【第17回】書籍出版後、読者ターゲットに「知らしめる」ノウハウとは? | 企業出版ダントツNo.1の幻冬舎メディアコンサルティング
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書籍出版後、読者ターゲットに「知らしめる」ノウハウとは?

著者:GGO編集部

本原稿は、WEBメディア「幻冬舎ゴールドオンライン」で配信(2021年2月19日付)された原稿を転載したものです。

企業が事業投資として書籍を出す「企業出版」は、集客・販促、採用、周年事業といった企業のさまざまな課題解決において大きな力を発揮します。本連載では、商業出版との違いなどの基本知識から、企業出版の実践(書籍マーケティング)で成功を収めるための具体的なノウハウまで、株式会社幻冬舎メディアコンサルティングで取締役を務める佐藤大記氏が詳しく解説します。

つくるだけでなく「販売」するまでが出版社の責任

幻冬舎メディアコンサルティングが手がける企業出版は、グループ会社の幻冬舎が1993年の創業以来、多くのベストセラー、ミリオンセラーを世に送り出す中で培ってきた「つくる」「知らしめる」「売る」という3つの強みを最大限に生かし、新しい出版モデルとして独自につくりあげたものです。

「つくる」とは、企画・編集力です。ミリオンセラー、ベストセラーを生み出す幻冬舎ならではの出版ノウハウを法人に当てはめることによって、企業の「伝えたい」想いを読者の「知りたい」内容に変換します。次に、絞り込んだ読者ターゲットに告知する広告宣伝力(知らしめる)。そして、幻冬舎が積み上げてきた書店との信頼関係を駆使した流通力(売る)です。この3つの強みが、まさに「企業出版の成功ノウハウ」となっています。

前回まで3回にわたって「つくる」について説明しました。今回は「知らしめる」に関して見ていきます。

企業出版において、制作した書籍をターゲットとする読者とどうマッチングさせるかは重要な課題です。私たちが主要ターゲットとするのは、悩みや課題を抱えて書店にやって来る読者ですが、一方で、想定するターゲットの中には書店に来ない人もいます。

ですから、そうした潜在的な読者に書籍や著者を知ってもらう確率を上げる必要があります。これはメーカーとしての責任でもあると考えています。出版社としてモノ(書籍)をつくっているわけですから、つくって終わりではなく、販売までしなければなりません。それには多くの人にリーチする、ターゲットに一人でも多く届けることが大事になります。

そのために当社にはプロモーション部という専任部署があります。プロモーション部は書店における販売展開や、各種メディアとの連携を通じた書籍・クライアントの認知向上を仕掛け、1%でも認知度を上げる取り組みを行っています。

プロモーション部は、書籍が発売される2ヵ月前から本格的にプロジェクトに参加します。クライアントによって事業内容が異なり、商圏エリアも違いますから、全国のどの地域に重点的に配本するか、新聞広告はどうするかなどを俯瞰して出口戦略を固めていきます。

「全国紙の新聞広告」は書籍販売の最強ツール

プロモーションには「ペイドパブリシティ」と「ノンペイドパブリシティ」の大きく2種類があります。

ペイドパブリシティは、有料の広告です。「鉄板」といえるのが新聞広告です。新聞広告の出版枠というのは一般企業では買えないもので、私たちは幻冬舎グループの枠として押さえることができます。これは当社の大きな強みです。

クライアントである著者は当然、自分の名前を新聞広告に出すことができます。世の中に広く自分の名前を広告できるのは書籍特有の強みといえます。新聞の発行部数は減少傾向にあるとはいえ、まだまだ強力なメディアの一つであり、特に書籍の広告では依然として大きな力を発揮します。日本経済新聞や朝日新聞、読売新聞などの全国紙のほか、著者の経営する企業の地元の地方紙などにもエリアマーケティングとして広告を出します。新聞広告を打つことによって、書店での売り上げやAmazonなどのランキングは着実に上がっていきます。

ノンペイドパブリシティは、費用の発生しないメディア掲載です。書籍刊行のプレスリリースはもちろんですが、それだけにとどまらず、リリースの後にテレビ、新聞や雑誌、Webなど各種メディアに対してさまざまな働きかけをします。典型的なのは書評の依頼ですが、それ以外にも、「こんな本が出ました」「著者のインタビューも可能です」といった情報発信に徹底的に力を注ぎます。この際、書籍そのものと、書籍の著者(専門家)という2つの側面で告知する点も特徴です。

新聞や雑誌などに書評が掲載されたり、著者がインタビューを受けたりすると、クライアントの認知度が上がります。著者インタビューでは当然、本の中身について触れるわけですから、インタビューを読んだ人が、自分の抱える問題の解決に役立ちそうだとか、知らない世界だけどおもしろそうだから読んでみようとか、購読の動機につながることが期待できるのです。

書店プロモーションは「局地戦」で勝負

テレビや雑誌などのメディア関係者は、時代を映し出す社会問題を解説したり、問題提起できたりする専門家を常に探しています。書店やAmazonで「大手出版社から書籍を出している人」を選ぶのはメディア業界の常識となっています。そうしたニーズとうまくマッチングすれば、驚くほどあっさりと大手メディアから声が掛かることもあります。1つのメディアが取り上げると、2つ、3つと声を掛けてくるメディアが増えていき、大きな相乗効果が生まれます。そうなると著者のテレビ出演などが実現する可能性が出てきて、実際に、全国ネットのテレビ出演に至って一気に知名度を上げたクライアントも少なくありません。

多くのメディアで紹介されると、当然たくさんの人の目に留まりますから、読者、つまり企業のターゲットに知ってもらえる確率が上がります。

読者に書籍を手に取ってもらうためにもう一つ、書店プロモーションにも力を入れています。新聞広告や各種メディアへの露出はマスマーケティングですが、書店プロモーションはエリアマーケティングの側面も強いです。いわば局地戦で、エリアを絞り込んで、そのエリア内の書店に来た人に書籍を知っていただき、手に取ってもらうための手段としてのプロモーションが特に奏功します。

たとえば、著者の経営する企業が不動産投資会社で港区や渋谷区は確実にリーチしたいとか、税理士法人であれば事務所を置く新宿区や隣の渋谷区は絶対に押さえたいなどの要望がクライアントごとにあります。そこでエリア内の書店を選定し、ポスター付きで大々的な平積みや面出しを促したり、売り上げランキングへの掲載を狙うといった仕掛けをしていきます。

このように私たちの企業出版では、制作した書籍を、ターゲットとする読者に届けるためにさまざまな取り組みを行っているのです。

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