ストーリーブランディングで実現する脱コモディティ化
ブランド力の低下を基に起きる企業の商品・サービスの陳腐化現象、”コモディティ化”が海外をはじめ、日本国内でも深刻な問題として取り上げられるようになってから久しいですが、未だ多くの企業経営者やマーケティング担当者がこのコモディティ化の波から脱却し、同業他社との差別化をしようと対応に追われ、頭を悩ませています。
そんな中、かつてから多くとられている手法ではありながら、未だに絶大なブランディング効果を発揮しているのが、物語調で企業の価値を伝え、読者を惹き込む”ストーリーブランディング”と呼ばれるブランディング手法です。
今回はストーリーブランディングを行うメリットや打ち出し方、これまでに成功している事例についてご紹介します。
ストーリーブランディングのメリット
人は感動した、驚いた、面白かった、などの「体験」を通じて出来事を記憶します。 そのうえで「物語」の活用は、人の感情を動かし、伝えたい情報を人の記憶に残りやすく 変換する上で有効な手法です。
企業としての歩みの中で生まれる物語を自社の発信したい情報と組み合わせて発信することで、深く長期的な理解を促進することができるのです。
ストーリーブランディングは書籍に限らず様々な媒体で取られている手法です。 テレビ局などでもNHKの”プロジェクトX”や”プロフェッショナル”、TBSの”情熱大陸”、 テレビ東京の”カンブリア宮殿”など多くの番組で活用されています。
企業の創業時や再建途上の物語や製品開発秘話などをドラマチックに描きながら、 その企業に対する理解を助け、宣伝らしさを感じさせずにメッセージを伝えることができます。
ストーリーブランディング成功事例
以下では、ストーリーブランディングを用いてブランディングを実現した成功事例をご紹介します。
- 『奇跡のリンゴ 「絶対不可能」を覆した農家木村秋則の記録』(幻冬舎)
絶対に不可能といわれてきたリンゴの無農薬栽培を成し遂げた男の感動ノンフィクション。 長年の極貧生活と孤立を乗り越えて辿り着いた“答え”とは。
- 『海賊と呼ばれた男』(講談社)
出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公、国岡鐡造の一生と、出光興産をモデルにした 国岡商店が大企業にまで成長する過程をドラマチックに描く。
- 『マッサン』(NHK ※テレビドラマ)
NHK連続テレビ小説シリーズ第91作目として制作されたテレビドラマ。ヒロインに初めて 外国人女性が起用され話題を呼んだ。ニッカウィスキー創業者の竹鶴 政孝とその妻リタをモデルとした 主人公夫婦の人生とニッカウィスキーをモデルとしたドウカウヰスキーの歩みを描く。
農業、石油、飲料など取り扱う商材は違いながらも、いずれもその業界の第一人者としての ブランドを確立、消費者からの反響を呼び、商品の販促や地域観光業活性化につながっています。
また、日本ブランド戦略研究所が2011年に実施した「創業時のストーリーが企業イメージに与える影響」調査では、消費者が企業の創業時のエピソードを知ることで、以下のような企業イメージの変化があったという結果が出ています。
「好感が増した」(30%)、「信頼感が増した」(20%)、「この企業の夢や願いを感じた」(35%)、 「親しみが増した」(47%)、「技術力を感じた」(35%)、「この企業の理念を感じた」(29%)
会社の歴史を振り返る周年事業との親和性も高く、周年事業の一環としてご相談頂く企業様も多くいらっしゃいます。
脱コモディティ化のための手法として、ストーリーブランディングを取り入れてみることを検討してみてはいかがでしょうか。
幻冬舎メディアコンサルティング
太田 晋平
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