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企業の「イメージ戦略」とは?そのメリットと意外な展開法

著者:幻冬舎メディアコンサルティング 編集局・部長 伊藤英紀

消費者の購買行動を大きく左右する、企業/商品イメージ。そのブラッシュアップを図るために練るべき戦略とは? 本項では、イメージ戦略の展開法について具体例を交えながら紹介していきます。

企業に競争力をもたらす「イメージ戦略」

「商品やサービスの売上が伸びない」という悩みを抱えている中小企業の経営者は「イメージ戦略について知恵を絞る時間」を増やすとよいかもしれません。

戦後の日本経済躍進を支えた多くの企業は質実剛健で、商品のイメージより中身を重視してきた傾向があります。しかし近年の消費者はインターネットなどを通じて情報を取捨選択しているため、イメージ戦略は非常に重要になっています。むしろ「中身さえしっかりしていれば、外見はどうでもよい」という大雑把な考え方では、厳しい競争環境のなかで取り残されてしまう可能性があります。

世間を見渡すと、イメージ戦略に長けた企業は数多くあります。例えば家庭向けデジタル製品業界において大きなシェアを占めるアップル社は、そのスマートな商品デザインでガジェット好事家から支持を集めてきました。クールなプロモーション展開にも定評があり「アップルユーザー=おしゃれな人」というイメージを定着させることに成功したのです。もちろん、同社の商品開発力が優れているのは確かでしょう。しかし数多くの競合がひしめく中、世界各国で不動の地位を築いた一因に、イメージ戦略が挙げられることは間違いありません。

イメージ戦略によりもたらされるメリット

こうした世の流れを受け、商品やサービスのクオリティ担保はもちろん、イメージ戦略に力を入れる企業は増加しています。どのようなメリットがもたらされるのか、具体的に見ていきましょう。

①優良顧客を育成する
「自社の商品を、こんな人に使って欲しい」というイメージを上手に打ち出すと、共感を覚える消費者が増加します。商品の中身さえきちんと伴っていれば、継続利用する優良顧客も増えていくことでしょう。彼らはもともと商品イメージに共鳴する要素を持ち併せている人々です。そのスタイルは周囲にも影響を及ぼし、口コミの輪が広がっていきます。

②価格競争に影響されない
競合の多い業界では、容易に価格競争が生まれます。しかし消費者は「安ければ良い」と考えているわけではありません。「安かろう悪かろうで、満足できる人」と思われないため、利用する企業のブランドイメージにも気を遣っているのです。イメージ戦略が成功すれば、競合他社と明確に差別化を図ることができ、値下げを必要以上に検討しなくても済むようになります。

③企業の知名度向上に貢献する
商品やサービスに合致したイメージ戦略をうまく展開できれば、消費者からの注目が集まります。顧客獲得はもちろん、「使ったことはないけど、商品や社名は知っている」という認知度が高まることで、「営業が進めやすくなる」、「優秀な人材の採用や確保につながる」などのメリットがもたらされます。

企業により異なるイメージ戦略の展開法

ここまでイメージ戦略の有用性について紹介してきました。しかし、世の中には数多くの企業があり、属する業界もさまざまです。このため画一的な成功法則を見出すのは、なかなか難しくなっています。どのような点に気をつけるべきなのでしょうか。

①商品やサービスのイメージを熟考する
先述のアップル社は、PCやスマートフォンなど、人々が日常使いするアイテムを開発販売しています。このため同社が展開したスマートでクールなイメージは、多くの消費者を惹きつけました。しかし、例えば介護サービスなどを展開する企業が、同様のイメージ戦略を展開しても成功を手にするのは難しいでしょう。

・自社の商品やサービスを利用するのはどんな場面か
・自社の商品やサービスについて、消費者にどんなイメージを抱いてほしいか

まず上記2点について熟考を重ねることが大切です。

②自社の強みを理解する
曖昧なイメージ展開に終始してしまうと、知名度の向上にはつながりません。このため、自社商品やサービスの強みをしっかりと理解し、強調することが大切です。分析の際には内部の共通認識だけでなく、利用者からの意見をきちんと確認するようにしましょう。すでにある顧客情報や、公式サイト/SNSなどの寄せられた問い合わせなどのビッグデータも、有用なソースとなります。こうした過程を経ることで「どんなターゲットに、どのようなイメージを打ち出していくか」という方針が明確になっていくはずです。

