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富裕層ビジネスはなぜ失敗するのか?

著者:GMCブランド戦略室

注目を集め、あらゆる分野で広まる富裕層ビジネス。

旅行会社の株式会社ジェイティービーは、
富裕層をターゲットとした商品を積極的に展開していますし、
コインショップの株式会社トレーディングリブラは、
富裕層を対象にアンティークコイン投資のコンサルティングを行っています。

以上のような成功事例がある一方で、
富裕層ビジネスは失敗に終わるものも多く、
予想以上に伸び悩んでいる現状があるのもまた事実です。

ターゲットは、活発に消費活動を行ってくれるはずの富裕層。
それなのに、なぜ富裕層ビジネスは失敗してしまうのでしょうか?


富裕層の定義


そもそも、“富裕層”とはどのような人たちのことを言うのでしょうか。
その定義はさまざまですが、たとえば野村総合研究所では以下のように定義しています。

  1. ① 世帯年収が3000万円以上
  2. ② 保有する金融資産(不動産を除く)が1億円以上

野村総合研究所によると、日本には、120万~140万人規模の富裕層が存在しています。
さらに、保有する金融資産(不動産を除く)が10億円以上の富裕層は、“超富裕層”と定義されます。
その定義から計算すると、日本には、2万6386人の超富裕層が存在しています。

日本における富裕層と超富裕層の割合は約1%程度となりますが、
富裕層と超富裕層で日本の富の2割弱を所有しているともいわれているのです。


富裕層と超富裕層



100人に1人が富裕層であるこの日本において、
潤沢な資産を持ち、自由に使えるお金も多い富裕層をターゲットにしたビジネスが、
なぜ失敗するのでしょうか。

失敗する要因のひとつは、
売り手がターゲットである「富裕層」の情報に未熟であるかことだといわれています。
日本では富裕層ビジネスの歴史が浅く、
富裕層に対するビジネスのノウハウや彼らとの付き合い方の知見、
マーケティング分析、顧客分析が不十分の場合が多くあるというのです。

一口に富裕層といっても、
富裕層を顧客にすることと、超富裕層を顧客にすることとでは、
全く異なるアプローチが必要となります。 なぜなら、富裕層と超富裕層の特徴は大きく異なるからです。

富裕層はその資産の多くを、一代もしくは二代(親の代)で築いている場合が多いです。
それゆえ、富裕層の多くは、ビジネスを広げ将来的に資産規模を拡大する意欲が強く、
自分のブランド力を高めていくことに熱心です。 消費にしても趣味や慈善活動にしても非常に派手で、
「見られる」ことを意識する傾向にあるといわれます。

一方、超富裕層の資産は一代で築かれたものではなく、
過去何世代にも渡り、守られ、増やされ、受け継がれている場合が多いという特徴があります。
そのため、超富裕層の最大の目的は資産の拡大ではなく、資産を次世代にいい形で引き継ぐことです。
「見せる」よりも「目立たないようにする」ほうが好都合のため、派手なふるまいは少ない傾向にあります。

超富裕層はお金に関して慎重な人が多く、
消費行動のきっかけになるのは、口コミや紹介というケースが多いようです。
それゆえ超富裕層をターゲットにしたマーケティングは非常に難しく、
これも富裕層ビジネスが失敗する一つの原因でしょう。


富裕層ビジネスを成功させる方法



では、富裕層ビジネスを成功させるにはどうすればいいのか。
ここでは、富裕層ビジネスを成功させる秘訣を、2つご紹介します。

まず1つは明確なターゲットの選定です。
先にも述べたように、富裕層は富裕層でも、資産額の違いだけで特性は大きく異なります。
医者なのかオーナー社長なのかなど、その人の職業によって、マーケティング戦略は変化するでしょう。
ひとくくりに“富裕層”をターゲットにするのではなく、
よりターゲットを絞り、ターゲットに合わせた戦略で勝負するのがいいでしょう。

そしてもう1つは、信頼できるツールを用いた情報発信です。
富裕層は資産を多く持っていますが、本当に価値があると思うものにしかお金を払いません。
また、富裕層は孤独です。
同じような生活環境で同じような資産を持つ人に出会うことは難しいのに加え、
富裕層同士の場合、仕事などで何らの利害関係が生じている可能性が高く、友人関係を築くのは難しいのです。
富裕層の中にはビジネスで成功している人も多く、
知人であれば、星の数ほど持つ人も少なくありませんが、
本当に信頼できる友人を多く持つことは難しいのかもしれません。
だからこそ富裕層は信頼できる情報を求めているのです。



 

幻冬舎メディアコンサルティング

齋藤 舞夕

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