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webサイトならではの強みを生かす、新しい雑誌の役割

著者:GMCブランド戦略室

ここ数年で、webメディアから発信された雑誌が一同に現れました。

1993年に米国でプリントマガジンとして登場し、リアルとwebを蹂躙するサイエンステクノロジー雑誌『WIRED(ワイアード)』。
キュレーションプラットフォームが日本ではじめて雑誌に進出した『MERY magazine(メリーマガジン)』。
おとなの男性のためのファッション&カルチャー誌『HOUYHNHNM Unplugged (フイナム・アンプラグド)』。

Webとは異なり、紙で発行するとなると、デザイン費や印刷費など、月刊誌で数千万円以上もの費用がかかります。

そのリスクを取ってでも雑誌の発行に至り、より生活に溶け込んだ認知を達成できているものがあります。

特に『MERY magazine』の創刊もうなずけるほど、「MERY」のネットでの盛況は圧倒的でした。ユーザーの7割が20~30代の女性、そしてアクセスの9割がスマートフォンからと報告されています。2015年の夏にリリースしたアプリは、今年の5月には500万ダウンロードを超えました。
もうすぐ4巻目の発行を迎える同誌は、季刊にも関わらず一年中書店に平積みされるほどの人気ぶりです。

しかし、この記事をご覧になっている方の中には、おそらくこれらの雑誌を1冊も知らないという方もいらっしゃるでしょう。

まだ誰もが知る雑誌ではないものの、熱狂的な支持者が確かに存在する。
今回は、先述したうちの前者2誌を取り上げ、“ファンをつくる広告手法”を紐解いていきます。

『MERY magazine』のブランディング戦略

>>雑誌について

流行に敏感な女子のためのキュレーションメディアが発祥。
サイトでは、ファッションや美容、恋愛などの最新情報が手に入る。

>>成果

  • リリースから約3年で月間4億PVを、月間UUは2000万を突破
  • リーチ力に加え、メディアとしてのブランド力が高まってきたことから、大手ナショナルクライアントの広告出稿が相次ぎ、広告売上は前年度比約400%増を記録。
  • 2015年夏にアプリをリリースし、2016年3月には雑誌「MERY magazine」を創刊。全国の書店やコンビニで販売したところ2週間でほぼ完売し、読者からの好評を得て次号を8月に発売予定。

>>取り組み

  • 雑誌「MERY magazine」で紹介されるアイテムの一部は、アプリ版「MERY」の連動記事から購入ができる仕組みをつくった。
  • 紙とwebの両方の編集が可能な、女性の気持ちを熟知したチームによる、ユーザー視点に立ったコンテンツづくりの徹底を自社で行う。
  • 社内編集チーム制作の記事に加え、2016年2月に「MERY Partner Program」の提供を開始。大手出版社13社と契約し、15媒体のコンテンツの閲覧も可能にするなどコンテンツプラットフォームとしての機能も強化。ECサイトを始めとする、MERYならではの機能との連携や広告販売メニュー開発なども進めている。

>>目指すところ

女性たちが信頼を寄せる「MERY」というブランドの中で、新しいメディア体験、購買体験の提供を目指す。20代女性の気持ちや行動がデータとして蓄積することで、新たなリサーチの場としての活用可能性が飛躍的に広がりつつある。

『WIRED』のブランディング戦略

>>雑誌について

テクノロジーによって、生活や社会、カルチャーまでを包括した私たち自身の「未来がどうなるのか」についてのメディア。最新のテクノロジーニュースから、気になる人物インタヴューや先端科学の最前線など「未来のトレンド」を発信。(WIRED公式HPより引用 http://wired.jp/)

>>SNS

  • WEB領域では、WIRED.jpを中心に毎日コンテンツを配信し、SNSやメルマガで広域に拡散している。1ヶ月のページビューは900万、ユニークユーザーは265万、フェイスブックのいいね!は10万件を超える。
  • SNSの投稿の約半数が毎日投稿している。1日6回以上投稿した記事も全体の20%を占め、閲覧者の約7割が毎日訪問している。

>>イベント

  • 「実際にアクションを起こすのが『WIRED』読者の特徴」と銘打たれるように、2015年に行った参加費が1万円を超えるイベントに250~600人もの読者が参加している。
  • 読者平均年齢は34歳だが、雑誌では珍しく幅広い年代にリーチしている。

>>広告

『WIRED』には雑誌内でのタイアップ広告商品はなく、ウェブで広告を打つことで雑誌の制作費となっている。広告主の目的に合わせて、ページのデザインからすべてオリジナルで編集作業が行われる。

まとめ

このように、SNSを駆使した情報発信を得意とする各メディアが、雑誌をオウンドメディアのひとつとしてブランディングしファンを作っていくことが、今の時代の在り方といえます。

紙の本は売れないといわれ続けていますが、あなたの街にも本屋さんはあるはずです。

街中のコンビ二、スーパー、酒屋など、当たり前に目にするところで、私たちはたくさんの広告を目にし、影響を受けています。

書店で見かける雑誌もそのひとつです。

書店の流通力を活用すれば、携帯電話を触らなくても街中で人の目に触れることができます。

本という媒体や、リアルな場所でものを買うことは古いといわれている時代ですが、これら2誌のように、コンテンツの品質を見直せば新鮮さを取り戻す可能性は十分にあります。

このことは、あなたの仕事やビジネスにも生かすことができるのではないでしょうか。


 

幻冬舎メディアコンサルティング

羽根 広子

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