独自性や強みをアピールしづらいコンサルティング業 ターゲットからの反響が続出したブランディング事例
自社商品・サービスの価値を見込み顧客にうまく伝えられていないという理由で、プル型集客に苦戦する企業が数多く存在します。PRの予算・リソースは限られるため、自社の規模と戦略に合った手法を選択しなければなりません。今回は、人に代わるツールとして書籍を有効活用し、企業ブランディングを成功させた事例をご紹介します。
「無形のノウハウ」を「目に見えるサービス」に変えるには?
会計事務所やコンサルティング会社など、無形のノウハウを商品・サービスとする業界では特に、営業が困難を極めます。知名度がない企業であればなおさら「目に留めてもらう」「知ってもらう」ための戦略を立てる必要があります。
見つけてもらうためには何をするべきか。まずは、自社の商品・サービスの知ってもらうべきポイントを明確にすることです。他社との差別化を図るために自社の得意分野を明らかにし、顧客にとってのメリットを伝えなければなりません。
特に、限られた人のみをターゲットとするニッチなビジネスは、競争相手も少ないため、正しく伝えることができれば選ばれる確率は高くなります。
たとえ無名の企業でも、サービスのオリジナリティを強調することでニッチ層から注目が集まれば、認知度がアップし、ひいては企業そのものの知名度向上へとつながっていきます。
「サービス」をブランド化する「ネーミング」の重要性
自社の強みをもっとうまく伝えるにはどうするべきか。同様の悩みを抱えていた企業の出版事例を二つ、ご紹介します。
一つ目は、企業経営者などを対象に事業展開していた税理会計事務所「みなとみらい税理士法人」。出版当時(2013年)、代表は、少しずつクリニックからの相談が多くなってきたこともあり、クリニック専門としての打ち出しを強化したいと考えていました。
クリニックの経営・税務に関する専門書は既に存在していましたが、専門書ではなく教科書のような分かりやすさを重視した『クリニック開業読本』を出版。開業を検討する多くの医師から反響を獲得し、ブランディングに成功しました。その後も、書籍を活用した情報発信を継続し、2019年に至るまでに4冊出版しています。
二つ目は、石川県の経営コンサルティングオフィスである「Kコンサルティングオフィス」です。建設業専門の経営コンサルティングを事業としていましたが、業界を絞っている分、新規開拓に苦戦していました。
そこで『たった1年で利益を10倍にする 建設業のための経営改善バイブル』を出版。石川県を拠点にしながら関東、東海、近畿をメインに書籍を置くことで、営業できていなかった地域での顧客獲得に成功しました。
また、付随する効果として、新規営業先との初回面談や、金融機関との交渉の際に「この本を出している会社です」と話すことで、一気に信頼を獲得することにつながっています。
自社商品・サービスの価値に共感してくれるクライアントの獲得には、やはり企業ブランディングが重要です。新たな価値を生み出し、それを可視化してアピールすることができれば、「こんな商品、サービスが欲しかった」と、ターゲットを惹きつけることになるのです。