「書籍」が最強の営業ツールに…「受注率」が上昇した不動産投資会社の事例
不動産投資は、初心者には難易度が高く、しつこい悪徳業者の口車にまんまと乗せられて、よくわからないまま投資し、大損をしてしまうケースが増えていました。結果、「不動産投資」自体にネガティブなイメージがつき、集客は難しくなっていきました。そのような状況下では、強引に商談を進める悪徳業者の営業力が強く、真っ当なサービスを提供していた企業は、さらに苦戦を強いられるようになったのです。
書籍出版を活用したブランディングで、競合他社との「差別化」に成功
競合が非常に多い不動産投資業界において、「書籍出版」を通じて独自のブランディングをおこない、大量の良質な見込み客獲得に成功した不動産投資会社の事例をご紹介します。
不動産投資を中心とした総合的な資産運用を手がける「大和財託株式会社」は、『はじめての不動産投資成功の法則』と題した書籍を出版しました。
同社は、不動産投資を資産形成の手段として明確に位置付けし、資金調達、物件購入、管理運用、売却などの項目から、顧客向けに収支シミュレーションを提供していました。数多くのデータと事例から、実務的な内容に仕上げることは容易でしたが、ターゲット層である「不動産投資の初心者」に訴求するには、企画段階からの工夫が必要となりました。
同社の資産である豊富なデータを活かし、実務的なノウハウを「初心者にわかりやすい」内容に落とし込むには、どのような構成にするべきか?
数多ある「不動産投資」に関する書籍をリサーチし、競合他社との差別化を図りながら、「ありそうで、なかった」章立てが完成しました。前半は具体的なノウハウを数字ベースで展開、後半に「成功事例」を紹介することで、読者に「自分もできる」と感じさせる構成です。
不動産投資につきまとう「ネガティブなイメージ」を払拭
また、知っておくべき各種利回りの考え方など不動産投資の教科書的な側面をおさえつつ、すぐには理解しにくい不動産用語や投資用語も、図解などで分かりやすく解説を入れました。このように、徹底的に不動産投資を始める初心者にも、抵抗感なく読むことができる内容としました。
また、「騙されないために」など、不動産業界に蔓延る問題点についても率直に記述し、これさえ読めば不動産投資の教科書として信頼のおける情報になるような仕上がりとなりました。
著者である藤原正明氏が、実際の経験を交えて“不動産投資の成功例や失敗例”を解説する章は、読者からのポジティブな反響が多くありました。不動産投資はどうしてもネガティブなイメージがつきまとうので、「損をするかもしれない」「買わされる」と拒否反応を示す消費者も多いものです。だからこそ、著者の経験に基づいた話を中心に、共感のもてる書籍を制作することに注力しました。
配布することで受注率が上昇…書籍は「営業ツール」としても秀抜
同書では多くの読者ファンを獲得し、出版して1ヵ月で見込み客10件の獲得に繋がりました。また、来店した方には、営業マンがこの書籍をパンフレット代わりに使用し、積極的に配るようにしました。すると、次回来店までに読んできてくれるお客さまが多く、受注につながることが多くなったのです。
同書を何度も読み返した読者から、「自分自身で不動産投資の知識を蓄え、正しい投資判断ができるようになった」との反響も増えました。このように、「書籍出版」を活用することで読者を戦略的に正しい方向へエデュケートすることが可能であり、受注につながる質の高い見込み客を集めるだけでなく、創生することもできるのです。