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「食べる瞬間」に話しかけるのはNG!? 知っておきたい“食べるメカニズム”

著者:GMCブランド戦略室
企業ブランディングコラム

「口に入れる瞬間」に脳はフル回転する!

私たちが何かを食べるとき、脳が最も「働く」のはいつでしょう?
それは「食べ物を口に入れる瞬間」です。

「毒じゃないか?」
「腐っていないか?」
「尖っていないか?」
「やけどする温度じゃないか?」
――生命維持までも左右するときですから、考えてみればごく当然のことです。

その瞬間は、口全体で7000~10000あるといわれる味蕾(みらい)細胞も、
鼻腔の天井部に約2000万個並ぶ嗅覚細胞も「総動員」です。

「どのくらい口を開ければいいか?」
「唾液はどのくらい出せばいいか?」
「まず口の中のどこに運べばいいか?」
――それらは食べ物の味、形状、温度などによって異なり、瞬時に判断すべき情報は無数にあります。

そんな生命の維持にもかかわる大切なタイミングですから、ヒトにとって、
「食べ物を口に入れる瞬間に話しかけられる」のは大きなストレスになります。

「ほら、こぼさないでね」「たくさん食べてね」「熱くない?」
――そんな言葉をかけられただけで、
特に食機能が未熟な子どもや食機能が低下している高齢者は、「食べる気力」を著しくそがれてしまうのです。

では、自分で食べ物や飲み物を口に運んだ場合、
ゴックンと飲み込むまでの間、コップやスプーンはどこにありますか?
口の近くで止めていますか?それともテーブルの上に戻しますか?

すぐに遠ざけない(=口に入れる瞬間に他の動作が発生しない)ほうが呼吸も整えやすく、
落ち着いて食べられることがわかるはずです。

みなさんも試してみてください。


「下くちびるへの刺激」が“アーン”のカギを握る!

コップで水やお茶を飲むときに、その縁を口のどこに当てているでしょう?
下くちびるの中央部に当てていますよね。

下くちびるへの刺激は、開口を促す大切な刺激なのです。

シーハンによる胎児の成長の研究によると、
月齢9~12週の頃から既に、「下顎口唇領域への刺激によって胎児の開口が促される」と報告されています。
赤ちゃんに「アーン」とスプーンで食べさせるとき、
または目や手が不自由な高齢者に「お水をどうぞ」と飲ませるとき――
最初に下くちびるにそっと付けてあげると、安心して口を開けやすくなるのです。

食べたり飲んだりする動作は、
「梅干を見た瞬間に、唾液がジュッと出る」
「冷たい水は舌の上を通るが、温かい飲み物は舌の下に回る」
「食べ物の硬さによって、噛む力を調整する」
「口を閉じて舌が上あごに付くと、ゴックンと飲み込む動作が促される」
などといった過去の情報に助けられつつ、
さまざまな運動器官や感覚器官が連携しながら行われている実に複雑なものです。

そんなメカニズムの一端を知ることで、
食をサポートするほうも、またされるほうも、食事の時間をラクで楽しいものにすることができるのです。

■参考図書:摂食研究会、氏家賢明、大野康、(2015)『食べる・飲むメカニズム』日本歯科新聞社

 

日本歯科新聞社

水野 麻由子

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