書籍出版を活用して、「新規顧客の開拓」に成功した税理士事務所の事例
税理士や社会保険労務士などの士業は、差別化が難しい業種です。今回は、書籍出版を通してスペシャリストとしての地位を確立し、新規顧客の獲得に成功した税理士事務所の事例を紹介します。
他事務所との差別化を図るため、書籍を用いたブランディングを選択
「寺田税理士・社会保険労務士事務所」は、事務所の強みをどのように発信していけばいいのか悩んでいました。一般的に、税理士は世間からのイメージが確立されており、差別化を図ることは困難です。
しかし同事務所は、単なる税理士事務所ではない、税理士と社会保険労務士のダブルライセンスだからこそのサービスを提供しており、ほかとは一線を画しています。それを伝える方法は何か。選ばれたのは、「書籍出版」でした。
スペシャリストとして地位確立のために出版された書籍『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』では、労務・税務・助成金といった総合的な観点から、効果的で最も得する「人材投資スキーム」を実践的なケーススタディで紹介。さらに、業界別、ニーズ別にわけて解説したことで、幅広い読者に興味を持ってもらえる内容となりました。
キャッチーなタイトル付けが功を奏し、問い合わせが大幅に増加
書籍出版後は、ターゲットである中小企業経営者が多い大型書店を中心に配本。書籍のPOPも併せて配布することで、ほかの書籍との差別化を図りました。
するとまもなく、事務所には書籍からの問い合わせが毎週のように舞い込み、そのうちの数件は顧問契約までつながりました。特に『中小企業の人材コストは国の助成金で払いなさい』というキャッチーなタイトルの効果は絶大で、助成金に関する問い合わせが大幅に増加しました。
効果はこれだけに留まりません。出版記念パーティーを開催したことで、著者である寺田慎也氏は税理士・社会保険労務士としてのパーソナルブランディングにも成功し、既存顧客との関係性がさらに強固なものとなりました。「本を出した」という圧倒的な信頼性が、このような結果をもたらしたのです。
メディアとしての信頼度が高い「書籍」の圧倒的ステータス
たとえ自社ならではの強みがあったとしても、その強みを効果的に発信できないと世間からは認知をしてもらえません。その点、書籍はメディアとしての信頼度がもともと非常に高く、出版すること自体がブランディングになります。
一冊で数多くの情報を伝えられる書籍は、自分たちの強みや商材について理解を得るために最適なツールなのです。