大規模修繕工事業界の闇に光をあてる

著者インタビュー

書籍出版の一番の動機は、「社会の役に立ちたい」

阿部氏

Q. 書籍出版に至る経緯を教えてください。

書籍出版の一番の動機は、「社会の役に立ちたい」というものです。

昨今の建設業界は、残念ながら悪質な建設業者のニュースで溢れています。

少し過激な発言になりますが、建設業界、特に大規模修繕工事業界では、お金をバラまけば、仕事を受注できることが多く、技術を切磋琢磨しようとする風潮はなくなっているように感じます。

そんなゆるい環境では、技術の発展や品質の向上は期待できないのではないでしょうか。

また、バラまくお金は工事価格に含まれていますから、工事価格は驚くほど高い。

さらに、慢性的な人手不足と技術力低下によって、工事の遅延が常態化しています。

品質技術の低下、工事価格の高騰、工事の長期

換言しますと、「業界最高水準の半分程度の品質の工事に対して、適正価格の2倍ものお金を払って、30%も長いダラダラとした工事が実施されている」というのが実態なのです。

大規模修繕工事の業界では、このような「非常識が常識」となっており、よほど悪質なケースを除けば明るみになることはありません。

「社会をより良くする」ことが企業の存在意義とするならば、大規模修繕工事業界の闇に光をあてることが必要ではないかと考えたのです。

Q. 書籍の中で気をつけていた点はありますか?

A 大規模修繕工事業界の「闇」ばかりが注目されて、建物所有者を不安にさせては意味がありません。

「品質技術の低下、工事価格の高騰、工事の長期化」といった問題の実態をお伝えすることは重要ですが、それ以上に、どうしてこの問題が発生しているのかという原因を明らかにすることが大切だと考えています。

そのうえで、「品質技術の低下、工事価格の高騰、工事の長期化」という問題は解決可能であること、そして「賢明な選択」をすれば、それほど高い労力を払わなくても、「大規模修繕工事を必ず成功させる」ことができることをお伝えすることが本書籍の目的です。

規模修繕工事は、今や日本でも屈指の「搾取(詐取)業界」

阿部氏

Q. 読者に伝えたいメッセージは?

大規模修繕工事は、今や日本でも屈指の「搾取(詐取)業界」といわれています。

管理会社・コンサルタント・工事会社など、さまざまな利害関係者が一致団結して、修繕積立金としてプールされているみなさまの大切な資産を「食いもの」にしようと虎視眈々と狙っているのです。

修繕積立金は、管理組合全員の大切な資産ですから、このような搾取(詐取)を防ぐことが必要だと思われます。その切り口として、「適正価格」を知ることからスタートされてはいかがでしょうか。

当社には次のような相談が多く寄せられます。

「管理会社(コンサルタント)の推薦で、某工事会社から見積書が届いたのですが、高いように感じるので、見て欲しい。」

見積書を精査すると、A社の見積金額が1億円だったのに対して、当社で再見積をすると5000万円だったり、B社の見積金額が2000万円だったのに対して、同じく当社で再見積をすると1000万円だったといったことがあります。

A社もB社も業界のトップ4の一翼の担う企業ですから、当社よりも技術力が高いと思われがちですが、A社は昨年、自ら防水工事をしたにもかかわらず雨漏りを止めることができないという理由で、当社に雨漏りの改善を数十件依頼してきた会社であり、決して技術力が高いわけではないようです。B社は今年、某建物の北面の一部で技術的に足場の設置が不可能という理由で、工事を未施工のまま終了しましたが、未施工箇所は当社によって足場を設置し工事を完了させました。

いずれも工事金額が半分の当社が施工した事例です。

必要なのは価格と品質の両立

当社には、雨漏りの原因を赤外線カメラで撮影し、それを人工知能で解析するという技術(特許出願中)や、多能工の職人を育成する教育システム(特許出願中)など、さまざまな技術があり、これによって価格と品質の両立を実現しています。これらの技術は当社独自のものですが、日本には商道徳への意識の高い優良な工事会社がたくさん存在します。そのような工事会社が施工すれば、良心的な価格で高品質の工事を実現することも可能です。

「価格」を切り口として、工事会社の技術力やサービスなどを確認しながら、優良な工事会社を選択して「大規模修繕工事の成功」へと繋げてほしいと思います。

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