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ワン・トゥ・ワンマーケティングを成功に導くニッチブランド戦略

著者:山口 恵市

ワン・トゥ・ワンマーケティングとは顧客と一対一の信頼関係をつくってモノを売る方法であり、以下のようなメリットがあるといわれています。

①リピート率の向上

顧客との間に親密な関係が築かれることにより、商品の購入を繰り返してくれる可能性が高まります。

②関連商品等の追加販売による売上拡大

一対一でやり取りをするなかで、顧客が何を求めているのかを長期間にわたり的確に把握することが可能となります。そうした顧客のニーズに応じて、適宜、関連商品を提供することでさらに売上が拡大することも期待できるでしょう。

③新規顧客の紹介

ワン・トゥ・ワンマーケティングの結果として満足度が高まった顧客からは、新規客の紹介を得られることもあります。

マス広告の神通力が弱まってきた時代の中で、それに代わる宣伝・販売戦略としてワン・トゥ・ワンマーケティングの手法を取り入れることがこれからは不可欠になると考えられています。その具体的な手段として、実際にSNSを活用する試みもさまざまなかたちで始められています。

そして、個人や小規模の企業体によって作られるニッチブランドは、大手に比べて小回りが利くだけに顧客に寄り添いやすく、消費者と一対一の関係をよりつくりやすい条件を備えているとみられているのです。

そもそもニッチブランドは、「ECでただ売る」というスタンスでは絶対に成功しません。顧客となる可能性のある人達にしっかりとブランドの情報を伝え、そのファンになってもらうことが必要になります。そのためには、SNSを意識的に利用してワン・トゥ・ワンのコミュニケーションを積極的に行っていくことが求められます。

ニッチブランドの方程式「つくる」「伝える」「売る」

EC スマホ、SNSの普及・発展は、同時にニッチブランドの成長を促す理想的な条件や〝場〟をもたらしてきたといえます。また、これら3つの利用者、市場は今後もさらに拡大していくことは間違いありません。したがって、ニッチブランドのマーケットもそれに比例してより一層大きくなっていくことは確実です。

ニッチブランドは、①「つくる」、②「伝える」、③「売る」の3つの段階を経て創出されます。

①「つくる」は商品を企画・開発し生産する過程になります。市場が求めるニッチなニーズに応えて、一つのストーリー性をもったモノをつくりあげていくプロセスです。

また、つくった商品を「買いたい」と思ってもらうためには、大前提としてその存在や中身等に関する情報を知らせなければなりません。そこで、②「伝える」作業が必要になります。

この段階では広告で宣伝するだけでなく、「こんないい商品があったよ」「面白いよ」と口コミで情報を拡散してもらう仕組みを整えていくことが求められます。とりわけ大事になるのは「誰が伝えるか」です。具体的には「○○に詳しい××さんがいいと言っているのだから、この商品はすばらしいに違いない」などと信頼感を与えられるような人を通じてブランドの情報が広がっていくことが望ましいでしょう。

そして、商品を消費者のもとに届けるためには販売の仕組み(販路)をつくり上げなければなりません。この仕組みづくりが③「売る」になります。ニッチブランドの販路はECが主体となりますが、売上・利益を最大化するためにはリアル店舗にも流通することが必要になります。このECとリアルの連携はニッチブランドの流通設計において最も重要な課題の一つとなります。

SNSでアーリーアダプターを狙い打つ

ニッチブランドのプロモーション戦略においてはSNSを活用することが重要です。具体的にはSNSを通じてブランドの情報を発信すると同時に、商品のユーザーにもSNSによって情報を拡散してもらうことが大切になります。

その際、SNSの運用を消費者のタイプに応じて2段階に分けて展開すると、プロモーション活動をスムーズに進めることが可能となるでしょう。

まずファーストステップ(第1段階)では「イノベーター」「アーリーアダプター」にターゲットを設定します。イノベーターとは、冒険的精神に富んでおり新しい商品・サービスを積極的に採用する人達です。一方、アーリーアダプターは、革新的商品やサービスなどを比較的早い段階で採用・受容する人々です。

こうした方々は、多くの人にはあまり知られていない、いいことやいいものを教えてあげたいという思いが強いので、ニッチブランドへの関心も高く、まだブランドを知らない人達に積極的に広めてくれることがあります。

