マーケティング・広告戦略

レッドブルとコトラーのマーケティング論

製品やサービス、ブランドが消費者に与える満足感は、機能的価値と情緒的価値に分けて考えることができます。商品やサービスそのもののスペックが機能的価値、それらを利用することによって得られる心理的な満足が情緒的価値です。

IT化やグローバル化により良い製品が溢れるようになり、現代のマーケティングでは情緒的価値の影響力が高まっていると考えられています。

今回は、これからのブランディングに非常に重要な意味を持つ情緒的価値についてコトラーのマーケティング論を踏まえながら紹介します。自社のマーケティングに照らし合わせていただくことで、効果的なマーケティング・広告展開に役立てていただけるかと思います。

いいものを作れば売れる時代は終わった

日本では「いいものを作れば売れる」という神話がありました。長らく製造業が好調だったこともあり、高機能や新たな機能を備えた商品を作れば売れた、という成功体験がたくさんあったためです。

このような商品スペックにおける価値のことを「機能的価値」といいます。機能的価値は、客観的に数値化しやすいという特徴があります。例えばカメラを例に挙げると、画素数、本体重量、ズーム機能の倍数などが機能的価値にあたります。

しかしながら、機能的価値が高い商品を作れば売れるという時代は終焉しました。

機能的価値では差別化(ブランディング)が難しい

「いいものを作れば売れる時代が終わった」とはいえ、いいものが不要になったというわけではありません。むしろ、グローバル化やIT化によって良い商品を作れることが当たり前(=コモディティ化)になったのです。

一部の大手企業や先端技術を持った企業だけではなく、どんな企業でも優れた商品を作れるようになると、機能面での差別化(ブランディング)は困難になり、不本意な価格競争を強いられることになります。

また、機能的価値ばかりを追い求めても市場のニーズに対してオーバースペックになることもあります。例えば、一眼レフのフルサイズカメラは、初心者にとってはオーバースペックになるケースもあります。

コトラーのこれからのマーケティング論

経営学者フィリップ・コトラーは、時代が進むにつれてマーケティングも進化していると提唱してします。コトラーが提唱しているマーケティング論には以下の4段階があります。

マーケティング1.0=「製品主義」

戦前・戦後から1970年代のモノが少なかった時代のマーケティングの考え方です。いわゆる「いいものを作れば売れる」という考え方です。

マーケティング2.0=「顧客主義」

商品の選択肢が増えると、顧客の感情を満たすことが重要になります。カメラの場合、製品のストーリーやブランドイメージを訴えることが重要になります。あるいは、市場や顧客ターゲットを絞った商品もブランド2.0の考え方に基づいた製品であるといえます。

マーケティング3.0=「価値主導型」

価値主導型とは社会をより良くしようとする考え方に基づいた商品です。例えば、SONYのミラーレス一眼カメラでは、環境負荷を低減するために小型化・軽量化や部品点数の削減を実現しています。消費者の購買意欲を引き出すために、消費者の「社会をより良くしたい」という理念に訴えかける手法です。

マーケティング4.0=「自己実現型」

現代は、マーケティング4.0の段階に入っています。マーケティング4.0とは顧客の自己実現に訴えるマーケティングです。顧客自身が持つ、「本来の自分自身を実現」しようとする欲求をかなえることが購買意欲を刺激するという考え方です。

代表的な事例として、レッドブルの事例を紹介します。かつては、疲れた時の栄養補給やのどの渇きを潤すというイメージしかなかった栄養ドリンクに、「レッドブルが翼をさずける」というメッセージを乗せて「なりたい自分になるためのドリンク」という新たなイメージを作りました。

マーケティング4.0は「マズローの5段階欲求説」に基づいています。

マズローの5段階欲求

  1. 生理的欲求・・・睡眠や食欲などの生きていくための本能的な欲求
  2. 安全欲求・・・安全に過ごすという欲求
  3. 社会的欲求・・・仲間が欲しいという欲求
  4. 承認・尊厳・・・自分の価値を認めてもらいたいという欲求
  5. 自己実現欲求・・・あるべき自分でありたいという欲求

マズローの5段階補給では、1~4の欲求が満たされて初めて5の自己実現欲求が生まれます。マーケティングに関しても、いいものが容易に手に入るという機能的価値が満たされていて、自己実現欲求をかなえる情緒的価値をかなえる段階に入った、と考えられます。

マーケティング4.0を実現するために重要なことは、消費者にとって何が自己実現になるかを具体的に考え、イメージを訴求することです。

まとめ

いいものを作れば売れるという時代は終わりました。そして、製品の機能の良さを訴えても、なかなか消費者の購買意欲を刺激しにくい、と現代は考えられています。

そういった時代において、ブランディングに重要なのが情緒的価値という考え方です。コトラーのマーケティング論においても、製品主義から顧客主義、価値主導型へと進化し、これからは消費者の自己実現を満たすことが重要になると提唱されています。

今回紹介したレッドブル以外にも、スポーツメーカーNIKE、ディズニーリゾート、メルセデスベンツなど消費者の自己実現に訴えかけてマーケティングに成功している企業があります。消費者がどのような自己実現を目指しているかを踏まえて、マーケティング戦略を練りましょう。

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