全生徒が熱狂した、ある大学の「ブランディング」の授業
ある大学で行なわれた驚きの授業
山形にある東北芸術大学では、企画構想学科という広報・ブランディング戦略を専門に扱う学部があります。
何も知らない大学生に、学長が「ブランディングとは何か?」を講義したのですが、私の心にとても深く残っており、皆様にご紹介をさせていただければと思います。
その日、学長さんは大鍋に入ったカレーを授業に持ち込みました。
市販のカレールーを使った、普通のカレーです。
「食べたい人いますか?」と聞くと、昼食後の3限目ということもあり、手を上げる生徒はいません。
「では、ここでこのカレーを作って下さった方に入場していただきましょう」
と、教室に入ってきたのは一人の女性。
「このカレーのポイントは?」→「これこれこんな風に作っています」
「このカレーはご家族のどなたが好きなんですか?」→「次男が好きでいつも喜んで食べています」
と他愛のない質問。生徒たちも退屈そうです。
しかし質問が進んでいくと、生徒たちの反応が変わってきます。
「息子さんは何をされていらっしゃいますか?」→「野球選手です」
「お名前は?」→「平凡な名前なのですが、鈴木一朗と言います」
!!!
そう、持ち込まれたカレーは、実はイチロー選手が「世界一好き」と言っていたカレーだったのです。
そして最後に学長は生徒に聞きました。
「このカレーを食べてみたい人?」
生徒全員が手を上げました。
企業ブランドのつくり方
このエピソードから読み取る、「ブランディング」の定義とは、
“その商品(サービス)の裏側にあるストーリー”を知ることです。
この教室に存在しているカレーは授業前と後で何ら変わりはありませんが、生徒にとって、「食べてみたい気持ち」は大きく変化しました。
このカレーの物語に「共感・感情移入した」のです。
有形・無形に限らず、あらゆる商品(サービス)には、必ずストーリーがあります。
商品(サービス)のあり方(コンセプト)、込められた作り手の想い…。
既存顧客はなぜその商品にたどり着き、継続して利用するのか。
上記の事例は「講義」でしたが、多くの情報量、ストーリーを伝えるツールは世の中に多くあります。
“世の中にありふれた商品”を“御社だからこそ提供できる商品”へ。
ストーリーを伝えることからブランドづくりを考えてみてはいかがでしょうか。
幻冬舎メディアコンサルティング
大歳 恭平
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