高齢者たちは、なぜ「死にたい」のか?
「死にたい」と言わせないために、私たちには何ができるのか?
日本は現在、世界のどの国よりも早く「人生90年、100年」という時代に突入しています。
しかし一方で、自身の長寿を喜べない高齢者も増えています。
大きな病気もなく、経済的にも家族関係にも恵まれている人であっても、
「死にたい」という思いに駆られる例が少なくないのです。
本書では、増え続ける「死ねない老人」の実態を解説したうえで、その背景や解決策を提示します。
高齢者が人生の集大成ともいえる時期を充実して生きるためには何をすべきなのか。
また高齢者本人の意思が尊重される医療や最期を叶えるために、
家族や社会で行える対策にはどんなものがあるのかも解説しています。
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取材や講演依頼が続々。
「終末医療」の実態を広め
患者数は大幅UP。
1988年、千葉大学医学部卒業。千葉県救急医療センターに勤務後、千葉大学医局研修を受け、千葉大学大学院で医学博士号取得。さいたま赤十字病院に勤務し、2003年より医療法人社団杉浦医院院長、2004年より同医院理事長。埼玉県立大学、上尾中央看護専門学校で講師を務めている。大学卒業以来25年以上にわたり高齢者医療に携わる。
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INDEX
1. 長寿大国日本の高齢化問題と尊厳死について、世に訴えたかった
私は医学部を卒業後、救命救急から心臓血管外科、消化器がんの診療などを経験し、現在は外来と訪問診療、地域医療を担っています。父が開業していた病院を引き継いで2003年に埼玉県川口市で医療法人社団杉浦医院を開業し、外来と併せて訪問診療もスタートしました。 これまで数々の医療現場で25年以上、高齢者医療に携わってきました。高齢者が人生の集大成ともいえる時期を充実して生きるために、家族、社会、医療はどうすればよいかというテーマを一貫して考えています。 その経験から、2017年には『死ねない老人』を出版しました。当書籍では、長寿大国日本の高齢化問題と尊厳死についての現状を事例とともに紹介し、解決策を提示しています。出版直後に共同通信社の記者が書評を書いたこともあり、取材は30媒体以上立て続けに来ました。 その後、日本尊厳死協会の理事に選出されるなど、活動の場は広がっています。講演依頼も倍以上に増え、世の中への啓蒙活動としての書籍出版は成功を収めたと考えています。
2. 本を書く行為はテーマを熟考することであり 在宅医としての方針や理念を明確に伝えられる
高齢者医療に携わる中で、かねてより書籍を執筆したいと思っていたことは事実です。そんなときに、たまたま幻冬舎の方が営業に来られて、書籍を出すことを強く勧められました。出版を決意したはよいものの、何をテーマに執筆するかについては、非常に頭を悩ませたものです。 セミナーや講演会では在宅医療をテーマにすることが多かったのですが、はたしてそれでいいのかどうか。編集者と繰り返し打ち合わせをする中で、やはり在宅医療に焦点は絞られていきました。 当時、在宅医療を礼賛する書籍は世の中に多数出ていました。しかし、私は病院で働いたこともありますので、「在宅でも病院でもどちらでもいい」といった中立の立場を貫くという点にはこだわり、差別化を図りました。そして、医師として生死に関わったことをストレートに出せばいいのでは、と思い至りました。推敲していくうちに、段々と『死ねない老人』の完成形に近づいていきました。
3. 高齢者が目にする媒体を中心にパブリシティを展開
プロモーション戦略では、話題性を高めるアプローチを行いました。具体的には、読売新聞・毎日新聞などの全国紙で広告掲載を実施、新聞や高齢者が目にする媒体を中心にパブリシティを展開。
また、医院のある埼玉県川口市の書店を中心に配本強化し、地域の在宅医としてのブランディングを狙いました。
