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広がるCtoCサービス

著者:GMCブランド戦略室

CtoCとはConsumer to Consumer(コンシューマーツーコンシューマー)の略語で、インターネットを通じて契約や決済などを行う電子商取引の一つとして一般消費者同士が物品などの売買を行うことを指します。
インターネットの普及とともに、消費者と消費者とが簡単に物品の売買ができるようになったことを象徴する名称となっています。

 

もっとも一般的で身近なCtoCサービスとして挙げられるのが、インターネット・オークションやスマホアプリを使った中古品の売買(フリマ)です。

自分の着なくなった服から、使わない化粧品、また家電や自転車まで、売買されているものはさまざまです。このフリマの利点といえば、「自分のほしかったものを安価で買える」という点が挙げられます。
ただ安価なだけでなく、購入時に税金がかからないというのも、CtoCサービスの特徴です。 売る側にしても本来捨ててしまえば1円の利益もなかったものが、フリマに出すことによって「ほしい」と思ってくれる人に繋がり、全額ではなくてもお金が返ってくるという利点があります。

また、少し異なったかたちでみられるCtoCとして、ハンドメイドのものを売ることができるサービスが挙げられます。一般の方がつくったものなので、安価でかわいいものが買えると女性を中心に人気が広がっています。

このように、現在は様々なCtoCサービスが生まれ、私たちにとっても非常に身近なものになってきているのです。


CtoCプラットフォーム拡大に向け


着実にダウンロード数を拡大させ、2017年7月2日に設立4周年を迎えたフリマアプリ「メルカリ」。そんな同社が同年7月4日に、CtoC事業やその周辺事業を行う企業への出資を加速するため、「メルカリファンド」の開始を発表しました。

メルカリファンドはいわゆるコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)や子会社による投資ではなく、あくまでメルカリ本体でのプロジェクトを指しています。

このプロジェクトでは、商材やサービスなど、特定の分野に特化したCtoC事業を行う企業や、マーケットプレイスの活性化を促進する事業を行う企業等を対象として投資を行います。

メルカリファンドの出資金額については特に上限を設定せず、個別案件ごとに検討するとし、また出資する事業に関しては、メルカリやメルカリ アッテなどのサービスとの連携も検討しています。メルカリは2017年2月にフリマアプリ「スマオク」を手がけるザワットを買収していますが、「投資検討をする中で買収という選択肢をとることも視野に入れる」(メルカリ)としています。

ただメルカリが今回の取り組みで狙うのは、買収ありきではなく、あくまで特化型CtoCサービスや周辺サービスの支援によるCtoCプラットフォームの拡大だといいます。

このように、CtoCプラットフォームの拡大に向けた動きもみられ、ますますCtoC市場の成長を感じさせます。


CtoCの今後


経済産業省は2017年4月、2016年度の日本の電子商取引に関する市場調査の結果を公表しました。調査は1998年度から毎年実施されており、19回目となる今回は、初めて個人間EC(CtoC-EC)に関する詳細な調査が行われました。

中でもスマホの普及にともなって急激に利用者数を伸ばしている「フリマアプリ」市場については、2016年1年間で3052億円と推計。フリマアプリの登場は2012年で、約4年で形成された新たな市場としては規模が非常に大きい、としています。

調査報告書では、フリマアプリの利用者は引き続き増加傾向にあり、2017年以降も市場規模はさらに拡大すると予測されています。これに対してネットオークション(CtoC)市場は3458億円と推計。この数年でフリマアプリがネットオークションに追いつくまでに成長しているという結果になりました。

こうしたデータも踏まえてもCtoC市場のさらなる拡大は確実なものです。

これからもCtoC市場は成長を続け、また新たな進化を遂げていくでしょう。
新しいCtoCサービスの誕生や、CtoCサービス利用者から、自分のブランドを立ち上げてビジネスを始める人も増えるかもしれません。
これからはCtoC市場に、どのような新しい動きが見られるか、注目です。

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