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目的によって変えるべき周年事業のコンセプト作りについて

著者:GMCブランド戦略室

周年事業の考え方は、どの年も、どの会社も同じものだと思っていませんか?経営戦略が異なるように、周年事業のコンセプトも企業ごとに変わります。これからの会社の未来を明るくするためにも、コンセプト作りの考え方をきちんと知っておきましょう。

なぜ周年事業のコンセプトはそれぞれ違うのか?

周年事業のコンセプトが会社によって変わるのは、目的や対象となるターゲットが異なるからです。周年事業では、いわば企業資産を掘り起こすチャンスであり、現状では足りないものを再発見するために、従業員のモチベーションを刺激したり、各種プロモーションを活用したりします。

業績向上のために必要な考え方を間違えると、周年事業が単なる記念イベントで終わってしまうこともあるため、何を目指すのかという目的を明確にして、共有することが大切です。例年通りに行って良いものではないので、創業年数や会社の現状によって、周年事業のコンセプトをきちんと設定する姿勢が求められます。

周年事業の目的はどうやって決まっていくのか?

業績向上のために必要な事柄を見つけ出すのが、周年事業において大切なことです。過去の周年事業プログラムと同じ内容では、現状の問題とかけ離れてしまっている危険性もあり得るので、会社の強みや問題点を踏まえた上で、周年事業の目的を決めていきましょう。

以下では、目的に応じたアプローチ方法を3つご紹介します。

ブランドのイメージアップを図る

企業の価値を高めたい周年事業であれば、企業資産を伝えるための効果的な演出を実施しましょう。周年記念式典や祝賀会、表彰式、その他各種セレモニーの企画・運営が挙げられます。

心機一転を目指す

会社関係者へ新たなコミュニケーションを図る場合は、歴史と未来を繋ぐクリエイティブな企画が求められます。周年ロゴ作成や記念広告の掲載、特設Webサイトの制作、PR活動などがおすすめです。

社員の意識改革を行う

従業員のモチベーションを高めるためには、会社や事業に愛着と誇りを持ってもらう働きかけが必要です。社史や記念映像、歴史的アーカイブなどの企画・制作を検討しましょう。次世代担当者の負担を考えて、周年事業の資料をデータベースで管理しておくのも良いでしょう。

周年事業のコンセプト作りの事例

ここではコンセプト作りを行うにあたり、出版を検討した企業のトップインタビューをピックアップします。

事例1:風土が育んだモノづくりの伝統と文化を発信!

飛騨産業株式会社 代表取締役社長 岡田贊三氏

・書籍出版の目的

文化は「モノづくり」から始まります。「飛騨の匠」の歴史を脈々と受け継いできたこの土地で、私たちがきちんとした「モノづくり」に取り組むことは、飛騨の木工文化を活性化させ、さらに日本の木工文化を支えることになります。

私たちは、日本のモノづくりの心を世界へ発信できるような企業をめざして、社員全員で一歩ずつ前へ進もうとしています。

そんな背景の中、飛騨産業は2010年に創業90年を迎えました。それを記念し、社史ではなく、飛騨の文化と私たちの思いを発信するブランドブックを出版したいと考えました。

(幻冬舎メディアコンサルティング 「クライアントインタビュー」より引用 https://www.gentosha-mc.com/interview/4344996909/

周年事業のコンセプトを見出したきっかけは、企業の在り方を改めて見つめ直したことです。モノづくりへの思いをより多くの方々に知ってもらうためには、社史よりもブランドブックのほうが親しまれやすいのでしょう。過去と現在、そして未来に向き合ってみると、周年記念という節目の年にやるべき内容が明確になります。

事例2:単なる「ソニー生命宣伝本」に勝る効果を実感

ソニー生命保険株式会社 執行役員 常務 ライフプランナー営業本部リクルート戦略担当 橋本眞史氏

・書籍出版の目的

私たちソニー生命は、生命保険業界に「ライフプランニング」すなわち、「戦略的な人生計画を持って、自立的な生き方をしよう」という考え方を持ち込んだ、第一人者だと自負しています。

30年前の創業当時は他律的な生き方が主流であり、馴染みがなかったこの考え方が、30年後の現在、国民皆が経済的安定を図る上で必要不可欠なものとなっています。そして、そのサポートを「ライフプランナー」が行うことが、創業当時から変わらぬ、私たちの目指すところです。

今回創業30周年にあたり、社会への問題提起の意味で書籍の出版を、という話が持ち上がったとき、私達の伝えたいメッセージである、「ライフプランニング」の重要性に共感して頂ける著者の方に執筆をお願いしたいと考えました。

(幻冬舎メディアコンサルティング 「クライアントインタビュー」より引用 https://www.gentosha-mc.com/interview/434499695x/

自社の考え方に理解のあるパートナー選びも重要です。言葉のニュアンスを汲み取り、文章で表現してくれる著者・編集者とともに書籍を創り上げていけば、自社の強みをより正確に捉えられます。また、宣伝ではなくメッセージとして発信したことで、社会への問題提起につなげられました。

周年事業のコンセプトを話し合うだけではなく、何かしらの「かたち」に残すことも大切です。会社の幹となる部分を今一度見直し、社史や記念映像といったツールを用いてコミュニケーションを図りましょう。

目的がきちんと定まっていれば、埋もれてしまいがちな企業資産を掘り起こせます。企業にかかわる方々と一致団結して、会社の明るい未来に繋げられるようにしましょう。

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