意外と知らない広告費用。媒体別広告費用16選
株式会社電通の発表によると、2021年日本の総広告費用は6兆7,998億円、前年比110.4%となりました。 コロナ禍の緊急事態宣言・まん延防止等重点措置などの影響を受けつつも、コロナ禍の規制緩和に伴う景況感や消費者心理の改善から全体的な広告費が回復したようです。さらにインターネット広告のさらなる需要の高まりから、前年と比較し伸びた模様です。また東京オリンピック・パラリンピックの開催も広告需要を後押ししました。 好調を続けている広告市場ですが、その費用の内訳まで把握されている方は少ないのではないでしょうか。 そこで、今回は各媒体ごとの広告費用についてご紹介いたします。
マスコミ四媒体の広告費用
マスコミ四媒体とは、新聞、雑誌、ラジオ、テレビの主要な4つの広告媒体のことです。
下記に、新聞広告、雑誌広告、ラジオ広告、テレビCMの費用をそれぞれ解説していきます。
【新聞広告】 読者は年々減少していますが、新聞は依然として社会的信用度が高いメディアです。 新聞広告は掲載基準がそれぞれの新聞社に設けられており、審査にクリアしたものが掲載可能です。ビジネスパーソンや知的好奇心の高い人、経営者などが読者としてあげられるため、企業としての信頼性の獲得を期待できます。 全国版の全15段広告(1ページ)は以下の通りです。
・読売新聞 約48,000,000円 ・朝日新聞 約40,000,000円 ・毎日新聞 約26,000,000円 ・日経新聞 約20,000,000円
料金は上記外にも広告サイズ、地域、朝刊、夕刊などによって細かく設定されています。 活用を考えている方は、媒体資料を参照してみてください。
参考:読売新聞広告料金表
【雑誌広告費】雑誌も年々読者が減少しており、それに伴い広告費も伸び悩んでいます。 雑誌広告の特徴は、読者の性別・年齢・ライフスタイル・趣味志向によってターゲットを絞り込むことができることです。 しかし、その分、狙いがぶれるとその効果が弱くなるので、広告を掲載する雑誌のカラーを適切に判断し、慎重に決める必要があります。
・GOETHE 2,200,000円(4色1ページ) ・GINGER 1,600,000円(4色1ページ)
雑誌も新聞同様にサイズ、掲載場所によって細かい料金設定がされています。 活用を考えている方は、代理店などのページを参照するといいでしょう。
参考:雑誌広告ドット・コム
【ラジオ広告費】 ラジオ広告費は、 東京2020オリンピック・パラリンピックに関連した番組への出稿も寄与した結果、前年比103.8%とのことです。コロナ禍の巣ごもり需要の高まりから、日用品の分野での伸び率が高かったようです。
20秒スポットCM ・TBS 70,000~100,000円 ・文化放送 50,000~100,000円 ・ニッポン放送 65,000~100,000円 ・TOKYO FM 70,000~100,000円 ・J-WAVE 70,000円
参考:広告ダイレクト
【地上波テレビ広告】 地上波テレビ広告は年間を通してプラス成長でした。新型コロナによる影響が前年と比較して落ち着いたことから、前年比111.7%という伸び率を記録したようです。日本はテレビの普及率がほぼ100%ですので、最も影響力の高いメディアだといえます。
短い時間に商品やサービス、企業イメージを印象づけるため、広く認知を高めるのに最適な媒体です。
・日本テレビ 400,000円 ~ 750,000円 ・TBSテレビ 400,000円 ~ 750,000円 ・フジテレビジョン 400,000円 ~ 750,000円 ・テレビ朝日 400,000円 ~ 750,000円 ・テレビ東京 200,000円 ~ 300,000円 ※CM料金(15秒1本あたり)
参考:広告ダイレクト
インターネット広告費
インターネット広告とは、企業がWebサイトやスマートフォンのアプリなどに掲載する広告です。マスコミ四媒体の広告施策に比べて低コストでターゲットを絞った運用ができ、さらに効果測定がしやすく、運用しながら修正や改善を行うことが可能な利便性が特徴です。
社会的にDX化がますます進む中でインターネット広告は、継続して市場が拡大しつづけています。2021年には2兆7,052億円を記録し、マスコミ四媒体広告費を初めて上回るなど、顕著な伸び率が特徴です。特に映像系の媒体を中心に、動画広告需要の高まりがみられます。
下記にインターネット広告の種類とその費用を解説していきます。