③最適なメディアを選択する
企業がイメージ戦略を展開するためのメディアは、数多くあります。テレビCMなどのマスメディアはその筆頭に挙がりますが、近年はよりターゲットを限定して効果的に情報を届けられる、インターネット広告の人気が高まっています。いずれにせよ「どんなターゲットに、どのようなイメージを打ち出していくか」を考えたうえで、最適なメディアを選択する慎重さが求められます。

書籍出版でイメージ戦略を展開するという選択肢

先述の通り、近年、イメージ戦略を展開するためのメディアとして筆頭に挙がるのは、インターネットやSNSを活用するデジタルマーケティングです。しかし多くの情報が氾濫しているため、「届けたいイメージを、ターゲットへ正確に伝える」という目標を達成するのは、年々難しくなってきています。またインターネットは若年層を中心に普及しているため、高い年齢層向けの商品やサービスの情報を伝えるメディアとして最適とは言えません。そこで注目したい手法が書籍の活用(企業出版)です。

イメージ戦略のツールとして1冊の書籍を制作する際は、さまざまなバリエーションを想定可能です。例えば商品の販売促進に活かしたいという場合、「なぜその商品が求められているのか」を説明したうえで、開発の苦労や過程をまとめれば、ドラマティックな一冊の読み物に仕上がります。同時に企業の歴史を紹介すれば、その実績や信条を、読者に無理なく伝えることも可能となるでしょう。もちろん「おしゃれなエディトリアルデザインを採用する」「写真を多く掲載する」など、体裁を工夫することでモダンな企業イメージを打ち出すこともできます。

また企業出版は、商業出版と同じく書店での展開が可能です。内容によっては、マスメディアからの注目を集める場合もあります。雑誌の書評欄やテレビなどで取り上げられれば、想定よりも遥かに大きな成果を上げることができます。

5. 企業出版の成功事例

以下に書籍を制作することでイメージ戦略に成功した企業の事例を紹介していきます。ぜひ参考にしてください。

①長い歴史を持つ、信頼の家具メーカーというイメージを発信
100年の歴史を持つ木工家具メーカーの事例です。同社は飛騨地方の伝統的な木工技術や独自に開発した加工技術を駆使し、商品を世に送り出してきました。しかしバブル崩壊後に収益が半分以下まで落ち込むという厳しい状況にあったのです。

そこで社長はイメージ戦略として、書籍を制作。内部では同社の地産地消精神と木工技術という、トラディショナルなイメージを存分にアピールしただけでなく、工場改善で圧倒的な効率化を図った過程をドラマティックに伝えました。

その結果、メディアからの取材申込が多く舞い込み、人気テレビ番組でも取り上げられることに。認知度の向上はもちろん「歴史が長く、信頼できる家具メーカー」というイメージの定着と、経営の立て直しに成功しています。

②業界につきまとう「いかがわしいイメージ」を払拭
不動産投資事業を展開する企業の事例です。同社は全国の収益物件の中から一棟不動産を自社買取りし、リノベーションなどのバリューアップを施したうえで「初心者の方でも安心して購入できる商品」として販売しています。そして社長は、巷に溢れる不動産投資や、業界そのもののいかがわしいイメージを、何とか払拭したいと考えていました。

そこで悪評の原因となり得る「不動産投資リスク」への対策法、そして悪徳業者の手口やチェックポイントをまとめた書籍を連続で出版。「投資家の方に、真実を伝えていきたい」という真摯な想いが大きな反響を呼び、物件への問い合わせや相談数が激増したそうです。また物件の購入者の中から「本を出している会社だから、信頼できそうだと思った」という想定外の反応も挙がっている様子で、社長は出版の効果を実感しています。

いかがでしょうか? 企業がイメージ戦略を展開する際には、フィールドとなるメディアについても熟考を重ねる必要があります。「表層的なアプローチでは、自社サービスの価値や魅力を伝えきれない」と考える経営者の方であれば、書籍出版の有効性を認識しておきたいところです。

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