この戦略が功を奏し、共同通信の書評欄に掲載され、取材は30媒体以上などメディアへの露出が増加。また、書籍出版をきっかけに日本尊厳死協会の関東甲信越支部の理事に選出されました。
4. 出版直後に共同通信の書評や30媒体より取材。 日本尊厳死協会の理事にも選任される
『死ねない老人』を出版してからというもの、取材を受けること30媒体以上にもなります。出版後2年半以上経ちますが、取材が連綿と続いていることを思うと、確かな出版効果を感じています。 私はこれまで医師として、病院や訪問診療で多くのお年寄りの最期を看取ってきました。書籍の内容は、私の臨床経験を元に、高齢者が満足いく生き方や死に方を問うたものです。『死ねない老人』というタイトルはラディカルだと思われた方もいたかもしれません。ですが、本書では増え続ける『死ねない老人』の実態を解説した上で、その背景や解決策を提示しています。高齢者本人の意思が尊重される医療や最期を叶えるために、家族や社会が行える対策にはどんなものがあるのかを真摯に伝えたつもりです。 もちろん、これまでも情報発信はしていましたが、今回の出版は全国書店での流通や、新聞広告告知もあり反響の度合いが全く違いました。これまで行ってきた市役所や保健所の方々とのセミナー開催などとは比べものにはなりません。 医師として啓蒙したい事柄があり、加えて世の中に発信したいという信念がある方がいらしたら、書籍出版は有効だと声を大にしてお伝えしたいです。 出版効果については、患者さんの数が大幅に増加しましたので、受入れがオーバーフローになることもありました。そのようなときは、同じ理念を持つ基幹病院の医師にも患者さんを振り分けさせていただくことができたので、想いを共有する仲間が増えたという意味では相乗効果になりました。
5. エリア戦略で売り上げ部数300冊を超える書店も。 1冊目は重版達成、新型コロナで「死」の意識は変わったタイミングで2冊目も出版
今回、『死ねない老人』といったラディカルなタイトルが当たったのか、売り上げは順調だったようです。特に、地元の埼玉県川口市では大型書店展開を敢行してくださったので、書店によっては300冊も売れた店もあったとのこと。「本を読みました」「友人から借りました」と来院する方が多く、口コミ効果の威力を実感しているところです。 現在は、『死ねない老人』の続編を制作中です。書籍を作る作業というのは医者にとって新鮮なものです。というのも、実は医者の世界というのはある意味閉鎖的だからです。ですから、編集者と多くの話をしていくうちに、自分の診療方針や理念などが改めて固まってきますし、さらに、一般の方の意見も大変貴重であることに気づかされます。 今回の書籍には患者さんの事例をふんだんに入れたのですが、これは編集者さんの提案でした。「患者さんのインタビューに行きましょう。そのほうが読者に伝わります」と言われましたが、決行して良かったです。通常、終末医療の話は聞きづらいものですが、それができたのは患者さんとの信頼関係があったからです。長年付き合っている患者さんだから実現できるのではと編集者さんも見込んでいたようです。 死生観を一般論で語るのではなく、個々の事例から私が感じたことを語ったことが読者の共感を呼んだのではないでしょうか。また、『死ねない老人』というタイトルは自分では決して浮かんでくるアイデアではありませんでした。自分の考えや想いがあるだけでは書籍として世の中に出せなかったでしょう。編集部のクリエイティブの力を痛感しました。1冊目の反響を受け、また新型コロナで「死」の意識は変わったこのタイミングで2冊目を出版いたしました。さらなる相乗効果を生むことができれば幸いです。
編集者の視点
●同院の伝えたいことや発信したいことだけではなく、ターゲットである高齢者のメリットにつながる内容にすべく、増え続ける「死ねない老人」の実態を解説したうえで、高齢者が人生の集大成ともいえる時期を充実して生きるためには何をすべきなのかを提示。
●高齢者本人の意思が尊重される医療や最期を叶えるために、家族や社会で行える対策にはどんなものがあるのかを解説。