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名古屋の「マダムたち」が通うエステが「若い世代」からの認知を一気に高めた方法

著者:GMCブランド戦略室

BtoCビジネスを手がける企業のなかには、顧客層が固定化してしまい、その幅を広げることに苦労している企業が少なくありません。今回は、書籍の出版を活用し、新たなターゲットからの認知を一気に獲得し、顧客層の拡大に成功した事例を紹介します。

大量のリピーター獲得の陰で新規開拓の力が低下…

BtoC企業のターゲットは文字どおり消費者ですが、創業後一定期間が経つと、顧客層が固まってしまうケースがあります。

顧客層が固まってしまうと、結果的に業績が頭打ちになることも多く、BtoC企業は、常にターゲットを広げていく必要があります。新しいターゲット層を開拓するにあたっては、その新規ターゲットが「自社商品・サービスのどんなメリットに魅力を感じるのか」「どのような媒体を見ているのか」といったことを把握しておく必要がありますが、実際には知見に乏しいのが通常です。そのため、効果的な訴求ができない=新規ターゲット層が開拓できないという事態に陥りがちです。

顧客層の幅を広げるにあたり、この問題を乗り越えるのは簡単ではありませんが、書籍出版によって新たなターゲットを一気に開拓した事例があります。地元である名古屋を中心に、愛知県内でエステティックサロンを展開している「株式会社米坂」の事例です。

同社は、1972年に名古屋で初めて「米坂サロンドエスティック1号店」をオープンした老舗です。もともと愛知県内での認知度は高く、開業当初から通っている顧客が今でもいるほど、数多くのリピーターを獲得していたこともあり、新規顧客の拡大にはあまり力を注いできませんでした。

しかし、創業から長い時間が経ち、若い世代を中心に「米坂ブランド」を知らない人々が増え、新規顧客が大きくは伸びないなかで、顧客全体の年齢層が引き上がってしまったのです。もちろん、安定した顧客を抱えてはいるものの、その8割が40代以降という状況で、20代から30代といった若い世代の集客が本格的に課題となってきたのです。

改めて、若い世代をターゲットとした認知拡大施策として、WEB広告やポスティング等を実施しましたが、費用対効果が合う手法はなかなか見つかりません。抜本的な打開策として、同社が選んだのが書籍出版という選択肢です。

書籍刊行をきっかけとした「テレビ露出」が認知度向上の決定打に

同社が1冊目として出版したのは「ディープリンパマッサージ」に焦点を当てた書籍です。40代以降の世代と比べ、若い世代の場合「エステに行きたい」という強烈な願望を持っている人がそれほど多いわけではありません。しかし、美容に関して何らかの悩みを抱えている人はやはり多く、まずは自宅で手軽にできる「ディープリンパマッサージ」を紹介する内容としたのです。

エステの利用をいきなり促すのではなく、気軽に試せるセルフマッサージ法を紹介することで、米坂ブランドを支える高い技術力をアピールし、若い世代の囲い込みから行うことが目的でした。エステサロンへの導線としては、プロの手による「ディープリンパマッサージ」を特別価格で体験できるキャンペーンを大々的に開催するというかたちで整備したのです。

書籍刊行後まもなく、テレビのワイドショーで取り上げられたことが、ディープリンパマッサージと米坂ブランドの知名度を飛躍的に向上させました。書籍をきっかけにしたテレビ露出は珍しい事例ではありませんが、書籍×テレビという組み合わせは、ブランドの信頼感を高めるうえで圧倒的な効果を発揮します。

書籍自体も順調な売れ行きを継続し、若年層に米坂ブランドが浸透していく原動力となり、20代から30代の顧客を大幅に増加させる結果となりました。同社はその後、2冊目となる書籍『賢者のエステ』を出版し、さらなるブランディングを進めています。

新たなターゲットを開拓するにあたり、どのようにして自社の認知度を高めるかは、BtoC企業にとって最大の課題です。実店舗でのキャンペーンと連動させて顧客化を図る、テレビ露出のきっかけとなって飛躍的な知名度向上につながるケースもあるなど、書籍出版にはさまざまな使い方と可能性が広がっているのです。

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