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「不良品が多い工場。原因は地盤にあり」と断じた企業の真の狙いとは?

著者:GMCブランド戦略室

中小企業が他社との差別化を図るうえで、ターゲットを絞り込み、少数の強いニーズを捉える「ニッチビジネス」は有効な手段です。ただし、限られたターゲットが対象となるだけに、必要とする人に認知してもらうことが重要となります。今回は、書籍出版を活用し、特定分野における「リーディングカンパニー」としての地位を築いた事例を二つ紹介します。

そもそも知られていない「工場の地盤沈下」という大問題

一つ目の事例は「アップコン株式会社」です。同社は、地盤沈下などで沈んでしまった工場等の床に特殊ウレタン樹脂を注入し、元のレベルに戻す「アップコン工法」を取り扱っています。床の傾きまで自在に修正する工法であり、「工期が短い」「大型機器の設置が不要」といった独自のメリットがあります。

同社のターゲットとなるのは、工場の地盤沈下や床の傾きに悩んでいる企業ですが、そもそも「工場の地盤沈下や床の傾きという問題が認知されていない」ということに課題を感じていました。

当時、工場で不良品が増えている原因として、「床に問題があるのかも?」と考える企業は多くはありませんでした。このため同社が新規受注をするには、工場で不良品が多い場合、その原因が床の沈下や傾きにあるというケースが多数存在し、その解決方法として「アップコン工法」が有効だと伝える必要があったのです。

そこで同社は、『不良品が多い工場の原因は地盤が9割』という書籍を出版しました。まずは「地盤の沈下や傾きに伴うリスクについて知ってほしい」というスタンスで内容を構成し、水平な床が持つ本来の機能を取り戻す方法として、アップコン工法を取り上げたのです。

分量が限られ、断片的なコピーだけで勝負しなければならない広告とは違い、書籍ならではのボリュームを活用することで、工場で不良品が増える理由としての「地盤の問題」を十分に掘り下げ、その解決方法としてのアップコン工法の優位性を明らかにすることができました。書籍には実際の改善事例を多数交えることで、既存の工法との差別化にも成功したのです。

書籍の出版後、工場の経営者などから大きな反響がありました。不良品が増える原因としての「床の問題」について、書籍で初めて気づきを得た工場経営者も多く、すぐに複数の大型受注につながったのです。

話題の書『ブラック保育園のリアル』を仕掛けたのは…

二つ目の事例は「株式会社アイギス」です。同社は、幼稚園や保育園などの経営コンサルティングを主な事業としています。対象を絞り込んだニッチな事業であり、認知度の向上は簡単ではありません。経営者という限られたターゲットへのアプローチが必要であること、転々と存在する幼稚園や保育園に営業しなければならないことも、新規クライアント獲得を難しくしていました。

株式会社アイギスが出版したのは『ブラック保育園のリアル』という書籍です。印象的な「ブラック保育園」というキーワードをタイトルに入れ込み、保育園の現状や問題点に切り込む内容で、まずは多くの読者を獲得し、同社の知名度向上を図る戦略を取ったのです。

新聞やテレビなどで待機児童の問題が取り沙汰されているタイミングで出版したことや、小さな子供を持つ母親が購読する媒体を中心に広告展開したことにより、実際、多くの注目を集めることに成功しました。

書籍の実売部数も大きく伸び、いわゆる「話題の本」となった結果、多数の新規コンサルティング案件の成約につながりました。書籍読者からのセミナー依頼も殺到し、『ブラック保育園のリアル』の出版以降は、この書籍を軸に営業活動を行うようになったほど、同社の認知度を高める有効なツールとなったのです。

これら二つの事例のように、たとえニッチな分野でも「この問題を解決するなら、この会社」というブランド認知さえ確立できれば、新しい顧客を獲得していくことができます。

企画や編集、流通、そして広告の力を生かすことのできる書籍だからこそ、「こんなサービスがほしかった!」という見込み顧客に的確に情報を届け、認知度向上を実現する有効な手段となり得るのです。

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