SNSが生む現代の新しいマーケティング
スマートフォンの登場で市場が変わる
近年スマートフォンの普及により、SNSがますます拡大しています。
総務省の調査によると、代表的なSNSである、LINE、Facebook、Twitter等の6つサービスのいずれかを利用している割合は、全体では2012年の41.4%から、2016年には71.2%にまで上昇しており、スマートフォンと合わせてSNSの利用が社会に定着してきたことがわかります。 年代別にみると、10代20代は2012年時点から利用率が比較的高い傾向にありましたが、20代は2016年には97.7%がいずれかのサービスを利用しており、この世代ではスマートフォンやSNSが各個人と一体ともいえる媒体となっています。40代50代は2012年時点の利用率はそれぞれ、37.1%、20.6%でしたが、2014年から2015年にかけ利用率が上昇し、2016年にはそれぞれ利用率が80%程度、60%程度となっていっています。
スマートフォンの普及は、こうしたSNSの成長とともに、買い物のかたちまで変えています。 従来、何を買うにもリアル店舗で商品を見て、購入することが一般的でしたが、最近は、スマートフォン上で、ECサイトで買い物をする人が増えているのです。 実際の調査によると、物販分野における 2016 年のスマートフォン経由の BtoC-EC の市場規模は 2 兆 5,559 億円と、前年に比べて5,697 億円も増えているのです。これは物販の BtoC-EC 市場規模 8 兆 43 億円の 31.9%に相当する金額になります。
そして、こうしたSNSの拡大、EC市場の成長によって、消費者だけでなく「売る側」も変わってきているのです。
変わるマーケティング
SNSやEC市場の成長にともない、新しいマーケティング方法が生まれています。
■動画マーティング
動画マーケティングとは、コンテンツマーケティングの一種で、動画を使用して利益を生む仕組みをつくることを言います。 具体的に挙げると、YouTubeにおいて動画の前後、途中に流れる動画広告や、その他動画サイトに載せられている動画による商品紹介、企業のホームページで見られる企業・ブランドPR、また料理やメイク、ヘアアレンジなどのハウツーを動画で紹介するものなどです。 この他にもさまざまな手法で動画マーケティングが行われています。
このように様々な場面で広がっている動画マーケティング。 その強みとしては「印象に残る」「わかりやすい」という点が挙げられます。 例えばアパレルブランドの広告に関しては、雑誌やポスターなどの紙面に載せられているものと異なり、動画にすることで、人がそのブランドの服をまとって動いている姿を見ることができるので、より魅力的に見え、実際に人が着たイメージもよく伝わってきます。
また最近ではその企業やブランドのPR広告をストーリー仕立てにして、TVCMやホームページに載せている企業も増えてきました。
このように動画マーケティングが増えているのも、スマートフォンの普及によってSNSを中心に動画が簡単にみられる仕組みができたからでしょう。
■インフルエンサーマーケティング
最近若い人を中心にブームとなっているInstagram、Twitter、Facebookを中心に、「インフルエンサー」と呼ばれる人達が注目を集めています。
インフルエンサーとは、世間に大きな影響力をもつ人や事物のことを指します。 以前までは、Instagramのフォロワーが10万~100万人ほどの芸能人を指していましたが、最近では、一般人のなかでも多数のフォロワーを持つ人も増えてきており、彼等がある商品を投稿して評価することで、たちまちその商品が在庫切れになるほど売れるということも少なくありません。
また最近新しい取り組みとして見られるようになったのが、「インフルエンサー採用」です。 インフルエンサー採用とは、各メジャーSNS(Instagram・Twitter・BLOG)などでフォロー数1500名以上を有するなど、一定の基準を満たし、フォロワーの状況や発信内容の審査を通過した対象者は、即社長面接へ進み、「SNSインフルエンサー枠」として一般の採用枠と別に、優遇した採用を行う採用方法です。
こうして発信力の高い個人を、自社スタッフとして直接雇用することによって、よりそのブランドに関する多様な情報がリアルに消費者の方へと届けられ、ブランドや商品に対する理解と認知が多くの方へ深まることを目指しています。 まさにSNSをフル活用したマーケティング方法であり、現代の仕組みに合った新しい仕組みです。
時代に合ったマーケティングを考える
新しい2つのマーケティング方法を紹介しましたが、現代に合った新しいマーケティング方法はこれ以外にもたくさんあります。
SNSが成長し、誰でも情報を発信し、一般人でも影響力を持つようになった現代では、企業から消費者だけでなく、消費者から消費者へ流れる情報が重要になります。 そこでどのようにアプローチをすれば、その企業や商品のことをより理解し、広めてくれるのかをよく考えていくことが大切です。
このように、時代がさらに進化していくなかで、新たにどのような仕組みが生まれていくのかを注意深く観察し、積極的に取り入れていくことが必要になるでしょう。
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