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本を印刷するには? 印刷の種類からやり方までの完全ガイド

著者:幻冬舎メディアコンサルティング 編集局・部長 伊藤英紀
幻冬舎流・書籍マーケティング入門

趣味で小説やエッセイ、詩を書いていて、それを印刷して本をつくりたいと思っている人は少なくありません。同人誌やミニコミ誌、ZINE(ジン)などの小冊子やリトルプレスをつくる人も増えています。本を印刷するには、印刷会社(印刷所)に依頼するのが一般的ですが、自分で印刷することもできます。ここでは本を印刷する方法を解説していきます。

1.印刷の種類

本の印刷方法は、大きく分けて2種類あります。「オフセット印刷」と「オンデマンド印刷」です。それぞれに特徴があります。

①オフセット印刷

オフセット印刷とは、本や写真、アート作品の印刷など、現在主流として世界的に幅広く利用されている印刷方法です。文字や写真の色などの再現性に優れ、高い品質が求められる印刷物を大量印刷するのに適しています。

②オンデマンド印刷

オンデマンド印刷とは、レーザープリントのことで、パソコンで作成したデジタル組版データから、ダイレクトに印刷物を制作する印刷方法です。印刷機は「有版デジタル印刷機」と「無版デジタル印刷機」の2種類があり、無版の場合に、特にオンデマンド印刷と呼びます。オンデマンドという名前のとおり、ユーザーの要求に応じて必要な枚数を印刷することができるのが特徴です。

2.印刷の具体的な方法

印刷の具体的な方法についても、オフセット印刷、オンデマンド印刷に分けて見ていきましょう。

①オフセット印刷

オフセット印刷は、オフセット印刷機に用紙をセットして印刷します。平版印刷で薄いアルミ板からなるPS版を使用するのが一般的です。PS版とはアルミニウムを基本とする金属板の上に感光材を塗装された版のことで、PS版は凹凸がなく平たい刷版です。この平版印刷とは、凸版、凹版、孔版と同様の印刷技法の1つで、版のイメージを紙に写すのではなく、版に付けたインクをブランケットに一度写してから紙に写す印刷方法です。

ブランケットとは板状のゴム製品のことで、オフセット印刷機のブランケット胴に備え付け、版から直接用紙には印刷せずに、ブランケットを介して印刷を行います。それにより版の消耗を減らすとともに、版面の水分を弾き、用紙に触れさせない効果があります。

オフセット印刷には、紙を1枚ずつ印刷する「枚葉機」と、何枚も連続して印刷する「輪転機」の2種類があります。多くの印刷で使われるのが枚葉機です。鮮やかな色の再現や加工力に優れ、チラシやポスターなどの一般印刷物のほか、パッケージなどの厚い紙にも使用できますが、基本的に少量生産に適した印刷法とされています。一方、輪転機は、インクの乾燥を機械上で行い、用紙の切り抜きや折りの作業もできるため、雑誌や書籍などの大量生産に適した印刷法です。

②オンデマンド印刷

オンデマンド印刷は、データを読み取り、トナーという着色材料を使用してカラーレーザー印刷機で印刷を行います。オンデマンド印刷を使うと、少量の印刷物を短納期で仕上げられます。オンデマンド印刷は、版を制作する作業がないために、費用が抑えられ、スピーディーに印刷することが可能です。

多くの部数を印刷したい場合は、オフセット印刷のほうが適していますが、そうではなく少部数(1冊でも)の場合は、オンデマンド印刷を利用したほうが有効です。

3.印刷の値段

通常、印刷部数が多い場合はオフセット印刷、少部数の場合はオンデマンド印刷がおすすめです。

ただ、用紙の種類や厚さ、製本加工(中綴じ・無線綴じ)などによって値段が変わることもありますので、初心者は印刷会社が用意している、いわゆる「本のセット」を利用すると便利です。これは本をつくるにあたって必要な表紙、本文、製本等をどのようにするかという情報をまとめたものです。初めて本をつくる人でも、このセットを利用すれば表紙の紙質や色などのオプションを順番に選んでいくだけで、簡単にハードカバーでもソフトカバーでも好みの本がつくれます。

いずれにせよ、オフセット印刷もオンデマンド印刷も費用は会社によってさまざまです。いまは多くの印刷会社が自社のホームページで自動見積もりのサービスを提供していますので、複数の会社で比較検討することをおすすめします。

4.自分で印刷するには?

本を印刷する場合、通常は印刷会社に依頼しますが、小冊子を仲間内に配りたいというような場合は、自分で印刷する方法もあります。これは「コピー本」とも呼ばれ、原稿を自分で作成し、自宅のプリンターやコンビニのコピー機などで「コピーしてつくった本」のことです。身近なコンビニなどで作成できるので、簡単な冊子や、初めて同人誌をつくる際などはコピー本を選ぶ人が多いです。

ただ、印刷会社に依頼するのに比べて安価に製本できますが、印刷部数が増えると労力がかかるほか、製本も簡易なホッチキス止めしかできないという難点があります。

5.印刷ミスがあった場合は?

本や冊子を印刷会社に依頼してオンデマンド印刷でつくったとしましょう。ところが納品されてきた本に印刷ミスが見つかった場合は、どうすればいいでしょうか。印刷ミスの典型例は、製本の際にページの順番がバラバラに綴じられてしまう「乱丁」と、一部のページがそっくり抜け落ちてしまう「落丁」です。またはページが折れていたり、インクが貼りついてページが開けないということもあります。

こうした場合、まずは印刷会社に連絡することになりますが、責任が明らかに印刷会社側にある場合は、印刷ミスの冊数分を刷り直して交換してくれたり、場合によっては返金してくれることもあるでしょう。一方で、入稿したデータに間違いがあるケースもあり、この場合は、基本的に返金等はありません。発注の際には不備がないか、納得いくまで確認するようにしましょう。

なお、本をつくる上で気をつけたいのは著作権の問題です。人の著作物やネット上のメディアなどから無断で文章や記事、写真、イラストなどをコピーして利用することは著作権侵害になります。十分な注意が必要です。

6.企業出版という選択肢もあり

本をつくりたい、印刷したいと考えている人の中には、自費出版を検討している人も少なくないと思います。ただ、自費出版にもいろいろなタイプがあり、手がける出版社や印刷会社も多様です。

そんななかで、企業の社長や弁護士事務所や税理士事務所などの士業に携わる方々、開業医などから注目されているのが「企業出版」です。企業出版は、書籍の制作費を著者(企業)が負担する形式の出版です。ただ、一般的な自費出版とは異なり、ブランディングや集客といった企業課題を解決するための本です。

企業出版を手がける出版社は、書籍の制作に加え、コンサルティングも担当し、編集者による企業課題ヒアリング、課題解決に効果的な企画の提案、ライターによる質の高い文章の作成、デザイナーが手がける美しい装丁など、企業出版ならではの専門的なアプローチを行います。企業側が伝えたいメッセージがしっかりと形になり、全国の書店に流通します。

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