事例
“ITと出版”のコラボレーションで自社サービスの差別化を実現
セカンドライフの大きな特徴は、ゲーム内通貨が現実通貨と交換できることなので、自社サービスの強みとしてもっと差別化していきたいという思いがありました。
また、ITは権力者や大きな企業のためにあるものではなく、個人や小さな団体が活用してこそ意味のあるものだと考えています。ITがこういった小さな善意を集めるのに適していると考え、セカンドライフ内で寄付を募ることを考えつき、書籍の出版も企画に至りました。
ITは常に変化しており、リアルタイムな状態を捉えるにはとても優れた媒体ですが、一定期間にわたる変化や動向をまとめて見るのには向いていないと思います。
その点、書籍は、穏やかな動向をまとめて見ることができます。コラボレーションすることによって、リアルタイムに、かつじっくりと「八国山」を知っていただくきっかけになるのでは、と考えたのです。
出版後の効果
弊社のミッションは、ISP事業を通じてリアルとヴァーチャルをつなぐ架け橋になることです。セカンドライフ内の「八国山」においては、「ヴァーチャルがリアルを救う」架け橋を目指していますが、書籍の発行によってその思いを伝え、活動の幅を広げることにつながりました。
また書籍刊行後にマスコミの方を交えて出版記念パーティーができ、さまざまな交流のきっかけを作ることができたことも新鮮でよかったと思っています。読者にとっては数多くの書籍の中の一冊かもしれませんが、弊社にとってはたったひとつの大切なブランディング書籍ですからね。
出版を検討している企業へのメッセージ
セカンドライフ全体の動向は、来場者数や売上を競うようになるでしょう。弊社はそういった競争からは一歩離れて、セカンドライフの可能性を探る活動をしていきたいと考えています。「八国山」を充実させていくことはもちろんですが、別のコンセプトのSIM(Subscriber Identity Module)を開発していくことも視野に入れています。
競争の激しいサービスの中で、独自性を打ち出していくことをお考えの企業の方は、「ブランディング書籍の出版」という手法が、ヒントになるのではないでしょうか。
書籍の内容
<書籍でITサービスを差別化>
インターネットの仮想世界であるセカンドライフ。ここに存在する「八国山(はちこくやま)」を舞台に繰り広げられる物語。――ある日、社長からセカンドライフ事業の着手を命じられた新人社員の今橋麻衣。広島部長とふたりだけの新規事業は悪戦苦闘するものの、次第にセカンドライフの可能性に目覚めていく。一歩一歩仕事を進めていくうちに、学生時代の淡い恋もよみがえって……。コラムではセカンドライフで活躍する現実世界の人物インタビューも掲載。“ちょっと先行く”セカンドライフの楽しみ方や可能性を探る一冊です。