書籍出版で実現するイベントベースドマーケティング
ビジネスの世界ではさまざまな新しいマーケティング手法が生まれてきますが、そのひとつとしてイベントベースドマーケティングという手法があることをご存知でしょうか。
イベントベースドマーケティング(Event Based Marketing ※略称EBM)とは、企業のターゲットとなる顧客のライフタイムイベント(就職、昇進、結婚、住宅購入、退職など、顧客の身に起きた出来事)を想定したシナリオを設計し、顧客にとって最適なタイミングでニーズに的確な商品やサービスを提案することで収益拡大を図るマーケティング手法のことを言います。
これまでの営業手法や広告宣伝などのプッシュ型マーケティング手法とは異なり、顧客の需要に主導される形のプル型のマーケティング手法と言えます。
実はこの手法は書籍と深い関係にあるのです。今回は書籍とイベントベースドマーケティングとの関係について考えます。
EBMで重要なのはタイミングを逃さないこと
EBMで重要なのは顧客がライフタイムイベントを迎えるタイミングを逃さないことです。
これまでEBMの導入をおこなってきたのは銀行をはじめとした金融機関やマーケティングに注力する大手企業に限られてきました。
その理由は、EBMを導入するためには、顧客のライフタイムイベントを捉えるための膨大な顧客データを保有している必要があると考えられていたためです。
顧客の年齢や家族構成、住所、職業、過去の取引情報などさまざまなデータがなければ、各ライフタイムイベントを想定し、キャンペーンを打つためのシナリオを組むことが難しいためです。
多くの企業はこれまでITシステムの構築によりこれを実現しようとしてきました。
EBMの媒体としての書籍
このように膨大な顧客データが必要であり、導入が難しいと思われがちなEBMですが、必ずしもシステム構築を前提とした手法ではありません。
「EBM」という表現はされては来ませんでしたが、実はこれまでも顧客のライフタイムイベントを捉えるべく、書籍という媒体を活用して情報発信を行ってきた事例は多数存在します。 なぜならば、これまで世の人々が人生の重要な決断に直面した際に信頼できる情報媒体として選択するのが書籍であったからです。
続いてからは具体的な弊社の事例をBtoC、BtoBに分けてご紹介します。
書籍を活用したEBM事例 BtoC
【就職をするとき】『就職の流儀人生を良くする40の就活・メソッド』
同社の2009年卒業予定者向け就職活動サイトのグランドオープンは10月1日。これにあわせた刊行に向け、3ヶ月という短期間で制作完了。「一般的な面接本やノウハウ本にはしたくない」との意向、そして著者の働くことについての考察を徹底的にヒヤリング。それらを、読者である就活生が手に取りやすく、分かりやすく伝えるため、ラフの段階で若手社員から多くの意見を集約。多くの方がたずさわることで、内容がより深まっていきました。この書籍の根本にあるのは、“起きろ。大学3年生。”という同社が掲げるキャンペーン・メッセージ。著者の知人でもある高橋信雅氏のイラストが、豊かな誌面イメージに寄与しています。 |
【管理職になったとき】『部下が「うつ」だと言いだしたら読む本』
著者であるMSブレイン代表取締役を務める土岐久美子氏は、心の健康が脳の健康にあることを提唱し、多くの企業の人事関連担当からメンタルヘルスアドバイザーとして絶大なる支持を得ている存在です。 心の病を訴える若手社員の増加に歯止めをかけたい、部下の心の病に気を遣い、振り回され、疲れ果てている上司を救いたい――そんな著者の強い思いから、今回の制作がスタートしました。 |
【結婚するとき】『Only One Wedding 世界でたったひとつのウエディングをつくる方法 』
『FUDGE』などファッション誌やアパレル業界で活躍する、スタイリストの清宮三緒が提案するウエディングスタイルブックです。クレールコーポレーションの強みであるハード(会場)を舞台に、4つのテーマでウエディングスタイルを提案しています。 結婚の常識や挙式までのスケジュールなどの実用情報も盛り込み、結婚を考える女性のバイブルとなるビジュアルスタイリングブックです。 |
【家を買うか考えるとき】『家 買うvs借りる 決断する前に読む本』
家は、「買う」にしても、「借りる」にしても、人生最大の出費となります。そのため、どちらを選択するにせよ、失敗した際に取り返しがつかなくなることもあります。だからこそ、しっかり考えて決断してもらうため、条件、設備、費用、支払いシミュレーションといったハード面と、どのような暮らしを実現したいのかといったソフト面の両方から、何が必要でどういうリスクがあるのかなど、イラストやデータを用いてわかりやすく解説。これから先の長い人生において、自分や家族にとって持ち家がよいか賃貸がよいかを解き明かしていきます。 |
書籍を活用したEBM事例 BtoB
【病院を開業するとき】『自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法』
勤務医は慢性的な医師不足で時間外の労働が多く、給与も働きに見合わず、過酷な労働環境におかれています。 一方、そうした状況から理想の医療の実現を目標に開業する医師もいますが、都市圏のクリニックは今や乱立状態にあり、患者を確保するのが困難です。患者確保の難しさと、多額の開業費用がかかるリスクから、プライベートを犠牲にし、収入は上がりません。 このような状況の中で、理想的な働き方と高収入を実現するための新たな開業スキームを紹介するのが本書です。 |
【店舗開業するとき】『決定版! 知識ゼロ・経験ゼロでも 儲かる飲食店経営』
おいしい食事で人を元気にすることができる、店に関わる人たちが一つの目標に向かって頑張ることができる――飲食業はそんな魅力ある仕事にもかかわらず、多くの店が経営難に陥り、廃業に追い込まれています。 著者である渡辺氏は、自身もかつて夢だった飲食店経営で成功を収めた経験から、飲食業界では「お客さまの幸せを第一に考えることこそが成功する秘訣」だと言います。 なにかを始めたいと考えている、飲食店をやってみたい、一度は失敗したけれど今度こそ成功させたい。そんな方々に、飲食店経営の魅力を知り、成功をつかんでもらいたいという熱い思いから、本書の執筆をスタートしました。 |
【事業承継を考えるとき】『「業界再編時代」のM&A戦略 No.1コンサルタントが導く「勝者の選択」』
確実に人口が減少していき、当然労働人口も減少していく現代で必然的に業界再編は起こります。そしてその第一歩を踏み出すのはいつの時代も中小・中堅企業のオーナー経営者なのだということ、そして多くの業界再編は、マネーゲームなどではなく、業界を良くしたいという熱意や情熱をもって真摯に取り組まれているということを伝えるために、本書は制作されました。 |
【経営改善について考えるとき】『会社の経営安定 個人資産を防衛 オーナー社長のための収益物件活用術 』
経営環境の変化が速く、激しくなり、個人資産への増税がなされている現状は、自ら会社を経営するオーナー社長にとって極めてリスクが高い状態です。しかし、本業の業績悪化、そして増税というリスクに備え、会社・社員・家族を守るオーナー社長にとって、収益物件は大きなメリットをもたらすと著者は言います。 中小企業のオーナー社長が元気になれば日本全体も元気になるという信念のもと、自身の収益物件活用の経験を1冊にまとめることで一人でも多くのオーナー社長の皆さんをサポートしたいとの思いから、本書は制作されました。 |
幻冬舎メディアコンサルティング
太田 晋平
- 【ダウンロード資料】> 書籍タイトルにみるターゲットセグメンテーションの秘訣
- 【よくある質問】> ブランディング書籍を作る場合どのような切り口があるのでしょうか。イメージを教えてほしい。