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医療・介護業界と企業出版の相性が「抜群」といえるワケ

著者:GGO編集部
企業ブランディングコラム

本原稿は、WEBメディア「幻冬舎ゴールドオンライン」で配信(2020年12月18日付)された原稿を転載したものです。

企業が事業投資として書籍を出す「企業出版」は、集客・販促、採用、周年事業といった企業のさまざまな課題解決において大きな力を発揮します。本連載では、商業出版との違いなどの基本知識から、企業出版の実践(書籍マーケティング)で成功を収めるための具体的なノウハウまで、株式会社幻冬舎メディアコンサルティングで取締役を務める佐藤大記氏が詳しく解説します。

企業出版は伝えたい情報を正確に伝えられる媒体

企業出版では大きく6つの業界、「不動産」「金融・投資」「士業」「医療・介護」「教育」「B to B」を主要ターゲットにしています。今回は、主要6業界の中の「医療・介護」について、医療分野の「眼科」を例に説明したいと思います。

日本の医療サービスは、公的医療保険を使った保険診療と、医療保険が適用されない自由診療の2種類があります。通常の治療は保険診療ですが、がんの先進治療や代替療法、美容整形、歯科のインプラントなど特別な医療を受ける場合は、全額自己負担の自由診療になります。

社会保障費の増大で公的保険制度の先行きが不安視される中、医療機関では安定収入の確保を狙い自由診療に注力するところが増えています。自由診療は専門性が高く、治療費も高額なため、医療機関側は医療内容についてより詳しく説明するよう努めています。

ただ、医療機関の「広告」のあり方は医療法によって厳しく定められており、医療機関のHPに関しても「医療広告ガイドライン」で細かく規制されています。たとえば「必ず治る」とか、「絶対に安全」などとは明記できず、あいまいな情報提供しかできないのが現状です。

一方で、患者側は高額で、自分の健康や命にかかわることですから、医療機関選びに慎重です。しかし、ネット上の情報は信憑性に乏しく、医療知識の少ない一般の人はどの情報が正しいのかわからず、適切な医療機関や専門家を探し出すのに苦労しています。

そういう外部環境もあり、医療機関としては自由診療に力を入れたいけれど、自分たちの独自のメソッドをうまく伝える術がありません。そこで効果を発揮するのが書籍です。著者である医師が自分の言葉を通して、伝えたい情報を正確に伝えられる唯一の媒体といっていいででしょう。

国民病の白内障に特化した書籍は爆発的に売れた

その成功例の一つが、企業出版で出した『スゴい白内障手術』(2018年10月刊)です。著者はアイケアクリニック(埼玉県草加市)の佐藤香院長で、年間1000件を執刀する眼科手術のスペシャリストです。

白内障は加齢に伴い発症しやすくなる目の病気で、超高齢社会の日本では患者数が増大しています。80歳以上だと100%発症するといわれ、早い人は40代から罹患します。患者数は約1800万人とされ、まさに国民病です。

白内障手術は保険診療と自由診療の両方があります。目の中に入れるレンズによって異なり、保険診療の場合は、単焦点レンズを使います。焦点が一つなので、焦点以外はピンボケ状態になります。一方、自由診療では多焦点レンズを使うので全体にピントが合います。したがって自由診療で手術を受ける患者が増えています。

白内障の手術を手がける医療機関はたくさんあります。患者は手術に失敗して失明したりしたらたいへんですから、みな真剣に情報収集し、最高ランクの医療機関を探し求めます。ただ、前述したようにネット情報は信頼性に欠けるので、書店で白内障治療の書籍を探します。そこで本書と出合うわけです。

本書には他の医療機関と差別化を図るために、眼科全般ではなく白内障手術にフォーカスし、自院の取り組み、数多くの患者を治療してきた実績などが詳述されています。さらに、「いままでスマホで孫の写真が見られなかったけれど見られるようになった」「夫婦で旅行に行き紅葉がクリアに見られるようになった」など、目がよく見えるようになることのすばらしさが記されています。

佐藤院長はなぜそうした治療に取り組んでいるのか、院長の手術の技術とともに、自身の理念や考え、何者なのかをつまびらかにしています。読者からすると、内容は腑に落ちるし、院長の経歴も確かで、この先生は間違いないと確信するわけです。

実は、本書は佐藤院長の2冊目の書籍です。1冊目は『目は若返る 50歳からの眼科治療』(2016年4月刊)という眼科治療全般に関する内容でした。佐藤院長は結膜炎をはじめ一般診療も行っているからです。同書も売れましたが、白内障手術に特化した2冊目は、売れ行きが爆発的に伸びました。

メディア業界は書籍を読んで専門家を探している

影響が大きかったのが、読売テレビ系列『情報ライブ ミヤネ屋』などテレビ番組で取り上げられたことです。白内障の特集を組むため、番組のディレクターが白内障の専門家を探す中で本書を読み、佐藤院長に出演のオファーが来たのです。テレビ業界では、書籍を読んで専門家を探すのが常識のようです。著書がないとその人が何の権威かわからないからです。テレビ出演の広告効果は絶大でした。

アイケアクリニックはまた、新聞広告も積極的に出しています。そこで書籍とセミナー開催の告知をします。新聞の影響力は落ちたといわれるものの、信頼性はまだ十分にありますから、実際に本を読んで、セミナーで先生の話を聞き、やっぱり本物だと納得するのです。

アイケアクリニックはウェブ広告にも力を入れ、ユーチューブなども積極活用しています。幻冬舎MCではウェブ広告の受け皿も万全に用意しています。

新聞もウェブもすべての起点は書籍です。ですから書籍も継続して出しています。2019年12月に3冊目の『白内障治療Q&A』を発刊しました。書籍の唯一の欠点はアップデートができないこと。最新技術の紹介や、法改正などを受けて新刊や改訂版を出します。佐藤院長は常にトップランナーとして、最先端の眼科クリニックというブランディングをする義務があるという気持ちをお持ちです。

実際、クリニックは右肩上がりで成長しています。草加市の本院以外に、銀座、上尾市、蕨市、福島市と分院展開し、大きな眼科クリニックグループを形成しています。毎月十数人が、書籍を経由して白内障手術を受けているそうです。

保険診療の分野でも企業出版は抜群の効果を発揮する

企業出版は自由診療との相性が抜群ですが、保険診療の分野でも多くの書籍を出しています。保険診療においても伝えるべき情報はあります。自分の理念や考え方を伝えたいドクターは少なくありません。

たとえば、『死ねない老人』(2017年2月刊)です。著者の杉浦敏之氏は長年、高齢者医療に携わってきた医師です。先生によれば、大きな病気もなく、経済的にも家族関係にも恵まれているにもかかわらず、「死にたい」という思いに駆られる高齢者が少なくないそうです。そうした増え続ける「死ねない老人」の実態を解説した上で、その背景や解決策を提示した本書は大きな反響を呼びました。

自由診療にせよ保険診療にせよ、医療は人の健康と命にかかわるだけに、患者は正確な情報を求めています。医療機関、ドクターも独自のメソッドや正しい情報、自院の理念や思想を伝えたいと考えています。その橋渡し役として書籍は最高のツールだと確信しています。

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