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書籍で暴かれた医学部受験の「闇とカネ」。仕掛けた専門予備校の狙いとは?

著者:GMCブランド戦略室

商品・サービスの表面的な特徴に大きな差がない場合、ブランド力が重要となります。大手企業のように予算が潤沢ではない企業が、ブランド力を強化する方法はあるのでしょうか。今回は、書籍出版によって他社との差別化を実現した事例をご紹介します。

価格や表面的な機能・品質では「差別化できない」業界も多い

消費者はどのような動機で商品やサービスを選んでいるのでしょうか。消費者庁による、全国の男女2000人を対象にした調査によると、「商品やサービスを選ぶとき、次の項目をどの程度意識しますか」という問いに対して、「かなり意識する」「ある程度意識する」の割合が最も多かったのは、「価格」でした。以下、2位「機能や品質」、3位「購入(利用)時の説明や対応など接客態度」、4位「ブランドイメージ」、5位「広告・表示」と続きます。

1位~3位の「価格」「機能・品質」「接客態度」が同業他社とあまり違いがない、という業界も少なくありません。たとえば、予備校のチラシには「東大・京大に○人合格」といった文言が必ず入ってきますし、不動産会社であれば「取扱い物件●万件」といった広告もよく見かけます。

つまり、これらの業界は「価格」や「機能・品質」で差別化要素が見出すことが難しく、結果、似たような広告でアプローチせざるを得ないのです。こうなると体力勝負で、中小企業が大企業に勝つことは容易ではありません。

読者ターゲットは「真実の情報を求めている親」。入塾者の8割が書籍経由に

では、中小企業は何で差別化すればよいのでしょうか。それは消費者が意識しているポイントの4位にある「ブランドイメージ」です。自社のブランディングなくして、他社と差別化なし。そう考え、書籍出版によって差別化に実現した医学部予備校「TMPS医学館」の事例をご紹介します。

医学部予備校業界の競争は激しく、各社がSEO対策、リスティング広告、紙媒体広告、そしてDMなど、あらゆる広告施策に力を入れており、莫大な予算を割かないと生徒は集まりません。

そんな中、TMPS医学館は、受験生の保護者を読者対象とした書籍を制作することにしました。書籍タイトルは「医学部受験の闇とカネ」。医学部受験にまつわる予備校や大学の実態を暴いたものです。

タイトルに「闇」「カネ」というインパクトの強いワードを使用したのは、受験生の保護者を惹きつけるためです。医学部受験専門の予備校がなぜ高額なのか、いくら通っても多浪生が生まれるのはなぜか、といった疑問に答えることで、誠実な医学部予備校としてのイメージ付けに成功しました。

結果、書籍を読んだ保護者からの厚い信頼を得て、前年同期間の5倍の入塾者を獲得することができました。入塾者の実に8割が書籍経由であり、九州など遠方からも生徒を集めています。

実は刊行当時、受験に関して「親」をターゲットにした書籍は少なく、その先駆けになったことも「TMPS医学館」の差別化、ブランディングに寄与しました。他社と圧倒的な差別化を図りたい場合、自社の強みを広告で訴えるのも一つの方法ですが、「TMPS医学館」のように書籍を出すことで、ターゲットにピンポイントにPRするという手もあるのです。

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