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「豆生活」の啓蒙で若い女性の心をつかむ!大成功した老舗菓子会社の70周年事業

著者:GMCブランド戦略室

節目となる周年に記念事業を行う企業は少なくありませんが、一時的なキャンペーンではなく、何かしらの課題解決につながるプロジェクトにしたいと考える企業が増えています。今回は、周年事業として書籍を出版し、購買層の幅を広げることに成功した企業の事例を紹介します。

普段なら「できないこと」でも周年事業なら実行できる

企業の周年事業としては、記念イベントやキャンペーンの実施、特設サイトの運用や社史の編纂など、さまざまなパターンがあります。特別に予算がつくこともあり、「普段はできないこと」が可能になる機会でもあります。

営利企業である以上、周年記念といっても費用対効果の高い施策を企画したいところです。さらにいえば、周年に際した一時的な効果だけでなく、企業として抱える従来からの課題解決に踏み込んでいきたいところです。

周年事業にはさまざまな選択肢がありますが、今回は、周年事業として書籍の出版を選び、長年の課題の解決まで実現した「株式会社豆福」の事例を紹介します。

美容・健康面における「豆摂取のメリット」を徹底訴求

株式会社豆福は、大豆などを使った豆菓子を製造・販売する企業です。創業70周年に際し、自社の製品のPRを大々的に実施したいと考えていました。

同社は、国産大豆にこだわって付加価値の高い製品を開発し、他社との差別化を図っていましたが、購入者がシニア世代に集中しており、いかに若い世代に自社の豆製品をアピールするか、という課題を抱えていました。

若い世代に自社の豆製品を訴求するうえで、同社は「豆に含まれる栄養素の豊富さ」に着目しました。豆に美容や健康によい栄養素が豊富に含まれていることを知らしめることができれば、若い世代、特に女性に対して豆製品の購入を促していける、と考えたのです。

同社が出版したのは『キレイの秘密、豆生活』という書籍です。若い女性を明確に意識した装丁を取り入れ、「体の中からキレイに」をテーマとして、美容や健康面における豆製品摂取の有用性をアピールする内容としました。

豊富なコンテンツを盛り込める書籍の特徴を生かして、前半部分では日常生活の中で簡単に豆を食べるためのレシピを数多く掲載。後半部分では豆に含まれる栄養素が美容や健康に及ぼすプラスの影響について解説し、豆製品摂取のメリットを啓蒙したのです。

書籍が実際に並ぶ場についても気を配り、ターゲットである若い女性の注目を集めるため、カフェ併設の書店や女性の利用率が高い書店に集中的に配本しました。周年事業で「普段はできないことをやる」という思いもあり、平積み書籍のPOPに商品(実際の豆)を貼り付けるといったユニークな手法も取り入れました。

この結果、『キレイの秘密、豆生活』はあっという間に「話題の本」となり、同社の認知拡大とともに、購買年齢層を引き下げるという長年の課題を解決するプロジェクトとなったのです。

このように周年事業は、普段であればなかなかできないことにチャレンジする絶好のチャンスです。もともと、周年事業との親和性が極めて高い書籍出版ですが、単に記念になるだけの施策ではなく、自社の課題を解決できるようなプロジェクトを、目的意識を持って企画・実施する機会にしたいものです。

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