企業出版だからこそ求められる
編集者の力量と覚悟

幻冬舎メディアコンサルティング
編集局局長
2005年入社
永田 恵麻

企業の“伝えたい”を
読者の“知りたい”に変える

私は編集局局長という役割上、幻冬舎メディアコンサルティング(以下GMC)から出版される書籍は一冊残らず内容を確認しています。勤務地は名古屋支社ですが、東京、大阪を含め、社内で手掛けるすべての書籍の品質向上が私の役目です。
企画から印刷校了まですべての工程に関わるので、目を通す企画書や原稿はかなりの数にのぼります。平均すると1日20作品程度だと思いますが、どの作品も「読者(=ターゲット)を意識しているものになっているか」を重点的にチェックしています。
企業出版においては、著者が書きたいことを書くのではなく、「著者が伝えたいことを、読者の読みたいもの」へと変換する必要があります。著者と読者のニーズを合致させることは簡単なことではありません。著者が「伝えたい」と思う内容の軸はそのままに、読者に必要な情報が届きやすいように表現や切り口を磨くこと。これこそが編集者の腕の見せ所です。
GMCとのかかわりは、創業前にまで遡ります。もともと幻冬舎グループの外部スタッフとして仕事をしていたことがきっかけで、会社の立ち上げ時から歩みを共にしています。以来、企業出版に専念しているわけですが、この仕事の大きな魅力として「社会の仕組みを知ることができる」ことが挙げられます。IT、介護、金融、医療、健康、科学技術……あらゆるジャンルに関わることができるので、常に情報がアップデートされ、「こういうことだったのか!」という発見は事欠きません。このあたりは、特定のジャンルを中心に展開する出版社にはない醍醐味だと思います。

編集の質を高めるための思考力

GMCは、企業出版において多くの実績を積み重ねてきました。著者や読者から好評を得る書籍も多く、ある程度の勝ちパターンを形作ることができたと思います。
ただ一般的な書籍に比べると、少なからずハンディを背負っている部分もあります。それは、企業出版は有名人が著者になることがほとんどなく、名前で本が売ることができないということです。たとえば、ファンによる購入が見込めるタレント本は、出版社にとって一定の販売部数が計算できる貴重な収入源です。テレビやSNSといった伝播力が高いメディアでも連日取り上げてもらえます。一方、企業出版は「知る人ぞ知る」という方が著者となることが大半です。人並み外れた実績や功績を有していても、芸能人やベストセラー作家ほどの知名度はありません。だからこそGMCは編集者本来の力量が試される場であると言えます。力をつけるには絶好の環境に違いありませんし、手に取ってもらえる本をつくるために、私たちはタイトルや目次、帯文やデザインを何通りも考えるなど、あらゆる知恵を絞っているのです。
今後は業務の改善をはかり、さらに編集の質をあげていきたいと考えています。IT化・DX化できる部分は対応を進め、雑務を極力減らし、考えることや議論することに時間をさけるよう、環境整備を進めています。
刊行するすべての書籍のメッセージ力を強めるため、思考力を高めることは欠かせません。GMCは、ヒットの打ち方はマスターしている出版社です。これからはさらに大きな当たり、ホームランを狙っていきたいですし、それだけのテーマと出会う可能性も十分にあります。あとは編集者一人ひとりが成長し、作品に深く落とし込む力、つまり思考力を磨くことが課題です。

覚悟のもとにつくられる
「世界で一冊の書籍」

あらゆることに、なぜを繰り返す――。これは著者と接する際に、私が心掛けていることです。本当に伝えるべきことを掘り出すためには、疑問を持つことが大事です。人は想っていることをすべて言葉にしているとは限りません。「この著者がこのように力説する背景には何があるのだろうか」と常に相手への興味関心を抱き、フレキシブルに視点を変えていくことで、見えなかったものが見えてくるようになるのです。
編集者は好奇心が旺盛で、学ぶことが好きな人が向いています。特にGMCはさまざまな知見を吸収する機会に恵まれています。案件は平等に振り分けられ、多種多様な業界や著者を通して広く社会を知ることができるはずです。インターネットやマスメディアを通じてでは分からない生の情報が身の回りにあふれており、刺激や発見には事欠きません。
一方、取材した内容の幅が広いからこそ、アウトプットする際には膨大な労力がかかります。粘り強く、じっくりと煮詰めて形を整えていかなければなりません。ベストなものを作るという覚悟と、そこに到達するための根性や気概が不可欠です。ゼロからなにかを生み出すには、どうしても相応のエネルギーが求められます。苦しい、難しいと感じることもありますが、そこを乗り越えて晴れて書籍化したときは達成感もひとしおです。一冊手掛けるごとに、確実にレベルアップする自分を体感できると思います。
GMCが手掛けるのは、その著者にしか語れない「世界で一冊の書籍」です。その一冊が自分の手によって形になり、必要とする読者の手元に届けられていく。編集の仕事を何年つづけていても色あせることのないこの喜びを、新しいメンバーとともに分かち合いたいと思っています。

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