18歳の夏、20万円だけを握りしめて田舎を飛び出し、東京へやってきた木村一志。 家も仕事もあてがなく、いきなりホームレス生活に陥る。なんとかバイトで食いつなぎながら人生に焦りを感じ始めた木村の脳裏に浮かんだのは、かつてテレビ番組で目にした「錠前技師」の姿だった。 なけなしの金で鍵の学校に通い、ゼロから錠前技師の技術を身につけ、次第に凄腕の鍵開け屋として警察関係者にも知られるようになる木村。 開かずのマンションからベンチャー企業の家宅捜索、薬物常習犯の確保、韓国大富豪の巨大金庫、室町時代の宝箱まで、ありとあらゆる鍵を開けていく。事実をもとに描かれた波乱万丈のストーリー。
こんな仕事があったんだ!
錠前技師の仕事の裏側、
そして生き方が明かされる。
錠前技師って―学校に通えば誰でもなれる?
錠前技師になろうと決めた木村が取り寄せたのは、「鍵の学校」のパンフレット。 ピッキングの基本から最新タイプの電子錠まで開け方を学べる。 最短3カ月で修了、プロの錠前技師として仕事が始まる。
錠前技師って―儲かる?
家の鍵、車の鍵、金庫の鍵……鍵は人の生活に欠かせないもの、仕事は尽きない。 独立開業した木村は早朝からチラシを配りまくって営業活動に精を出す。 修業に修業を重ねて腕を磨いた木村はあらゆる鍵を開けまくり、 辿り着いた年収はマックス3000万円!
錠前技師って―危ない目に遭う?
なかに人がいるはずなのに、なぜか開かないマンションのドア。 寝ているのか、動けないのか、それとも……。 思いがけないシーンに遭遇した木村は無事に仕事を終えられるのか?