のある出版社から書籍を出したいなら、大手との取引が実際にどれくらいあるかを確認しておきたいところです。

もう一つ重要なのは、コンサルティング業務の範囲です。企画書の作成と出版社への売り込みまでは、ほとんどのコンサルタントが請け負っているはずですが、出版が決まった後のフォローアップ、例えば原稿執筆のアドバイスや出版後のプロモーションまで手掛けているような場合には、サポートが手厚い分だけ費用が高くなります。逆にいうと、あまりにも費用が安いなら、その分サポートの範囲が狭い可能性があり、「安物買いの銭失い」になりかねず、気を付けなければいけません。

コンサルティングを依頼するなら、それなりの予算をとり、実績があってかつ総合的なサポートをしてくれるコンサルタントを選ぶことをおすすめしますが、ブランディングや販促など、何らかの目的をもって出版を行うのであれば、そのコンサルティングを併せて行ってくれる企業出版専門の出版社を活用するほうが賢明です。

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