【リスティング広告】 リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果ページに表示される広告のことです。 検索結果の上位に表示されるので、高い効果が期待されます。 また、クリックによって初めて課金され、相場はおおよそ1クリック10円〜500円、敷居の低い広告といえます。
主要媒体:Google Adwords、Yahooスポンサードサーチ 参考:Google Adwords
【アフィリエイト広告】 アフィリエイト広告とは、広告主が設定した成果(商品やサービスの購入や申込み)が発生した場合に費用を支払う広告です。 ブログなどでブログの内容に関係する商品やサービスの広告が貼られているのを見たことがあるのではないでしょうか。 アフェリエイトもクリック課金式なので、低予算でも始められます。 ただし、リスティング広告と違い、初期費用、月額固定費、手数料などが必要となります。
主要媒体:A8.net、バリューコマース 参考:A8.net
【ソーシャルメディア広告】 ソーシャルメディア広告は、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアで拡散させる性質を持った広告です。 Facebook・Twitter離れという言葉も聞かれますが、やはりまだまだ影響力は大きいです。 最近はInstagramやPinterestなど、ヴィジュアルに訴求するSNSが流行しています。
料金形態:エンゲージメント課金型、クリック課金型 相場: 1CPE1円~200円前後など 主要媒体:Facebook広告、Twitter広告
参考:Twitter広告
【動画広告】 動画広告(視聴型広告)は、YouTubeをはじめとした動画共有サイトなどで扱われる動画などの視聴型の広告です。 視聴毎に課金される仕組みなので、テレビ広告よりも低予算でターゲットにリーチできるのが特徴です。 ただし、Youtubeの広告は煩わしいと思っているユーザーが多いので注意が必要です。
相場: 10~200円/1クリック 主要媒体:Youtube広告
参考:Youtube
【ネイティブ広告】 キュレーションサービスやまとめサイト内に掲載される広告に見えないような広告手法を指します。 ページビューは保証されていますが、別途コンテンツ制作費が必要となります。 インターネット広告の中では高めの部類に入ります。
相場: 2万PV = 100万円前後など 主要媒体:Gunosy、SmartNews、Antennaなど
参考:Gunosy
【メール広告】 メール広告は、消費者に向けて配信するインターネット版ダイレクトメールのような広告です。 ある程度まとまったターゲットのリストに配信するので、効果は期待できるでしょう。 費用も配信数によって決めることができるので予算が組みやすい広告といえます。
相場: 5円~20円/1通 主要媒体:Demail、メッセージFなど
参考:Demail
プロモーションメディア広告費
プロモーションメディア広告とは、セールスプロモーション広告のことを指します。
屋外広告や交通広告、折込チラシ、DMなど、多岐にわたります。
2021年はコロナ禍による外出自粛が緩和されたことで人流の回復を受け、出稿控えも全体的に和らぎました。今後も堅調に推移するとみられています。
【屋外広告】 ・大型ビジョン 大型ビジョン 大都市の主要駅前などに設置させれている大型スクリーンに放映される広告です。 大きな画面で表示される広告は多くの人々に強い印象を与えることができます。 新宿のスタジオアルタや渋谷のユニカビジョンが有名です。
屋外広告では3DのOOHが注目され、新たな可能性が広がっています。
スタジオアルタ(新宿) 600,000円(7日:15秒×28回放映) ユニカビジョン(渋谷) 500,000円(7日:15秒×36回放映) Q’ EYE(渋谷) 500,000円(7日:15秒×30回放映) 109フォーラムビジョン(渋谷) 399,000円(7日:15秒×30回放映)
参考:アルタビジョン料金表ースタジオアルタ
【交通広告】 交通広告とは、交通機関、交通施設、移動車両のスペースを利用して展開される広告のことです。 電車内の中吊り広告や駅のポスター、バスラッピングなどが交通広告にあたります。交通広告のなかでもタクシー広告は、サイネージ搭載車が増加している背景から、ラッピング広告を含め増加傾向にあります。
●中吊りポスター 大勢の人が使用する電車は高い効果が期待できる広告です。 JRの中吊りポスターの場合、平日2日枠でシングル(B3サイズの横置き)で2,100,000円、ワイド(B3の用紙を2枚横につなげたサイズ)で4,200,000円です。 平日枠と日曜日を含む土日月枠で料金体系が異なります。
