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【中小企業の集客】企業出版のメリットと注意点、成功のポイントとは?

著者:幻冬舎メディアコンサルティング 編集局・部長 伊藤英紀

日本の中小企業が抱える悩みで、常にトップ3に入ってくるのが、営業力や販売力といった、集客に関わる悩みです。限りある予算で、いかに効果的な集客の施策を打っていくかは、企業存続にかかわる重要な課題といえます。そんな悩みのひとつの解決策として、近年、注目されているのが「企業出版」。集客やブランディングを目的として書籍を制作し、出版する方法です。なぜ、企業出版が中小企業の集客の救世主となるのか。この記事では、企業出版の特徴や効果について解説します。

企業出版とは

企業出版は、「ブランディング出版」や「カスタム出版」とも呼ばれて、書籍の発行元である出版社によって提供されるサービスです。書籍の制作出版を主な生業とする出版業界においては、「商業出版」、「自費出版」、そして企業出版と、大きくわけて三つの出版方法があります。まずはそれぞれの特徴を見ていきましょう。

①商業出版

出版社が自らの予算で書籍を制作、販売し、その売り上げで利益を得る手法です。世に流通する多くの書籍は、商業出版として販売されています。この出版方法のゴールは「一冊でも多く本を売ること」であり、出版社は基本的には、有名人や話題の人、過去に本が売れた実績のある人など、確実に売り上げ立つ著者にしか依頼をかけません。書き手からすると、費用はすべて出版社が負担してくれる上、書籍が売れれば印税も入るため、有効な手法ですが、名の知られていない一般人に依頼がくる可能性はほぼなく、そのハードルは高いです。

②自費出版

著者が個人的に制作費を用立てて、出版社に依頼をかけて本を出版する手法です。「自らの主張や思いを世間に向けて表現する」のがゴールである場合が多く、本の内容は基本的に著者の自由に設定できます。市場に流通させる場合、書籍が売れれば印税が入る契約となっているケースもありますが、実際にヒットするのは残念ながら稀であり、印税を目的にするより、メモリアルや、少数の人に配ることを前提に制作し、私家版として楽しむのに適しています。

③企業出版

著者が書籍の制作費を負担する出版形式ですが、自費出版と大きく違うのは、ゴールです。企業出版では、集客やブランディング、人材採用といった、企業の課題を解決することを最大の目的として行われるもので、何冊売れるかよりも、特定のターゲットに響くような内容にすることが重視されます。制作する書籍は、基本的には市場に流通させることが前提です。

企業出版だからこそ実現できる、集客効果とは

続いて、企業出版がなぜ中小企業の集客に効力を発揮するのかを解説していきます。集客戦略において最も代表的といえるのが、テレビやネット、新聞、雑誌といった既存の媒体への広告出稿です。ただ、企業出版はこうした一般的な集客とは一線を画すものです。

例えばテレビCMは、高額な費用を積んでも、15秒、30秒という短時間の放映で終わることがほとんどで、そこまで頭には残りません。ネット広告や、新聞、雑誌の広告についても、限られたスペースで表現できる情報量は多いとはいえず、さらっと読み飛ばされがちです。こうした広告を集客へとつなげるには、「CMを繰り返し何度も放映する」「定期的に広告を掲載し続ける」といった継続性が鍵となりますが、予算が潤沢な大企業ならともかく、資本に劣る中小企業ではなかなか効果を上げることができません。

しかし企業出版なら、一度の出版でしっかりと効果を上げることが可能です。書店に並ぶ書籍は、ジャンル別に配置され、ターゲットにリーチしやすくなっています。書籍には、ボリュームのある情報が順序だててわかりやすく記載されていますから、ターゲットに対しより深い情報伝達を行うことができ、自社の商品やサービスの魅力を余すところなく伝えられます。また、無料で流れてくる広告と違い、書籍は自らがお金を支払って購入するものであり、購入後は高い確率で、中身をじっくりと読んでもらえます。広告特有の押しつけがましさがなく、自然な形で情報を伝えられるというのも企業出版のメリットです。

そして、書籍ならではの強みといえるのが、社会的な信頼性の高さです。ネット広告に顕著ですが、膨大な量の情報の中で、果たしてその広告が本当に信頼できるものなのか、精査するのが難しくなっています。その点、著者の名前をしっかりと記載し、出版社の看板もついた上で出版される書籍は、責任の所在がはっきりしている分、出版までに、編集者や校閲者といったプロの手を通じて情報が精査され、信頼性も高くなっています。だからこそ、ビジネスマンや経営者など、情報感度の高い人々の多くが、書籍を情報源として活用しているのです。

なお、企業出版を手掛ける出版社は、書籍の制作だけではなく、企業課題のヒアリングや課題解決に効果的な企画の立案といったコンサルティングも行います。その他に、ライターを活用したハイクオリティな文章の作成や、デザイナーによる美しい装丁など、企業出版だからこその専門的な制作工程により、集客効果を最大限に発揮する書籍が完成します。

実績を重視した出版社選びが、成功の鍵

企業出版のプロジェクトは、どのように進むのか。詳細は出版社ごとに異なってきますが、大きくは3つのステップがあります。

Stepその①:企画の立案

書籍の内容を戦略的に詰めていくフェーズです。書籍作りの専門家である編集者とともに、自社の商品やサービスをどのような人々に届けたいか、そのためにはどんなタイトルや構成がいいかなどをじっくりと検討し、内容を練り上げていきます。出版社や出版期限にもよりますが、2~3ヵ月ほどの期間を当ててつくっていくのが一般的です。

Stepその②:制作作業

企画が固まったら、制作にかかります。実務は出版社が担当し、カメラマン、デザイナー、ライターといった専門家に業務を振り分け、それらの要素を編集者がまとめていきます。企業側は、上がってきたものに対するチェックを行い、内容を吟味します。その後、すべてのチェックが済んだら、製本、印刷という過程を踏んで、一冊の書籍ができ上ります。なお、制作期間はプロジェクトごとにまちまちですが、早ければ3ヵ月ほどで形になるケースもあります。

Stepその③:プロモーション

制作作業と並行して、流通網の活用や、エリアマーケティングの実施などの下準備をしたうえで、書籍の発売に合わせ、新聞や雑誌、ネットへの宣伝広告を始めとしたプロモーションを展開していきます。出版記念セミナーや講演会などを開催し、書籍の認知度を高める施策もあります。出版後1~2ヵ月は、継続してプロモーションを行っていくことが多いです。

こうした過程を経て書籍がターゲットのもとへと届くわけですが、最も重要なのは、しっかりと成果を出してくれるパートナー(出版社)選びです。出版した書籍でどれほどの集客が得られたのか、実例をできるだけ多く公開している出版社を探すといいでしょう。

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