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今、介護業界に求められる情報発信

著者:GMCブランド戦略室

高齢者を抱える家族が一番に求めているもの

現在、日本は高齢化が進み65歳以上の高齢者人口は、過去最高の3,190万人(前年3,079万人)となり、総人口に占める割合(高齢化率)も25.1%(前年24.1%)と過去最高となりました。
こうした状況の中で、家族に高齢者や要介護者を抱える人が一番に求めているものは、自分の家族を安心して預けることのできる施設なのではないでしょうか。

ところで、老人ホームを利用しようと考えている人々は、どのようにして施設を選んでいるのでしょう。
株式会社シニアコムによる有料老人ホームの選び方に関する調査では、次のような結果が出ています。

 

一般認知の低さが問題に(有料老人ホームの選び方調査)

まず、親の介護のために有料老人ホームの利用を考えている人が事業者を選定するための情報源に関してですが、「介護関係者から聞いて/直接事業所を見学して/インターネットを見て」、以上の三つの項目が全体の上位を占めているのです。
ここから、利用者は自分の親を任せるための施設の情報は、関係者の話を聞いたりインターネットで情報収集を行うなど、自ら積極的に情報を求めていることが分かります。

次に、老人ホームの種類について、社会福祉法人が運営する特養老人ホームと企業が運営する有料老人ホームの違いをどれくらいの方が認知しているかというものですが、男性では40.5%、女性では36.7%とどちらも約半数の方が特養と有料老人ホームの違いについて認知していないのです。
確かに、特養や有料といわれても、結果としてどちらも費用をかけて利用するもののため、利用者にとっては運営元が法人だろうと企業だろうと特に気にならないのかもしれません。
しかし、特養は国から助成金をもらっている社会福祉法人が運営しているため、サービスを安価で提供してくれるのに対し、有料老人ホームは企業が提供するサービスのため、費用が比較的高額になります。
また、特養が提供してくれるサービスには費用の関係上限りがありますが、有料老人ホームの場合は追加費用をかければ利用者の希望に沿ったサービスをプラスで提供してくれるのです。
この様に、特養老人ホームと有料老人ホームでは互いにメリットとデメリットが明確に分かれているのです。

以上の調査結果から、老人ホームの利用を検討している人々は、関係者やインターネットなどから積極的に情報を求めているにも関わらず、特養老人ホームと有料老人ホームの違いという一番基礎的なことさえ認知していない人々が大勢いることが伺えます。

 

介護業界に求められていること

こうした状況のなかで、介護業界の方から積極的に情報を発信していくことが重要になるのです。老人ホームの種類や的確な選び方、また利用する際の注意点など一般の方はまだまだ知らないことが多くあり、そういった情報は業界の方でないと提供することができないのです。

「自分が情報を提供しなくても、他の誰かかが積極的に業界の情報は発信してくれるだろう。」
多くの法人や施設の経営者はこの様に考えるかもしれません。しかし、多くの方が同じような考えのままでは、いつまで経っても利用者は正しい情報を得ることができないのです。日本社会の高齢化が大きな問題となっている今だからこそ、業界側から正しい知識や情報を提供する意義があるのです。

 

幻冬舎メディアコンサルティング

伊藤 美月

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