平日2日枠 路線名:山手線群 期間:2日 枚数:2,700枚 料金: 2,100,000円(シングル) 4,200,000円(ワイド)
土日月3日間枠 路線名:山手線群 期間:3日 枚数:2,700枚 料金: 1,680,000円(シングル) 3,360,000円(ワイド)
参考:JR東日本:中吊りポスター料金表ー株式会社エキスプレス広告社
●駅構内広告 駅構内広告とは、ホームに設置してある看板や駅に貼られているポスターを指します。 当たり前ですが、利用者が多い駅になればなるほど料金が高くなっていきます。
・ホーム向かい駅看板セット 12,000,000円(1か月:山手線、17駅×20面) ・ホーム向かい駅看板 1,320,000円(1年:JR品川駅、電飾看板) ・トレインチャンネル 1,100,000円(7日:中央線快速、15秒×4本) ・ホームドアステッカー 1,000,000円(1か月:地下鉄三田線S・1等級駅) ・駅ポスター 84,000円(7日:首都圏S駅ランク、B0サイズ) ・駅ばりポスター 60,000円(7日:都営地下鉄S等級駅、B0サイズ) ・自動改札ステッカー 5,500円(1か月:都営地下鉄S等級駅)
●バスラッピング広告 バスラッピング広告とはバスの車体に書かれた広告のことを指します。 移動するバスは人々の目につきやすく、インパクトが強いことが特徴です。 費用は路線やバス会社によって異なります。
都バス フルラッピング 特S 渋谷(都01、RH01) 1年4,000,000円 S 渋谷 1年3,000,000円 特A 新宿・杉並・小滝橋・早稲田・深川* 1年2,000,000円 B 品川*・港南・巣鴨・北・練馬・江東・深川 1年1,200,000円
【折込広告】 新聞の折り込みチラシ。 10年前から部数は減少していますが、スーパーマーケットなど地域に密着している店舗にとって強力な広告ツールです。
東京都23区 33,000円(B4サイズ×1万部配布) 千葉県全件 40,000円(B4サイズ×1万部配布) 埼玉県全件 35,000円(B4サイズ×1万部配布)
参考:毎日折込株式会社
【DM】 既存のお客様に向けた来店促進としてダイレクトメールはよく使用されます。 ショップで会員登録した後に、セール情報などのダイレクトメールが届いた経験は誰にでもあると思います。
A社 79,000円(1,000枚×79円、送料+作業代込、200gまで) B社 63,000円(1,000枚×63円、印刷代・宛名印刷・郵送代込) C社 32,000円~(1,000枚×32円、片面フルカラー印刷のみ)
参考:デラダス
【映画館】 映画が始まる前に放送されるCM。 映画に向けて気分が高まってる方に効果的なメッセージを届けることができます。 こちらも駅広告同様に利用者数の多い映画館であればあるほど広告料金は高くなります。
伏見ミリオン座 150,000円(4週:2館5スクリーン、15秒) TOHOシネマズ梅田 780,000円~(2週:10スクリーン、15秒) 109シネマズHAT神戸 300,000円~(2週:10スクリーン、15秒) 松江東宝5 180,000円~(2週:5スクリーン、15秒)
参考:映画館広告(シネアド)ー株式会社ア・アド・エージェンシー
【企業出版】企業出版とは、企業がブランディングやマーケティング目的で出版する手法です。狙ったターゲットに対して、密度の高い情報を届け、アクションに導くことができるほか、企業の資産として長期的に活用することができます。企業出版はブックマーケティング、カスタム出版とも呼ばれ、出版社によっても費用は様々です。刷り部数やページ数、書籍のサイズなどで費用は変わります。
企業出版費用 約6,000,000円~
参考:企業出版の費用—株式会社幻冬舎メディアコンサルティング
まとめ
本コラムでは、各媒体の広告費について解説いたしました。 今回、ご紹介した広告媒体はごく一部であり、その他にもさまざまな広告媒体します。 普段何気なく目にしている広告。その広告料金について調べてみると広告市場の相場がわかってくると思います。
企業の広告予算の中で、どの媒体にどのくらいの広告宣伝費用を使うのか、自社の課題とサービス、ターゲットを鑑みて適切な費用対効果の上がる広告施策を行いましょう。
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