例えばSNSを通じて、製造工程に関する苦労話などを発信したり、質疑応答などのコミュニケーションを行ったりと、商品の情報をこまめに提供し、ブランドのことを理解し、共感してもらうことで、より積極的に多くの人に情報を発信してもらうこともできるのです。

続いてセカンドステップ(第2段階)では、ターゲットを「マジョリティ」に定めます。マジョリティとは、ごく一般的な大勢の消費者のことです。このタイプに属している人達は、流行っているものをあとから取り入れる傾向が強く、SNSでも「流行に乗っている」ことをアピールすることを好みます。

そこで、マジョリティを取り込むためには、SNSによるプロモーションだけではなく、広告活動も積極的に行って「流行っている感」をあと押しすることが望ましいかもしれません。

SNS活用でプロモーションを成功させた企業の事例

大手ブランド、ニッチブランド、さらにはEC、リアル店舗を問わず、SNSをプロモーションに活用する企業は毎年、増え続けています。ここでは、それらの中から特に印象に残った例をいくつか挙げておきましょう。

①「キリン 旅する氷結」

俳優の高橋一生を起用し、その公式Instagramで商品をPR。この企画限定でのアカウント開設に注目を集めました。またファンならば、好きな俳優やタレントがSNSを通じて何度も「飲んでみてください」と訴えてきたら「飲んでみようかな」と思うでしょう。

②#FR2(アパレルブランド)

同社の製品を着用した女性のお尻のアーティスティックな写真などをInstagramに投稿し話題を集めています。SNSを入口にして、世界のどこかの著名人にさえ受けることができればヒットが可能になるというかたちを示した一つの実例ともいえます。

③RiLi STORE(ECアパレルブランド)

2017年12月に導入されたストーリーズハイライト機能を利用して、「インスタ公式アカウントで商品を紹介=ECサイトへ誘導」というSNSの典型的な「戦略」を実践しています。公式アカウントではインフルエンサーをモデルに起用し、「RiLi・tokyo」というオウンドメディアも運用。そのフォロワーを増やすことで、さらに集客につなげるなどマルチなプロモーションを展開しています。

④yellow(韓国系ECアパレルブランド)

徹底したフォロワー視点に感心させられます。単に商品やモデルの画像をアップするだけではなく、撮影をすべて韓国で行うことで、現地の空気感やトレンドと合わせて商品を伝えています。そのような試みによって、「現地のオシャレ」のフィルタを通して商品を購入したい日本国内の韓国ファッションファンのニーズに応えているのでしょう。

購入に至るサービスはすべて日本語対応しているところも〝二重丸"です。 私自身も、SNSやインフルエンサーのもつ効果を深く実感したことがこれまでに何度かありました。

ネット上で影響力をもっていたある漫画家の方が、私の会社で取り扱っていた商品をブログで紹介したところ、その情報がTwitterで瞬時に流れ、翌日には取り上げられた商品の売上がどーんと上がったことがあります。

また、台湾のある女性インフルエンサーが私の会社で開発した角質柔軟美容液を、後述するライブコマースのかたちで紹介してくれたこともありました。すると、それが大きなきっかけとなって短い間に千本以上も売れたことがありました。

この台湾の例も示すように、SNSは国内はもちろん、海外で商品を販売する際にも大きな力を発揮するまさに万国共通の効果的なプロモーション手法といえるでしょう。

こちらのコンテンツはこの書籍から抜粋しております。

書籍名:ニッチブランド革命デジタルマーケティング時代のヒットの法則 著者:山口 恵市 (株式会社ファヴールマルシェ)

株式会社ファヴールマルシェ代表取締役社長。 20歳で広告代理店に入社し、商品のパッケージや広告物をデザインするなか、既存のブランドのPRに貢献するだけでなく、主体となってブランドをつくりたいと考え、転職を決意。ECを利用したブランドビジネスを行っていた会社に注目し、デザイナーとして就職する。
2014年、株式会社ファヴールマルシェ設立の折に社長に就任。以後3年で生み出したブランドは10件以上、商品は累計50点以上にのぼる。 現在では、ECを利用してブランド創出から流通までを自社で担う、新しいブランドビジネスを確立、提唱している。
社名である「ファヴールマルシェ」は、「恵市」という名前をもとに「faveur(恵み)」ある「marché(市場)」を多くつくりたいという思いをこめてつけられた。

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