何かを始めるのに遅過ぎることはない!
介護士が笑顔で働ける施設をつくりたい――
51歳、ベテラン看護師の遅咲き起業物語
本書は理想の介護施設の実現を求めて、51歳で起業したベテラン看護師の物語です。
著者がはじめて介護の世界に足を踏み入れたのは、急性期病棟の看護師として
約18年働いた後のことでした。
勤務する医療法人の人事異動で介護施設の責任者に任命されたことがきっかけです。
死と隣り合わせの救急病棟とは異なり、介護施設ではゆったりと時が流れていると
著者は想像していました。
しかし実際は介護士が一日中慌ただしく動き回り、ゆとりのない介護士に介護される
利用者は笑顔を失っていたのです。
著者は根気強く施設の設備や環境を整え、施設の雰囲気は徐々によくなっていきましたが、
それでもまだ介護士はどこかストレスを抱えている様子のままでした。
利用者を笑顔にするためにはまず介護士自身が笑顔でいなければいけない――
そのためには職場環境などの目先の条件を整えるだけではなく、
土台となる教育から変える必要があると著者は悟りました。
長年勤めた法人を退職し、M&Aで介護施設を譲り受け51歳で起業をしたのです。
しかしその施設は利用者が少なく、その大半が福祉を利用して安い家賃で入居していたため、
経営状態は赤字続きの状況でした。
それでも志を同じくする仲間の看護師とともに徹底的に施設のランニングコストを削減し、
約4カ月で黒字化に成功しました。
教育については、介護士が初任者研修や実務者研修を受けながら
実際の現場も体験できる学校を設立しました。
介護士が心から笑顔で働ける理想の施設を実現するために著者は現在も日々奮闘しています。
本書は、理想の介護施設の実現を目指し51歳で起業をした著者の軌跡を通じて、
「何かを始めるのに遅過ぎることはない」ということ、そして介護事業のあるべき姿や利用者に
必要な真のケアについても学ぶことができる一冊です。